6「生存本能のバグ」
「――まだ生きているのか!?」
「そう簡単に死ぬわけにはいかないんだよ」
ヴァルハの焼き焦げた体が瘴気に覆われ、元に戻っていく。
この瘴気と彼の体は再生能力と係っていることが見て取れた。
「お兄ちゃんのために……! 死ぬことだけは!!!」
こんなのは生存本能のバグだ。
彼は頭部を再生させ、血走った眼で私を睨視する。
「せめて相打ちにしてやる!!」
「貴様……っ」
しかし、彼の頭部はドロドロとした液体へとなっていく。
もしや再生能力が正常に働かないのか?
「『雷戦霆獄』……!!!」
「があああっっっ!!!!!」
電流がヴァルハの体を襲う。
しかし、それでも彼は体を再生させようとする。
「必ずお前だけは……お前だけは殺す!!」
頭部をまた再生させ、彼は私の足を引っ張ってくる。
私はヴァルハの手を払い、思いきり体を蹴り飛ばした。
「生きることへの執念深さで言えば……私が戦ってきた者の中で、貴様が一番だろうな」
涙を流しながら、私の方へと手を伸ばしてくるヴァルハ。
そんな彼を私は見下ろし――、
「もう眠れ」
私はヴァルハに向かって、火炎を放った。
「があああああああああっっっっ!!!!!!!!」
ヴァルハは炎の中で悲鳴を上げる。
「おに、いちゃん……」
彼は空を見上げ、黒焦げとなった手を空へ伸ばす。
「ご、めん……」
そう言い切ると、ヴァルハは静かになった。
「――最期まで、兄を慕っていたのだな」
私はヴァルハに背を向け、帽子を被りなおした。
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「――やってくれるじゃん」
氷を砕き、少年は溜め息を吐く。
「はぁ……結局へばってるじゃん」
倒れた少女――レイラに歩み寄り、少年は呆れを声に出す。
そしてレイラの髪を掴んで起き上がらせ――そして殴り飛ばした。
「睡姦でもしてやろうか? ボクは今本気で怒ってるんだよ」
すると、少年の周囲に大量の瘴気が集まってきた。
それを見た少年は目を見開く。
「ヴァルハとネクトがやられた……?」
そう呟きながら、少年は涙を流す。
「ボクの大事な弟と妹が……!!」
少年は憎悪を込めた双眸でレイラを睨み、
「お前ら帝国軍はボクの家族まで奪うのか……!!!!」
レイラの顔を何度も蹴り付ける。
そして胸倉を掴み――地面に叩き付ける。
「よくも……よくもよくもよくもよくもよくもよくもよくもよくも!!!!!!!!!」
レイラを一発殴り、また殴り、そして殴る。
「絶対に許さない……ボクの家族をよくも!!!」
「レイラから手を離せ、愚か者め」
「あ……お前は」
少年の元へ、一人の少女が姿を現した。
「まさか――ヴァルハを殺したのかっ!?」
「ああ、そうだとも」
「――仇討ちだ。絶対にお前を殺してやる」
酷く憎悪を表す少年と、彼を嘲笑う白髪の少女。
両者は対峙し、互いに複雑な感情を視線で交わした。
どうも、焼き鮭です。
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