7「終焉」
――夜が明け、旭日が私を歓迎した。
日光が全身を包み、その暖かさに私は目を細める。
「――さて、行くぞ」
少数の精霊騎士を背後に、私はそう言った。
精霊騎士は幾つかの部隊に分け、ラスキアが潜んでいるであろう、ある屋敷の方へと馬を走らせていた。
というのも、その屋敷というのが山の中にあり、エルヴェル帝国の郊外に存在する。
私は後ろを走る精霊騎士の隊長へと目配せをした。
「ここらへんの警備は厳重だ……気を付けろ」
「分かりました」
すると、遠くの方で爆発音がした。
別部隊がやられたか。
幾ら精霊とは言え、大将軍ラスキアの部隊には太刀打ちできないのか。
「これはまずいな……あいつらも連れて来ればよかったか」
白銀の豺虎のメンバーは敢えて連れてこなかったが、精霊騎士だけでは心許ないな。
そんな不安を心の中で掲げていると、不意に目の前に一人の男が現れた。
男は刀を腰に、目を瞑ったまま立ち尽くしている。
それを不可解に思った私は精霊騎士達を止め、
「貴様は何者だ」
「名乗るほどの者でもござらぬ」
男は刀を抜くと、だらりと下に構え――
「『黝雪哭閃』」
彼の振るう刀が描く軌道に沿って黒い氷が出現し、全てを凍らせていく。
その猛威は私と精霊騎士達を襲った。
私は魔法陣を展開して炎を出現させることで、攻撃を防いだが――
「なんだと……」
しかしながら、精霊騎士達にまで届く攻撃を防ぐことができず、彼らは全員とも首を刎ねられて、馬に乗ったまま絶命していた。
「貴様、それは普通の魔法ではないな。禁忌か妖術か?」
「妖術でござる。拙者は妖魔の出で。妖術を操作するなど容易なこと」
「ほう、それは面白い」
私は漆黒の魔球を実験とばかりに男に飛ばせば、その球体を男が一刀両断。
周囲に散らばろうとした球体を凍て付かせ、男は凄まじい速さでこちらへと駆けてくる。
「『霖氷鋭刃』」
氷の刃が彼へと飛んでいくも、全て躱され――続けて私は至近距離に詰めてきた彼の体を思いきり蹴飛ばした。
しかし、彼は蹴りを喰らったが体制を崩さずして何事もなかったかのように再び駆けてくる。
「『黝雪闇軌』」
「――っ!」
私は彼の斬撃を寸隙で躱し、少しの髪束が切断されたのを視界に捉えた。
「避けたでござるか、お見事」
「強いじゃないか……貴様」
闘争心を昂らせ、私は男を睨み付けた。
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「――破滅にしか向かわないというのに」
機械の腕を軽く握りながら、ザギンクはそう零す。
「リキア様……あなたは忘れているのでしょうが、俺は覚えています。あの日のことを、あの終焉を」
全てが終わり、願望も希望も潰えた最後の日。
今回こそはと思ったが、やはりそれは叶わないのかもしれない。
ザギンクは嘆息を吐くと、目をすっと閉じた。
どうも、焼き鮭です。
もし
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