12「最後」
「――トウマっ!!」
リキアの声が、脳内で木霊する。
僕は薄れゆく意識の中、目の前の少女がふっと笑うのを見た。
しかし、その光景もぼやけていく。
「お兄ちゃん! まだ諦めないで!!!」
オリビアの声がした。
僕ははっと意識を取り戻し、傷口に閃光が灯るのを見た。
傷が癒えていく。
「龍神剣ナハドメレク!!!」
消失しかけていた龍神剣を呼び戻し、僕は眼前で瘴気を漂わせる少女を見据える。
剣を構え、僕は息を深く吸う。
「『龍鬼殄戴』!!!!」
龍神剣を瘴気が纏った。
それを見た少女は瞠目する。
「お兄ちゃん……」「何故、お前が瘴気を扱える!!!」
頬に生えた口がそう叫ぶ。
その叫喚を無視して僕は跳躍する。
「喰らええええええっ!!!」
僕は剣を少女目がけて振り下ろす。
「ごはん……」
少女は体を頭から真っ二つに切り裂かれる。
血の代替えである瘴気が体から噴出し、少女はそれでも無表情のまま僕を見つめる。
「カンナ!! 瘴気を使うんだ!!」
「しょう、き……?」
「急いで!!」
頬に生えた口が少女に叫ぶ。
しかし、少女はその発言の内容を理解していないようだった。
「カンナ!!!」
「これで終わりだ……」
僕は少女の首元へと剣をやる。
既に真っ二つに切断された少女の体躯であったが、僕は容赦せずに首を切断した。
「あ……」
少女は目を見開き、胴体と離れた首を地面に落とす。
「こうなったらボクが……!!!」
頬に付いていた口がそう言い、瘴気の人形を大量に召喚した。
「まずい……」
これでは町の人達に被害が出てしまう。
僕は走り、瘴気の人形達を切り裂いていく。
「トウマっ! この人形は私達が相手をする。トウマはその少女にとどめを差してくれ」
「分かった……じゃあ」
僕は人形を一体斬り殺すと、未だ生存しているばらばらになった少女へと駆けていく。
「――ごはん」
少女はそう呟きながら地面へと沈んでいく。
「まずい……! 『龍鬼耀戴』!!」
斬撃が出現し、少女の方へと向かっていく。
しかし、少女は地面の中へと完全に沈んでしまい、斬撃は命中しなかった。
「逃げられたか……」
ルリオーネが髪を靡かせながら、そう言った。
「しかし――」
ルリオーネは周囲を見渡して、
「この数の瘴気人形はどうすればよいのだろうか」
町全体に広がるようにして出現し続ける瘴気の人形。
僕はそれを見て頬を強張らせた。
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「――これじゃあ馬車になんて行けないじゃん」
「面倒くさいな」
四方に出現した瘴気の人形を見て、少女は溜め息を吐く。
男は剣を背から抜き、構える。
「仕事ではないが……仕事の妨げになるため処分する」
「だね」
二人はそう言って互いに瘴気人形へと襲いかかった。
どうも、焼き鮭です。
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