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それ、ほんまに回るんかいね?……わし、なん?σ (°ロ°)?!!  作者: AZtoM183
2.回し続けられるんかいね?Σ(´д`;)?
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34.5I 回り始めた長州 ―伊助―

仕事がバダバタしていて、しばらく不定期なるかもです。


【伊助視点】


 朝の城下は、


 少しずつ暖かくなっとった。



 伊助は、


 荷を背負って歩いとった。



 政変が終わってから、


 もうしばらく経つ。



 でも。



(なんか)



(変わったな)



 そんなことを思う日が増えた。



 最初は気のせいかと思っとった。



 城下は城下じゃ。


 店もある。


 武士もおる。


 町人もおる。



 見た目は、


 そんなに変わらん。



 でも。



 歩いとると、


 違和感みたいなもんがある。



「おう、伊助」



 後ろから声。



 振り向く。



 藩士じゃった。



 名前は知らん。



 でも。



 知っとる顔じゃ。



「西門の様子、どうじゃ?」



「異常なしです」



「そうか」



 それだけ言うと、


 藩士は歩いて行った。



 伊助は、


 しばらくその背中を見とった。



(……慣れん)



 少し前なら、


 考えられんかった。



 百姓の自分に、


 武士が普通に話しかける。



 しかも。



 仕事の話を。



(変な時代になったなあ)



 思わず笑ってしまう。



 そのまま城下へ入る。



 米屋。



 魚屋。



 油屋。



 どこも忙しそうじゃ。



 でも。



 前と少し違う。



「役所から返事来たぞ」



「もう決まったんか?」



「昨日出したばっかりじゃろ?」



「最近早いんじゃ」



 そんな声が聞こえる。



 伊助は少し足を止めた。



(そうなんよな)



 前は、


 何を聞いても時間がかかった。



 誰かが聞く。



 誰かが持っていく。



 誰かが待つ。



 そして。



 何も返ってこない。



 そんなことも珍しくなかった。



 でも今は違う。



 遅いこともある。



 間違うこともある。



 けど。



 返ってくる。



(動いとる)



 ちゃんと。



 そのとき。



「伊助!」



 声。



 振り向く。



 奇兵隊の仲間じゃ。



「何しとる」



「届け物じゃ」



「終わったら来い」



 一拍。



「飯じゃ」



 伊助は思わず笑った。



「また高杉殿ですか」



「また高杉殿じゃ」



 二人で吹き出す。



 最近、


 こういう笑いが増えた。



 政変の頃は違った。



 みんな。



 怖かった。



 張り詰めとった。



 でも今は。



 少しだけ。



 前を向けとる。



 そのとき。



 城下の向こうで、


 子どもたちが走っていった。



 声を上げながら。



 笑いながら。



 春の風の中を。



 伊助は、


 その姿をしばらく見とった。



(……ああ)



 理由は分からん。



 でも。



 たぶん。



 長州は、


 少し良くなった。



 少なくとも。



 あの日、


 功山寺へ向かった夜よりは。



 ずっと。



 伊助は小さく息を吐く。



 そして。



 仲間の待つ方へ、


 ゆっくり歩き出した。



 春の空は、


 高く晴れていた。

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