18「再開」
金髪の少女――エルヴィットは地下牢を脱するため駆け回っていた。
しかし、先ほどから大量の兵士達が彼女を捕えようと立て続けに現れている。
エルヴィットはその状況に歯噛みし、再度、顔を出した三人の兵士に向けて血の楔を放った。
兵士達は崩れ落ち、死を晒す。
エルヴィットはその場を後に、再び出口を探して走り出した。
「本当にどこなのじゃ……」
気が滅入ってしまうほど長く、出口が見当たらない地下牢は宛ら迷宮のようである。
さて、エルヴィットはというと。
不意に肩を貫いた絶大な痛みに顔を歪ませた。
「まさか逃げ出しているとは……監視の兵は何をやっているのだか」
「が、はっ……其方、一体何者だ!!」
エルヴィットは勢いよく跳躍して、背後にいた声の主から遠ざかる。
今しがた彼女が立っていた場所には、一人の灰髪の男がいた。
男は気怠げな表情と、それと相反しているほどに強い眼光を滾らかせ、こちらをギロリと睨み付けている。
エルヴィットは身構え、異様な男から発せられる、異質で不気味な雰囲気に冷や汗を一滴垂らした。
「ほう、肩を穿たれたというのに戦闘の意思表示か……悪くはないな。根気があって素晴らしい」
そう言うと、男は両腕をだらりと下ろし――上膊から棒状の黒い“何か”を取り出した。
それは姿を忌々しい剣に変えると、エルヴィットはそれを見てこれが『邪剣』であると察した。
「邪剣……一体、どうやってそれを」
「なに、前の管理者から奪ったまでだ」
口角を無理矢理上げ、男は不気味な笑みを浮かべる。
それに対しエルヴィットは、自身の周りに複数の血の楔を浮遊させる。
次の瞬間、火蓋が切られた。
先行は相手の男であり、途轍もない速度でエルヴィットの浮かべていた血の楔を打ち砕いた。
エルヴィットは歯噛みし、男に向かって血の散弾を放つ。
しかしながら、それさえも打ち砕かれてしまい。
「ああああああああああっっっ!!!!!!!」
エルヴィットは思いきり体を切り付けられてしまった。
上半身から大量の血飛沫が飛び、みるみるうちに周りを汚していく。
そのまま彼女は力なく倒れ、口の端から血を零しながら、光を失った瞳を何もない石の壁に向けていた。
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「――行こう、ウテナ」
「うん」
藍髪の少女――レイラは、同じくらいの背丈のウテナと共に獣道を歩いていた。
向かう先はトウマがいるであろう、屋敷だ。
そこに到着した時には、ウテナの怪我も完全に治っていることだろう。
勿論、レイラの体も癒えるだろう。
「にしても、あれ放置しててよかったのかな……」
ウテナを弄んでいたリリエルとか言う少女を、脳裡で浮かべては、「まあいいか」と結論を出すレイラ。
実際に、リリエルの死体はそのまま森の中に放置してここまで歩いてきた。
すると、隣で沈黙を保っていたウテナが不意に目を見開いた。
「あれって……」
「――!!」
ウテナが指を指した方を、レイラが驚いた表情で見上げていた。
「屋敷……!!!!」
遠くの方で聳え立っている巨大な屋敷を見て、二人はその場から走り出した。
どうも、焼き鮭です。
もし
「面白い!」「エルヴィットはどうなったの!!??」「ついにウテナ達が屋敷に……!!」
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