4「想い」
――瑟々(しつしつ)。
そう言うべきであろう、冷たくて儚さを感じさせる夜風に私は当たっていた。
ベランダにあった小さな椅子に座り、私は村全体の景色を眺めている。
「たまには、こうやって息抜きもいいかもな……」
私は紅茶を飲み、そう呟く。
すると、後ろの方から足音がした。
「エルヴィット、まだ起きているのか?」
「な、何故気付いたのじゃ……」
「気付くとも」
私は後ろを振り返り、ベッドから降りているエルヴィットを見つめる。
彼女は今まさに扉に手をかけ、部屋を出ようとしていた。
私はコップを持ったまま立ち上がり、エルヴィットの方へと向かう。
「何しに行くんだ? 早めに寝ないと明日からきついぞ」
「余は大丈夫じゃ」
「今日は一日中眠そうにしていたっていうのにか?」
「ぐっ……」
今日の昼、エルヴィットは精霊界へと向かっている最中にずっと眠そうにしていた。
だからこそ早めに寝て体力を回復してほしいのだがな。
「でもっ、余は必ず明日早起きしてやるぞっ!!」
「おい……はぁ」
扉を開けて外へと行ってしまったエルヴィット。
何をしに行くのかは分からないが、好きにさせてやろうか。
「まあいいか……そろそろ私も寝るか」
ザギンクが寝ているベッドの隣のベッドに転がり、私は天井を見つめる。
「明日から協定の話をせねばな……」
精霊と白銀の豺虎との間で、協定を結ぶのだ。
次に人間界に戻った私は、現在の帝王を処刑するべくクーデターを起こす。
それに精霊を巻き込むという作戦だ。
帝王を処刑した暁には私は罪に問われる。しかし、新たな帝王を爵位させ――勅命で私の罪を帳消しにし、それを防ぐという方法がある。
別の者に罪をなすりつけた方がやりやすいな。
「そんなこと、まだ分からんがな……」
しかし、帝国内でクーデターを起こす際に障害となる人物が多い。
きっと今は人間界に戻ってきているであろうシャロン大将軍、そしてザギンクだ。
ザギンクには世界征服をするという目的を伝えてはいない。
いつ敵に寝返ってもおかしくないのだ。
「要注意人物、か……」
エルヴェル帝国最強の私だ。
必ず、誰が相手であろうが葬ってみせる。
エルヴェル帝国を裏から牛耳り、続いてグレミア王国、プリュード王国との国際的な良好な関係を結ぶとしよう。
精霊界との協定を結んでいるため、エルヴェル帝国を介して他国も精霊界と関わろうとするだろうな。
彼ら精霊は大きな戦力になる。
更に、それを終えれば私は悪魔界へと向かう。
悪魔界にはラスキア大将軍がいるかもしれないが、そのお蔭で協定を結ぶのも容易いであろう。
最後は魔界だ。
人間界の戦力を総動員し、魔界を支配しに行こう。
あちらには魔王ガレアがいるであろうが、人間界には勇者や大将軍が大量にいる。
人間達もそう簡単にはくたばらないであろうな。
魔王ガレアを他の兵士に追い詰めさせ、最後は私が彼を殺す。
そうすれば手柄は私のものだ。
私はそれにより全世界を手の中に収めたことになる。
これで世界の頂点に立つのは私だ。
「可能であれば、神を潰しにでも行くか」
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「――寝れない……いや、本当に寝れない……」
僕は目を開けたまま、緊張で体を震わせていた。
その原因は隣で眠っているウテナだ。
「一緒の部屋に行こうって誘ったのは僕だったけど、まさかこれほどきついとは……!!」
緊張、羞恥、焦り――そんな感情が胸中に渦巻いている。
お蔭で睡眠欲など湧いてこない。
目などギンギンに見開いている。
「トウマ君……」
ウテナが寝言を呟きながら、僕の腕に抱き着いてきた。
いや、物凄く緊張するんですけど。
「やばいやばいやばいやばい……」
どうする、僕。
ウテナの可愛らしい寝顔を隣に、僕は焦りを口に出す。
こんな理性が蕩けそうな状況で無事に眠ることができるのだろうか。
すると、ウテナが起きたのか欠伸をした。
「トウマ君……まだ起きてるの?」
「いや、その、何か眠れなくて……」
「眠れないの……?」
そして、ウテナが顔を近付けてきて、
「数字でも数えようか?」
「いや、そこまでは……」
「じゃあ……どうする?」
耳元で囁いてくるウテナに、僕は恥ずかしくなって背を向ける。
すると、ウテナが後ろから抱き着いてきて、
「私……準備できてるよ?」
「な、何の……?」
「言いたくない」
「え……いやっ、その」
そんなことを色っぽく言うと、背中に顔を埋める。
僕は何だか変な予感がした。
今夜は絶対に眠れない気がする。
どうも、焼き鮭です。いや、トウマとウテナの絡み最高!
もし
「面白い!!」「他の仲間達の絡みが見たい!」「自分もリキアと紅茶を飲みたい」
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