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041 王都に到着

 ご飯を終えた私たちは、再び歩き始めた。



 北部を出るまで、前にルカン、左に私、真ん中にツィーゼ、右にレーヤ、後ろにジアの隊列は変わらず。

 朝起きて、朝食を終えたら歩き、日の位置や空腹具合で考えて昼食を道の隅で取り、昼食が終わったら再び歩き、夜は初日以来泊まれるところがなかったため、洋服にくるまって何かあっても対応できるように集まって野宿をして移動していた。

 けど、集まって寝ていても警戒はする必要があり、ルカンが一人夜ご飯を後にして寝て、みんなが寝るってなったらルカンを起こして、ほか四人で寝るっていう生活が自然になってしまった。


 でも、私は文句を言えなかった。ルカンのその行動が自然に行われ、文句を言う間もなかったこともそうだけど、その行動が自然にやられなくても言うこともできなかったと思う。だって、その行動が一番良いように思えてしまったから…

 最初は誰かが起きていれば良いのではとは思った。

 でもその場合、みんなが寝ているうちに番をしている人の口を封じられ、ツィーゼを連れて行かれたら朝になるまで気付けない。ここは家じゃないから、扉で気付くことはできないから。

 ジア一人だとルカンと比べて少しだけど戦力の差があるし、複数人の当番制だとツィーゼやレーヤの負担が心配。


 なんて、らしい理由ばかり述べているけれど、一番は一人のときに対峙するのが怖い。

 私はそのとき対峙するのが一人でも複数人でも、いざ対峙したらなにもできず、声も出せない間にツィーゼを連れて行かれてしまいそうで、後悔しても五人で過ごす、この幸せな日常が帰ってこなくなってしまいそうで怖い。

 …そんな理由で、私はルカンの行動に文句を言わずに従っている。


 そのまま、北部を出るまでルカンの生活が変わることはなかったけれど、幸い北部でツィーゼの父親などに会うことはなく、平和な移動ができた。



 北部を出てから、ツィーゼの表情には明らか明るくなり、それに比例するようにレーヤやジアの表情も明るくなった。

 慣れた雪のある景色から変わって不安じゃないかなって思っていたけれど、それは杞憂だったみたいで嬉しかった。

 ルカンに教えてもらったルカンの商店は北部に展開している、そして北部を無事に脱せられた。という事実に私も知らないうちに安堵していたことが顔に出ていたようで、ルカンに「よかったな」と微笑まれた。



 そしてその幸せ状態のまま、西部、南部を渡った。


 西部では、西部の洋服を見て、少し奮発したご飯を買った。

 いつもパンで代わり映えのない食事だったけど、そのときは豊かになった。

 それに名前を聞いてきたから、途中からは魔法で出せるようにもなった。


 そして南部では、見たことのない、私の知らない果物や野菜に出会えた。

 例えば、『デボグ』という野菜。緑色の見た目で表面がデコボコしていて、食べてみると苦いけれど、その苦みが美味しい!という不思議な野菜だった。

 苦い野菜といえば、ツルツルしていて、手のひらサイズよりも少し大きいものが大きい『カナラダ』というものがあることは知っていたけれど、『デボグ』は知らなかったから、私が知っている野菜が増えた1日だった。


 そして更に歩いた後、今回の目的地である東部の王都についた。

 元々歩いて一ヶ月の予定で、元の予定じゃない遠回りのルートを使ったとはいえ、移動期間は丸々三ヶ月かかった。

 でも、行くところすべてが初めて行く場所だし、みんながいたから、体感では全然短かった。

 ちなみに体験したことは西部と南部で、民族衣装の貸衣装屋さんで服を借りて着たり、有料で体験できるという伝統のご飯を作ってみたり、いろんなこと体験したけれど、気候だけじゃなくて領によってもバラバラで楽しかった。



 五人並んで、王都の中と王都の外を隔てる、大きな門を前に見た。


 今日からここで生活していくんだ。

 知らない場所で生きていく恐怖もあるけれど、五人みんな無事に王都に着けて、これからの生活にワクワクと思いを馳せていた。

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