10「戦闘開始」
「あれがシャロンと同じの大将軍様か。美人って感じだね」
「俺には分からん」
巨大な木の上に乗った少女――リリエルが、目を眇めながらそう言った。
その隣に座る男――ダザエルはリリエルを見て、
「何も使わずによく見えるな」
「それはダザエルの目が悪いだけじゃない?」
「リリエルの視力が良すぎるだけなんだよ」
そんな会話をしていると、リリエルが突然と目を見開いた。
「どうした」
「こっちにリキアが来る!!」
「なに!?」
大きく跳躍したリキアが、宙を舞うようにして、二人の乗る木へと着地した。
「貴様らの相手はこの私がする――」
「面倒だな――」
男は立ち上がり、リキアと対峙した。
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「――お前達はベガべド教団の教祖を殺害し、教徒を殲滅せよ」
「分かった。でも、リキアはどうするんだ?」
「私はあそこに籠っている二人組を殺害するとしよう――メリアは精霊騎士に村民を避難させてくれ」
「うん……!! 避難させてくる」
そう言って、メリアは走っていった。
彼女は酷く慌ただしい様子だった。
それはさておき、私はとある巨木に向かって跳躍した。
その巨木の巨大な葉の上に乗っていた二組の男女を発見し、私はニヤリと笑った。
「貴様らの相手はこの私がする」
「面倒だな……」
「勝手に言っていろ」
「そういえば、あんたは『シャロン大将軍』って奴を知ってるか?」
「シャロン……知っているが今その話は関係があるのか?」
「そうだな」
すると、男が愉快そうに顔を歪めた。
「――あれ、俺が殺したんだよ」
「そうか」
「ちっ、殺人鬼的に演じてみたんだが。反応薄すぎだろ、つまんねぇ」
「どうでもいいことをほざくな。他人が死のうが、私は到底興味などない」
シャロンの死を耳にしたが、私は顔色を何一つ変えなかった。
ぶっちゃけ、シャロンが死のうがどうでもいい。
私の道具である『白銀の豺虎』メンバーが欠けさえしなければ、それでいいのだ。
私は溜め息を吐きながら、魔法陣を展開する。
「精霊の森を破壊するのはまずいだろうか」
この際は仕方ない。森の損害については目を瞑ってもらおう。
私は剣を構えた男と、微笑んだまま座っている少女を見やる。
どちらが先に動くかの読み合いで、瞬間、男が駆けた。
私は腰に帯びていた刀を抜き、それを正面から受け止める。
しかし、彼の勢いのあまりに巨木から落とされてしまった。
「やるな」
少女の能力は些か気になるが、今はそれを考えている暇などない。
次の攻撃がくる。
「終われよ、早く」
「それは断る。私はここで死ぬわけになどいかないからな」
男の言葉に笑い返し、私は風の魔法を唱えて着地の衝撃を軽くする。
男はそのまま着地し、何食わぬ顔で斬りかかってくる。
私はそれを受け止め、彼の横に氷の刃を浮遊させ、飛ばした。
それに目をくれた男は急いで打ち砕く。
しかし、大きな隙ができ――
「『魔殲球』!!」
男は漆黒の魔球と衝突した。
爆発音と煙が上がり、私は続けて跳躍した。
「『雷戦霆獄』……!」
雷を上空から降らした。
「痛ぇ……これはやられたな」
煙幕の向こうから現れた男は笑い、雷を全て躱す。
私はそれを見て舌打ちし、着地した瞬間に足に炎を纏わせた。
その瞬間に爆炎を灯した足で地面を凄まじい速度で駆け、私は男へと炎の渦を飛ばした。
「『炎倶裂怒』」
男はそれを剣で切り裂き、深く息を吐いた。
すると、彼の手にした剣を赤黒い閃光が纏う。
「喰らい尽くせ、『囂鬼閃挽』!!!」
「な――!?」
閃光は雷のようにビリビリと鳴動し、赤黒さを更に濃くしていく。
男は剣を私に向けて振るい、大地ごと空間を抉った。
「――どうやら豪い相手だな」
私は口から零れる血を拭うと、立ち上がった。
隕石でも落ちたのかというほどの抉れた地面を見て、
「面白いじゃないか……!」
私はニヤリと笑った。
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「――しっかし、あたしは誰の相手をしようかな」
赤髪の少女――リリエルは、下で繰り広げられている戦闘を眺めて溜め息を吐いた。
リリエルは非常に退屈しているのだ。おまけに腹も減っている。
「おや、あの子とか獲物に丁度良さそう」
遠くで教徒達と戦闘している一人の藍髪の少女を目に、リリエルは期待に胸を躍らせたのであった。
どうも、焼き鮭です。藍髪の子はレイラですね。
もし
「面白い!」「レイラはどうなっちゃうの!?」「自分もリキアに豪いと褒められたい」
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