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030 魔法覚醒後の生活

 降雪魔法が覚醒して、私たちの生活はかなり変化した。


 はじめは、今までと同じように農村での仕事をやりつつ、隙間時間でどういうものが売れるのかわからないからターゲットを庶民にして、子供だけで売っていても買ってもらえるような物を売りながらリサーチする生活になった。

 その後、街の中で手に入る品を少し安めにすればいいのだと学び、降雪魔法で降らせた、降ろした野菜を売ることが多くなった。またそれでは商品に代わり映えがないため再びたくさんリサーチしたところ、年中雪の降るこの地域では手に入らない野菜や果物も売れることが分かってきて、その二種類をみんなで門の外で売っている。


 庶民だけをターゲットにして日々の生活費を稼ぐのはギリギリになってしまうため、最近はルカンが生まれた商家を除いた商家や比較的温厚だと噂があり、徒歩で行ける圏内にいる貴族などもターゲットにしてルカンが一人で出向いてくれている。やっと昨日、粘り強くルカンが売りに行くこともあるからか買ってくれた家ができてきた。

 私は貴族出身でもパーティーに出たことがあるわけではないから、大丈夫だついていくって言ったけど、家の中で見られていたらわからないし、武装されて警戒されたら俺しか逃げることができないからって言われて、ルカン一人で行っている。


 一番変わったのは、少しお金が安定して入ってくるようになると、ゴミ箱を漁る回数が減ったことな気がする。その日に全然売れなかったときは昨日の収益分の一部を使うようになり、スラムの子供とは思えない生活をしている。

 そして今からは農村での仕事が終わったから、門の外で売りに行くところ。



「いらっしゃいませー!」

「あら、今日もやってるのね。」

 このおばさんは私たちが怪しい子供である、はじめの頃からの常連さんで、いつも品を買ってくれている。

「はい!当店は毎日開店しております。本日はなにか買われていかれますか?」

「そうね。...私は見たことがないのだけど、これはなあに?」

「あ、こちらはコルメという南の果ての土地で育てることのできる果物になります。皮を向いて食べることができ、お菓子やパンなどをこちらで作ることができます。しかも栄養価が高く、美容にもいい効果が含まれています。あ、ですが賞味期限が4日から10日と短めとなっておりますので、そこはご注意いただけると幸いです。」

「これ、どのくらい美味しいのかしら?」

「優しい甘さで非常に美味しいのですが...私の言葉でこの素晴らしさを伝えるには少々持ち合わせがないので、よろしければ、一口食べてはみませんか?試食することができますよ。」

「本当?じゃあ、一口もらってみようかしら。」

「かしこまりました、少々お待ち下さい。...お待たせいたしました、どうぞ。」

「...ん、美味しい。うん、旦那と子供の分合わせて3個もらおうかしら。」

「かしこまりました。ほかはいかがでしょうか?」

 袋に入れながら聞いた。

 そういえばここで売り始めてから気付いたことがある。農村での仕事がかなりいきている気がすることだ。農村でやりはじめたときは、今まで野菜や果物を袋に入れるなんてことはなかったから難しかったけど、そこで経験をつめたからこそ今かなり手早く丁寧に袋に入れられるようになった。

「ごめんなさい。違うところで昨日買ってしまって、ほかはあるの。」

 申し訳無さそうにおばさんは言った。売っている場所は遠いし、怪しいしな場所で買ってくださっていることに感謝だから、そんな申し訳無さを感じて貰う必要はないのに。

「左様でございましたか、それは大変失礼いたしました。では、銀貨1枚と銅貨1枚のところ、三個も買ってくださるので...銅貨18枚になります。」

 商売で利益がある程度にまけるのは大事だとルカンに教えてもらった。

「あら、また安くしてくれるのね。ありがとう。」

「いえいえ、こちらこそご購入くださりありがとうございました。またお越しをお待ちしております。」

 礼をしてお客様である、おばさんを見送った。


 ちなみに、降雪魔法のいいところは私が実家の書庫で読んだモノの名前だけで品物を出せること。逆に言ってしまうと見た目しかわからないモノを出すことはできない。だとしても、利点のほうが大きい。

 でも、新しいものを店頭に出すのは心配だから、一度全員で毒見して何事もなく、三日経過したものを売るようにしてはいる。その成果もあるのか、食品を売り始めてから少し経っている現在でも、食中毒問題などは起こっていない。

「ホノールお姉ちゃーん!ちょっとこっちにきてー。」

 向こうで接客をしているレーヤから声がかかった。

「はーい。すぐに向かうね。」

 そう返事をして急いだ。


 このままずっとみんなで楽しく過ごすことができたらいいな。

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