11「劣勢を殺す」
剣呑な雰囲気が漂う戦場。
リキアと刀を手にした男は互いに睨み合い、出方を窺っている。
次の瞬間、男がリキアの懐へと瞬間移動したかのごとく速度で現れた。
リキアは対応に追いつけないかと思ったが――
「やるじゃないか、だが遅い」
刀を寸隙で躱し、リキアは隙のできた男の体へ、氷の刃を大量に打ち込んだ。
男はそれらを全て刀で砕いたがしかし、それらの破片が彼の身体中に突き刺さった。
「のおっ!」
男は目を見開いた。
その直後、リキアの蹴りが彼の頭を吹き飛ばした。
頭蓋が破砕され、鮮血と骨の欠片が周囲に飛び散り、男は頭部を失ったまま立ち尽くしていた。
「なんとも奇妙な光景だな」
刀を構えた姿勢のまま硬直している男を目に、リキアはふっと微笑んだ。
すると、男の腹部に突如として穴が開いた。
そこから一つのナイフが飛び出しており、ナイフは何かを確かめるようにもぞもぞと動いている。
それを不審に思ったリキアは魔法陣を展開する。
「やられちゃったんだ」
「誰だ?」
「私?」
すると、男の死体が倒れ、その向こう側から一人の少女が顔を出した。
少女は金髪に深紅の双眸をしており、可愛らしい美貌を毅然とした態度に染め上げている。
「貴様は……!」
リキアは目を見開いた。
「ミア。リキア大将軍なら知ってるんじゃないかな」
「――そうさ、知ってるとも」
リキアは酷く憎悪に埋め尽くされた瞳で、目の前の少女を睨み付けていた。
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――薄暗い牢の中、一人の兵士が様子を見に訪れていた。
「ったく、なんで俺がこんな役目なんだか」
愚痴を撒き散らしながら、兵士は牢の鍵を開けた。
牢の中には椅子に縄で縛り付けられ、猿轡、目隠しを付けられた少女がいた。
しかし、顔にはぐるぐると包帯が巻かれており、本当に少女であるのかは確認の仕様がなかった。
「おい、食事の時間だぞ」
兵士は手元に皿を携えており、スプーンを使って口元へと料理を運んだ。
「おっと、その前に猿轡を外さねぇとな」
兵士は皿を地面に置き、猿轡を外した。
すると、
「『血楔』!!」
少女の口内から血の楔が放たれ、兵士の心臓を穿った。
「ぐはっ……! この、クソガキめ……!」
兵士はそう言いながら血を吐き、倒れた。
倒れる音を聞いた少女は再び楔を放ち、体を椅子と拘束していた縄を切り裂いた。
そして立ち上がり、顔に巻かれた包帯をゆっくりと外した。
「罰を」
紋章が刻まれた両目を怒りで滾らせ、少女――エルヴィットは牢から抜け出した。
「必ず報復を」
どうも、焼き鮭です。
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「面白い!」「ついにエルヴィットが!!」「自分もリキアに睨まれたい」
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