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それ、ほんまに回るんかいね?……わし、なん?σ (°ロ°)?!!  作者: AZtoM183
2.回し続けられるんかいね?Σ(´д`;)?
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34.S 回り始めた長州 ―商人―



【商人視点】


 最初は、


 気のせいかと思った。



 荷が届いた。



 ただ、


 それだけじゃ。



 別に珍しくもない。



 だが。



「もう着いたんか?」



 思わず声が出た。



 先日出した書状の返事じゃ。



 本来なら、


 まだ来ん頃合い。



 早くても数日。



 遅ければ十日。



 そんなもんじゃった。



 それが。



 三日。



 しかも。



 返事だけではない。



 求めた内容まで整理されとる。



(……なんじゃこれ)



 商人は、


 何度も書状を見返した。



 長州藩。



 つい最近まで、


 一番商売しにくい相手じゃった。



 担当が分からん。



 聞く相手が違う。



 返事が来ん。



 話が変わる。



 金はある。



 人もおる。



 でも。



 決まらん。



 そんな相手じゃった。



(それが)



 最近、


 妙に話が早い。



 しかも。



 誰に聞いても、


 だいたい同じ答えが返る。



 これが一番おかしい。



 役所なんぞ、


 人によって話が変わるもんじゃ。



 それが普通じゃ。



 その日の機嫌。



 担当。



 立場。



 全部違う。



 だが。



 今の長州は違う。



「確認済みです」



 最近、


 一番よく聞く言葉じゃった。



 確認済み。



 なんとも商人好みの言葉じゃ。



 話が変わらん。



 約束が残る。



 責任が分かる。



(助かる)



 本当に。



 助かる。



 そのとき。



「旦那」



 番頭が声をかける。



「長州向けの荷です」



「どれじゃ」



「紙と筆です」



 商人は思わず笑った。



「またか」



 最近増えとる。



 紙。



 筆。



 帳面。



 記録に使うものばかり。



(戦する藩の注文じゃないな)



 普通なら。



 槍。



 火薬。



 鉄。



 そういうもんが増える。



 だが。



 今の長州は、


 紙を買う。



 筆を買う。



 帳面を買う。



 妙な藩じゃ。



 そのとき。



 ふと、


 旅の商人から聞いた話を思い出す。



「長州には変な若いのがおるらしい」



 誰じゃったか。



 名前は忘れた。



 武士だったか。



 百姓だったか。



 そんなことも知らん。



 だが。



 何かをまとめとるらしい。



 人を。



 報せを。



 流れを。



(なるほどな)



 商人は小さく頷いた。



 商売も同じじゃ。



 金より先に、


 流れがいる。



 流れができると、


 人が動く。



 荷が動く。



 金が動く。



 そして。



 町が動く。



 国も、


 たぶん同じなんじゃろう。



 商人は帳面を閉じた。



 窓の外。



 春の光が差し込んどる。



 長州は、


 まだ豊かではない。



 まだ強くもない。



 だが。



 久しぶりに、


 商売したくなる国になっとった。

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