035 街での荷物整理
「よし、売るのも買うのもこれくらいか?」
私はもう一回服を確認したところ、もう一着売れる服があることが判明してそれも売りに来た。
ルカンやジアなどのみんなも同じように大きさの問題で着ることのできない服を一緒に質屋に売ってきた。
「俺は終わった。」
「僕もー!」
「...私も。」
「私も全部だね。あとはどうする?」
ツィーゼはやっぱり親がいるかもしれない恐怖か、ツィーゼの父親がつけているから動くという申し訳無さか、何かを気にしているみたいだった。
「俺としては少し食料を調達していきたいが...」
降雪魔法で出すのもいいけれど、今まで私たちが仕入れ値の発生しない魔法で商売をしていたからこそ、感謝の印として、街に還元する気持ちとして、少し食料を買ってから行こうと朝食のときに話が出た。
それに服などはオーダーを言えばその通りになるけれど、どこの距離に、どの色で、どれを〜などをたくさん言うと、細かすぎて魔法で品を出す方?が困ってしまうのか、出てこなかった。無地の服なら〜と思って試したけれど、サイズを言うのが大変だった。だから、服に限らず身の回りのもので細かく言う必要があるものはお店で買うことにしている。
ちなみに一度魔法で「服をください」と言ったところ、小人用かな?と思える手のひらサイズのものが出てきた。「大きめの服をください」と言ってみたら、私たちが三人で入っても余裕のある、すごく大きい服が出てきた。
「あ!あそこの肉の串はどう?」
そう言ってレーヤの指したお店を見たら、ツィーゼの父親が店主をしている出店だった。
私は思わずツィーゼを背中に隠した。
視界の端ではジアが警戒態勢に入ったのが見えた。
私は急いでルカンに伝える。
「ルカン、あれがツィーゼの父親。今すぐ引き返そう。」
「え!?」
その言葉はレーヤにも聞こえていたようで大きい声を出してしまった。
...幸いここは人通りの激しい道で、ツィーゼの父親は接客対応をしているためこちらに目は向かなかった。
「...了解。俺は情報収集もやりたいから、あとで一人で行ってきたいが...とりあえずツィーゼを隠して家に帰ろう。」
「うん。ジア、そのまま警戒は続けておいてね。」
「了解。」
ジアはツィーゼの父親から目を離さずに応えた。
ツィーゼの目にも耳にも入ってしまったようでツィーゼの身体は小さく震えている。
...動けるだろうか...。
「ルカンかジア...いや、私がしようか。ツィーゼ、背中に乗れるか歩ける?」
歩けないようなら二人にはそのまま視線は動かしてほしくない。私がおんぶしよう。
「...あ、歩ける...。」
小さな声でそう返ってきた。
「わかった。じゃあ自分のペースでいいから、ゆっくり歩いてね。」
「...。」
ツィーゼの返事はなかった。
「ホノールお姉さん...手を握っても良い...?」
「もちろん。」
私はホノールの左手と私の右手を繋いでホノールの歩幅に合わせてゆっくりと動き出した。
「じゃあ僕がこっちの手を握っていてあげるね!」
レーヤなりに状況を考えてくれたのだろう。右手を武器に添えながら、左手でツィーゼの手を握っている。
私たちはそのままツィーゼに合わせて歩き出した。




