表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
37/44

036 緊急帰宅

 私たちは気付かれることなく、無事家に帰ることができた。

「ツィーゼ、大丈夫?」

 家についてもツィーゼの震えは止まらなかった。

「...大、丈夫。」

 小さな声でそう返ってきた。

 ...聞いた私が馬鹿だった。性的虐待をしてきた父親がいることがわかって大丈夫なわけがないよね。

 ...そういえばルカンたちも男だけど、大丈夫かな?

「ツィーゼ、みんなのことは怖くない?」

「...うん、みんなは、ひどいこと、しないもん...」

 そうは言ってもみんなに視線は向かない。... 一回一人になりたかったりするのかな?...分からない...。

「ツィーゼ、二階に一人に居たほうが落ち着いたりする?」

 いくら考えてもわからない私はツィーゼ本人に聞いてみることにした。

「...いても、いいなら。ここに、いたい...。」

「そっか、よかった。」

 なんかこういう場合どういう声をかけるのが正しいのか分からなくて全然いい言葉をかけられなかった...

 でもここに居たいならよかった。人が居たほうが落ち着くのかな。

「ホノール。ちょっとこっちに来てくれないか?」

 ツィーゼの隣でそんなことを考えていたら外にいるルカンに呼ばれた。

「んー...」

 呼ばれたし行くのは分かるんだけど、ツィーゼを一人にしても大丈夫かな...

「ホノールお姉ちゃん。ツィーゼのことは俺が見ておくから、ルカンお兄ちゃんのところ行ってきてあげて。」

 悩んでいたらジアがそう声をかけてきてくれた。...ジアなら大丈夫かな?距離とか保っていてくれるよね。

「ありがとうジア。じゃあよろしくね。」

「うん。」

 そう言って私はルカンのところに向かった。



「どうしたの?ルカン。」

 外に出て、壁に体重を預けているルカンに声をかけた。

「ああ、出てきてもらって悪いな。今から情報収集にツィーゼの父親のところに行こうと思っているんだ。すれ違いになる可能性はないだろうけど、念の為ジアとレーヤには警戒をしてもらおうと思っている。その間、ツィーゼの側に居てやってくれないか?」

 私はもちろん構わない。今の状態のツィーゼを一人にするのは心配なのは同意だし。

「了解。それをどうやって伝える?」

「言葉にしなくとも、多分伝わるだろう。俺が外に行くことを言えば。」

「じゃあ外に行くことは伝える感じだね。...くれぐれも気をつけてね。」

 性的虐待をしてきた父親がまともだとは思えない。仕事で来たということは仕事はできるようだけど、さっき対応したときもおかしかったのは感じた。

「ああ。」

 そう言って二人で家の中に入った。


「俺は今から今夜のご飯を買ってこようと思っているんだが、みんななにか食べたいものはあるか?」

「僕はないかなー。」

「俺もないかな。ルカンお兄ちゃんのセンスに任せる。」

「私もないね。」

「......。」

 ツィーゼの返事はなかったが、首を横に振っていた。

 ルカンの言葉を聞いて、ジアはよく見ないと気付かないように警戒態勢を強めた。レーヤは向こうに自分が一番使える斧を取りに行こうとしている。

 ...本当だ。ジアのはよくよく見れば気付くかなってレベルの警戒だけど、すぐに動ける態勢に入った。

「じゃあ俺は行ってくる。ツィーゼ、寝たければ寝てていいからな。」

「...。」

 ルカンの言葉にツィーゼは頷いた。

 そのツィーゼの返事を見てルカンは出ていった。


 ルカンが帰ってくるまで、みんなは黙っていたままで各々が警戒をしていたりした。



「ただいま。温かいスープが出ていたから、スープを買ってきた。」

 扉が空いたときは空気に緊張が走ったが、開けた主がルカンだと分かればその緊張も解けた。

「おかえりなさい。」

「おかえり!ルカンお兄ちゃん。」

「...おかえりなさい、ルカンお兄ちゃん。」

 ルカンの帰宅で、ジアの警戒が少し緩んだのが見えた。

「もう少ししたら夕ご飯にするか。」

「うん。」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ