11「期待と危殆」
――その頃、トウマ達『白銀の豺虎』は、大勢の教徒達との戦闘を繰り広げていた。
トウマは龍神剣を振り回し、嬉々とした歪な表情で教徒達を殺戮している。
ウテナは妖魔の術式を唱え、無表情のまま教徒達を八つ裂きにしている。
レイラは氷の魔法を使用し、無邪気な笑みを湛えて教徒達を一斉に凍結させている。
エルヴィットは血を硬化し、楔のような形にして教徒達を串刺しにしている。
ザギンクは火花を散らして、エンジンのようなものを可動させて教徒達を撲殺している。
ユダは大鎌を巧みに振るい、流れ作業のようにして教徒達の体をバラバラにしていく。
「なんか来たぞ。どうすんだ?」
突如として目の前に上空から姿を現した少女。
少女を目にしたユダは全員の方を向く。
「こんにちはー! あたし、リリエルって言うんだけど、獲物ちゃんの中に藍色の髪をした子はいない?」
「アタシに何か用?」
「そうそう君だよ君。とっても美味しそうに見えたからさ――」
少女――リリエルは舌なめずりをし、体から口のある触手を無数に出現させた。
触手の口からは牙が剥き出しになっており、非常に不気味な外見をしていた。
それを見たレイラ以外のメンバーは、彼女の元へと行こうとしたが――ある一人の人物によって阻まれる。
「ひひっ、あなた方が『白銀の豺虎』か」
「誰だ……敵であれば問答無用で裁く」
「あなたはザギンク。そしてあの少年がトウマ、黒髪の少女がウテナ、大鎌を持った海賊がユダ。吸血鬼の少女がエルヴィットで間違いないな?」
「どうして余の名を」
「てめぇ何もんだよ?」
すると、人物はニヤリと哄笑した。
「ベガべド教団、教祖――グーデッド・カタストロフィと申します! ひひっ」
「カタストロフィ……じゃと?」
グーデッドと名乗る者の言葉に、エルヴィットが大きく目を見開いていた。
「ううっ……!? みんな、逃げて……!!!」
「レイラ!!!」
レイラの苦しげな声に、ユダは顔色を変えてそう叫ぶ。
彼女は体の半分を触手によって食いちぎられていた。
それを見た『白銀の豺虎』メンバー全員の頬が強張る。
「――っ、よくもやりやがったな!!」
「冷静になりなよ、獲物ちゃん」
「その呼び方やめろぉ!!! 耳障りなんだよ」
大鎌を振り回し、触手を次々と切り裂いていくユダ。
ユダはレイラの体を抱え、リリエルを睨み付ける。
レイラは体を再生している途中だ。完全に回復するまで、ユダはリリエルと戦うつもりだ。
「これは使わねえとな……!!!」
ユダは腸を刳り貫き、そして肉塊を喰らった。
すると、彼の肩から二対の翼が生え、負傷した腹部を再生させた。
「へぇ、堕天使ルシファーの力を使えるんだ。それも、人間が」
興味を示す表情で、リリエルがユダにそう言った。
「レイラ、大丈夫か?」
「うん……もう少しで戦えるから」
「そうか。しっかり掴まってろよ」
ユダは跳躍した。
空を滑空し、大量の魔法陣を展開する。
「『魔殲鏖花』……!!!」
魔法陣から漆黒の光線を放ち、それを見たリリエルは顔をしかめた。
「凄い数……」
リリエルはそう呟きながら光線を全て躱す。
そして触手をユダに向けて放った。
「余所見してていいのか?」
トウマ達はユダとリリエルの戦いの傍観に耽っていたが、グーデッドの中性的な声音によって気を取り戻した。
それと同時に教徒達も襲いかかってきた。
「『魔手』」
「『龍鬼耀戴』!!!」
「喰らえ、『血楔』!」
「械瑩術式『業火絢爛』」
全員は、教徒と教祖へと襲いかかった。
どうも、焼き鮭です。
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