6/13
名
「五号という名前は、どうも機械くさくて駄目だよ」
「駄目ってお前、全否定かよ」
そう言いながら魚の骨と格闘していると、ひょいと皿が取られた。
「五号は不器用だね」
琥珀は、すいすいと骨を取っていく。
「琥珀は無駄に器用だな」
「無駄って…。他に言い方あるでしょう?」
琥珀は軽く溜め息を吐いてから、俺の前に皿を戻した。
「ていうか、骨くらい食べたら?機械でしょう?」
「嫌だ。喉に異物感を感じることが不快だ。そもそも、俺は食事なんか摂らなくてもいいんだが」
「摂ってもいいでしょう。五号はそう出来ているんだから」
そう言ってから、琥珀は気付いたように箸を止めた。
「五号って名前が機械っぽくて駄目なんだよ」
「だから何で全否定なんだよ」
機械として呼ばれていた名前なんだから、当然だろう。
続けようとした言葉は、琥珀の手を叩く音に掻き消された。
「ゴウ。ってどうだろう?」
「そっちを残すのかよ」
溜め息を吐く。
琥珀は変わった奴だ。
でも、もう数日の内に慣れてきてしまった。
「うん、決まり。これから、五号はゴウね」
子供のように無邪気に笑う姿も、もう見慣れた。




