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それ、ほんまに回るんかいね?……わし、なん?σ (°ロ°)?!!  作者: AZtoM183
2.回し続けられるんかいね?Σ(´д`;)?
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30.なんか今の長州、妙に動き早くないか?


 最初に気づいたんは、


 商人たちじゃった。



「……長州、変わったな」


 そんな声が、


 城下で少しずつ増え始める。



 頼んだ荷が、


 前より早く来る。


 返事が返ってくる。


 昨日聞いた話が、


 今日には共有されとる。


 しかも。


 武士だけじゃない。


 百姓も。


 町人も。


 普通に動いとる。



「前は、許可待ちで止まっとったのにのう」


「最近、妙に早い」


「誰が決めとるんじゃ?」


 そんな話が、


 少しずつ広がる。



 その頃。


 山縣は、


 机に突っ伏しとった。


「……眠」


 本気で眠い。


 紙。


 報せ。


 人。


 飯。


 見張り。


 全部、


 止まらん。


(……文化祭後の片付け三日目みたい)


 いや。


(終わりがない分、もっときつい)



「山縣さん」


 伊助が、紙を持ってくる。


「小倉の商人からです」


「……商人?」


 山縣は、


 少しだけ顔を上げる。


 紙を開く。



 “長州、動きが変わったと聞く”


 “今後の取引について確認したい”



(……っ)


 山縣は、


 そこで少し止まる。


(外に見えてる)


 中だけじゃない。


 もう。


(長州の“空気”が外へ出始めてる)



 そのとき。


「当然じゃ」


 後ろから声。


 大村益次郎。


「動く組織は、外から目立つ」


 一拍。


「止まった組織は、見えん」


 静かに続ける。



「……怖くないですか」


 気づけば、


 山縣は聞いとった。


「目立つの」


 大村は、


 少しだけ山縣を見る。


「怖い」


 即答。


(即答なんだ)


「じゃが」


 一拍。


「止まれば、もっと死ぬ」


 短い。


 でも。


 妙に重い。



 そのとき。


 廊下の向こうが、


 少し騒がしくなった。


「使者じゃ!」


「幕府側の様子を見に来たらしい!」


(……っ)


 空気が、一瞬で変わる。



 山縣の背中に、


 冷たいものが走る。


(来た)


 外が。


 本当に。



 そのとき。


「おもろいのう」


 横から声。


 ――高杉晋作。


 めちゃくちゃ楽しそうじゃ。


(……この人)


「やっと、長州が見つかったか」


 一拍。


「前は、死にかけとったからのう」


 さらっと言う。


 でも。


(……あ)


 山縣は、


 そこで少し理解する。


 前の長州は、


 怖がって、


 止まって、


 縮こまっとった。


 だから。


(外から、見えなかった)



 そのとき。


 廊下の向こうから、


 緊張した顔の若い武士が走ってきた。


「山縣殿!」


(……殿?)


 一瞬、


 ちょっとだけ変な気分になる。


「幕府側の使者が」


 一拍。


「“今の長州は誰が動かしている”と」


「確認したいそうです」


 場が、


 一瞬だけ静かになる。



(……誰が)


 山縣は、


 少しだけ周囲を見る。


 高杉。


 大村。


 伊助。


 武士。


 百姓。


 町人。


(……誰なんだろ)


 高杉だけじゃない。


 でも。


 自分でもない。


 たぶん。


(流れだ)


 誰か一人じゃなくて。


 止まらなくなった、


 この空気そのもの。



 そのとき。


 高杉が、にやりと笑う。


「さて」


 一拍。


「誰が動かしとるんじゃろうな」


 山縣は、


 少しだけ笑った。


 そして。


 長州の外側が、


 本格的に、


 こちらを見始めていた。

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