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それ、ほんまに回るんかいね?……わし、なん?σ (°ロ°)?!!  作者: AZtoM183
2.回し続けられるんかいね?Σ(´д`;)?
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8.決まり作った本人が、破るんかいね

連休は、お休みをいただきました。本日から、再開します。状況説明の回を、一章な終わりと、二章のはじめに、連休中に足していますので、話数が変わっているかもしれません。

 翌朝。


 空気は、少し変わっとった。


 昨日までとは違う。


 迷いが、少ない。


 声が出る。

 動きが揃う。


(……効いとる)


 山縣は、そう感じとった。


 距離。

 人数。

 時間。


 止まる条件を決めた。


 考えんでも動けるように。


(前より、ずっといい)


「前、三十歩!」


「そこで止まれ!」


 声が飛ぶ。


 ぴたり、と止まる。


(……いい)


 ちゃんと、止まっとる。


 昨日までとは違う。


(回っとる)


 そのとき。


 前方で、声が上がった。


「敵、右へ展開!」


 報せが飛ぶ。


 組が、少し揺れる。


 でも――


「右組、対応!」


 指示が飛ぶ。


 止まらん。


(……いける)


 山縣は、小さく息を吐いた。


(これなら)


 その瞬間。


「前、出るぞ!」


 聞き慣れた声。


 ――高杉晋作。


(……え?)


 山縣の視線が、前に向く。


 高杉が、もう走っとる。


 しかも。


(……三十歩、超えてる)


 一瞬、思考が止まる。


(いや)


(止まれって決めたよね?)


「隊長!」


 誰かが叫ぶ。


 でも、高杉は止まらん。


「今じゃ!」


 笑っとる。


(いやいやいや)


 山縣の頭の中で、何かが崩れる。


(決めた本人が)


(破るんかい)


 一瞬、本気でそう思った。


 しかも。


 周りが、迷っとる。


(来た)


(一番ダメなやつ)


 止まるべきか。


 追うべきか。


 条件か。


 隊長か。


(……また前提が割れる)


 さっきまで揃っとった流れが、揺れる。


(どうする)


 頭が、一気に回る。


(高杉を止める?)


(いや)


(この距離じゃ無理)


(じゃあ、追わせる?)


(条件が崩れる)


 一瞬、完全に詰まる。


(……これ)


(会社でも見た)


 ふと、記憶がよぎる。


(部長が“今回は特別”って言った瞬間)


(全部ルール崩れるやつ)


 一瞬、苦笑いしそうになる。


(いや、笑えん)


(あのあと、現場めちゃくちゃになった)


 そこまで思い出して。


(……あ)


 繋がる。


(条件は破っていい)


(でも)


(誰でも破っていいわけじゃない)


 そこで、答えに届く。


 山縣は、息を吸った。


「追うな!」


 叫ぶ。


 場が、一瞬止まる。


「条件はそのまま!」


「動くのは隊長だけじゃ!」


 一拍。


「他は持ち場を守れ!」


 沈黙。


 でも。


 数人が、止まった。


(……いける)


 もう一度。


「追うな!」


「前提は変えん!」


 今度は、通った。


 流れが、戻る。


(……よし)


 高杉だけが、前に出とる。


 でも。


 組は、崩れん。


(これか)


(例外の扱い)


 条件は、条件。


 でも。


(全部に同じじゃない)


 そのとき。


「ふむ」


 後ろから声。


 振り向かんでも分かる。


 大村益次郎。


「条件は、人を縛るものではない」


 一拍。


「役目を分けるものじゃ」


(……)


 山縣は、何も言えん。


(また一段、上だ)


 そのとき。


 前方から、高杉の笑い声。


「おお、ええのう!」


 戻ってきながら、笑っとる。


「崩れんかったな!」


(……分かってやった?)


 一瞬、そう思う。


 でも。


 たぶん、半分は本気。


(この人、ほんと……)


 山縣は、小さく息を吐いた。


 でも。


(……なるほど)


 仕組みは、人を揃えるためにある。


 でも。


(例外も、決めとかんと)


 それもまた。


(前提、か)


 山縣は、そう思った。

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