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それ、ほんまに回るんかいね?……わし、なん?σ (°ロ°)?!!  作者: AZtoM183
1.それ、ほんまに回るんかいね?……わし、 なん? σ (°ロ°)?!!
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11.回すための仕組みが、歪ませとるんじゃが


 数日後。


 目に見えて、変わった。


 動きが、速い。

 迷いが、少ない。

 組ごとの連携も、前よりずっといい。


(……効いとる)


 山縣は、静かに全体を見ていた。


 記録を取り、

 比べ、

 結果を出す。


 それだけで、ここまで変わる。


(やっぱり、人は“見える”と動く)


 そのとき。


「今回、一番は三組じゃ!」


 声が上がる。


 周りが、ざわっと動く。


「やっぱりな!」


「速かったもんな!」


 三組の連中が、少し誇らしげに立っとる。


(いい流れ)


 競い合いが、ちゃんと機能しとる。


 ――はずじゃった。


 だが。


「……なんか、おかしくないか?」


 小さな声。


 聞き逃さんかった。


(ん?)


 山縣は、そちらに目を向ける。


 別の組の男が、眉をひそめとる。


「どうした」


 声をかける。


「……いや」


 少し迷ってから言う。


「三組、速すぎんか?」


(速すぎる?)


 視線を三組に戻す。


 確かに、他より頭ひとつ抜けとる。


(でも、それだけで?)


「何か見たのか」


「……弾、減っとらん」


 一瞬、意味がわからん。


「どういうことだ」


「使ったはずの量と、合わん」


(……は?)


 山縣の中で、何かが引っかかった。


 すぐに動く。


「三組」


 声をかける。


「確かめさせてください」


 ざわ、と空気が揺れる。


「なんじゃ」


 三組の責任者が、不満そうに出てくる。


「記録と実際の量が合いません」


 静かに言う。


「確かめます」


「……」


 嫌な沈黙。


(……ああ)


(これ)


 嫌な予感が、形になる。


 確認は、すぐに終わった。


 ――結果。


「……少ないな」


 ぽつりと、誰かが言う。


 弾が、減っとらん。


 記録だけが、“使ったこと”になっとる。


(やったな)


 山縣は、小さく息を吐いた。


(数字、作りよった)


 速く見せるために。

 上に行くために。


(ごまかし)


 空気が、ぴりつく。


「どういうことじゃ」


 低い声。


 周りの視線が、三組に集まる。


「……」


 責任者が、黙る。


 その沈黙が、答えじゃった。


(……やっぱりね)


 頭の中で、整理する。


(競い合いを入れた)

(評価を入れた)

(そしたら――)


(ごまかしが出る)


 当たり前じゃ。


 人は、上に行くために動く。


 やり方がそうなっとるなら、なおさら。


(……やらかしたな)


 そのとき。


「ははっ!」


 あの声。


 ――高杉晋作が、笑っとる。


「やるのう!」


(いや、褒めるとこじゃない)


「上に行こうとしたわけか!」


 楽しそうじゃ。


(この人ほんとズレとる)


 だが、場は違う。


「ふざけるな!」


 怒声が飛ぶ。


「そんなやり方で上に立つつもりか!」


 空気が、一気に荒れる。


(まずいな)


 このままだと、崩れる。


 山縣は、一歩前に出た。


「静かに」


 低く言う。


 場が、少し止まる。


「……事実は、これです」


 短く言う。


「記録と実際が違う」


 一拍。


「つまり、このやり方では」


「ごまかしができてしまう」


 ざわ、と空気が動く。


(そう)


(責めるだけじゃダメ)


(やり方の問題)


「やり方を変えます」


 はっきり言う。


 視線が集まる。


「記録だけでは見ません」


「実際の結果も、必ず確かめます」


「複数で確かめる形にします」


(見張りを入れる)


(当たり前だけど、必要)


 三組の責任者が、顔を上げる。


「……じゃあ、今回のは」


「無効です」


 即答。


「評価には入れません」


 場が、ざわつく。


 納得と、不満が混ざる。


(まあ、そうなる)


 でも、ここは外せん。


「……」


 三組は、黙る。


 反論はない。


(認めたな)


 そのとき。


「ええじゃろ」


 高杉が、軽く言う。


「やり方、変えればええ」


(軽いなあ)


 でも、間違ってはない。


 山縣は、小さく頷いた。


(……これが限界か)


 仕組みを作れば、動く。

 でも、同時に歪む。


(完全なものはない)


 視線を、全体に向ける。


 強くなっとる。

 でも、危うさも増えとる。


(……面倒くさいな、ほんと)


 でも、少しだけ笑った。


(まあ、それでも)


(回すしかないんだけど)


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