3「款待」
「――村の者達、リキアさん達に無償で宿を貸してあげて!」
「勿論です!!」
青年が現れると、私達『白銀の豺虎』を宿の方へと案内してくれた。
その宿から合計で三つの部屋を借りてもらい、私はトウマ達全員の顔を見た。
「誰が誰と一緒の部屋になるか決めないとな」
「そ、そうじゃな……」
私はエルヴィットをじっと見つめながらそう言った。
すると、レイラが「はいはーい!」と言いながら手を挙げた。
「アタシに意見があるよっ!」
「レイラ、どうした。言ってみろ」
「アタシとエルヴィットちゃんがリキアと同じ部屋で、ユダとザギンクが同じ部屋。そしてトウマとウテナが同じ部屋でいいと思うんだけど!」
「よくないです!!」「なんでオレがこの機械男なんかとっ!?」
レイラの意見に反対したのは、特に男二人であった。
ザギンクとユダは互いに顔を背け、
「絶対にオレはこいつなんかとなりたきゃねぇよ!!!」
「俺だってお前となりたくないわ!!!」
「二人共落ち着いて。深呼吸……」
レイラの言葉を耳に入れず、ユダが頭を掻き、ザギンクが背を向けた。
「じゃあアタシがユダとなるから……ザギンクはリキアとなって」
「お、俺がリキア様と……っ!?」
何故か顔を赤くしたザギンク。
それを見た私はエルヴィットに耳打ちする。
「ザギンクって私に気があったのか?」
「分からん……」
「ていうかエルヴィットのテンション低くないか?」
「分からん……」
何かにショックでも受けているのか、呆然と立ち尽くしているエルヴィット。
私はそれがとても気になったが、我慢してザギンクの方へと向かった。
「ザギンク、部屋に行くぞ?」
「は、はいっ……!!」
「む……余もいるの忘れないのじゃぞ」
「わ、分かっております! エルヴィット様のことなど忘れたりはしません!!」
カチコチと固まった動きでザギンクが部屋へと入っていく。
すると、今度はエルヴィットが何故か顔を赤くしていた。
「どうしたんだ、エルヴィット。熱でもあるのか?」
「な、ないのじゃ!!」
そう言うと、エルヴィットがザギンクが入っていった部屋の方へと向かった。
私はそれを見送りながら、ふと、トウマとウテナが顔を赤くしていたことに気が付いた。
「今度はお前達か……何があったんだ」
「いや、それは……その」「と、トウマ君と……一緒の部屋」
「じゃ、アタシとウテナが同じ部屋になるよ!」
「それは……何か嫌だ」
レイラの提案に、ウテナが下を向きながら否定した。
すると、トウマが顔を赤くして、
「う、ウテナがそう言うんだし……部屋、取り敢えず行こっか」
「うん……」
トウマとウテナが羞恥しながら自分達の部屋へと向かっていった。
それを見届けた私とレイラとユダの三人は互いに顔を見合わせて、
「じゃ、ユダ。私達も行こっか」
「お、おう……」
何故か足早に歩くユダと、その後を急いで追いかけるレイラ。
「ちょっと、歩くの早いよ?」
「うるっせぇ! それぐらい我慢しろ」
そんな会話も遠くなっていき、レイラとユダを見送っていた私は不意に微笑んでいた。
「みんな、仲良くて何よりだ……」
あれ、
「なんで私、こんな……」
私は感情の軸がぶれている。
どうしてだ? 何故あの道具達の幸せに喜んでいる。
私は帝国最強の大将軍、リキアだぞ? 【戮殺姫】なんだ。
「世界征服したら……その時は」
道具は道具だ。
使用したら棄てるだけ。
私はそう思いながら、エルヴィットとザギンクがいるであろう部屋の中へと入った。
どうも、焼き鮭です。
もし
「面白い!」「リキアの感情が……」「自分もリキアと一緒の部屋に泊まりたい」
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