15「倒せるのだろうか」
――私は、暴れ回る巨体を前に舌打ちした。
暴力とも言えるほどの破壊を繰り返し、神獣タイラントは無数の棘が生えた尻尾を振るって精霊の森の木々を薙ぎ倒していく。
「――っ、これは厄介だな」
私は漆黒の球体を放ち、跳躍してはタイラントの尻尾を躱す。
その直後、私がいた方向の地面と木々が尻尾によって抉られた。
その光景を真下に、私は頬を強張らせる。
少しでも油断すれば、タイラントの攻撃を受けて死ぬ。それは間違いない。
しかも、『魔殲球』を放ったはいいものの、触れはしたが返って粉砕されてしまった。やはり神には通用しないか。
「だが――それが面白いのだ!!」
スリルに憧れるのかもしれない。
私は魔法陣を展開し、『雷戦霆獄』を唱えた。
雷が現れ、電流としてタイラントの全身を襲った。
「グロォォォォォォォオォォォォォォオッォオォォ!!!!」
タイラントは世界を揺らすほどの大きさで咆哮し、のたうち回る。
巨躯が暴れることによって地面が揺れて、轟音と砂埃が上がる。
続けて私は火炎を義手から放ち、タイラントへと追撃を入れる。
「グロォォォ!!!」
タイラントは起き上がると、巨大な咆哮を上げて口から光線を放った。
その光線は森中の木々を燃やし尽くし、灰燼と化す。
それを見た私はニヤリと笑い、ふと、こちらへと走って来る鎧を着た騎士達を目にした。
「私達も加勢します!!」
「精霊騎士か」
私はそれだけ言うと、こちらを睨みつけているタイラントを睨み返した。
精霊騎士の者達は剣を抜き、鬨の声を上げる。
「あれは神獣タイラントだ。下手に手出しをすれば壊滅へと招かれるであろう――十全に注意してかかれ!!」
隊長らしき者が隊員達に呼びかけ、
「魔法班、魔法陣を展開してあれを使え!」
「「「「「了解!!!」」」」」
フードを被った数名の隊員が巨大な魔法陣を共同して描き、
「「「「「『炎琉零戯堊』!!!!!!!」」」」」
詠唱した。
すると、魔法陣から巨大な炎の球体が出現し――タイラントへと直撃した。
タイラントはそれを喰らい、吹き飛ばされていった。
物凄い熱気が私の体を襲い、私は急いで冷気を体に吹きかけた。
「今のは精霊魔法か?」
「そうです……さっきの『炎琉零戯堊』は精霊界に伝わる最強にして最高の炎魔法です」
なるほど、どうりで知らない魔法だったわけだ。
私はそんな会話を隊長とすると、煙幕の向こうに佇む一匹の生物を見て頬を強張らせた。
「まだ生きているとはな……」
高火力だったはずの火球を喰らっても尚、悠然とした顔でこちらを見下ろしているタイラントを前に、私と精霊騎士達は次なる攻撃の準備をした。
どうも、焼き鮭です。
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