012 盗んだ犯人を出待ち
「った!んた!あんた!こんなところで寝てないでくれよ!死んでいるかと思っただろう!気味が悪い!」
「...ふぁ...え!?」
こんなに空が明るくなっている...いつの間にか寝てしまっていたのか...。
「起きたならさっさとあんたのかまくらに戻り!」
「あ、は...すみません!少し失礼します!」
そうだ!あのおばさん、まだ、いる、よね...?
「あ............。」
ドアが空いていて、跡形もなく痕跡が消えている...
「ん?ああ、なんだあんた、捨てられたのかい。だとしても同情はしないよ。早く去りな。」
「すみません、この家を少し覗いていっては駄目、でしょうか?」
「別に私の家じゃないからいいだろう。でも、そんなには長居はしないでくれ。鬱陶しい。」
「はい、ありがとうございます。すみません。」
長居しなければ良い、ってことだもんね。家の中がどんな状況なのかだけ見ていこう。
家具も食品もなにもない...元からすぐに去れるように片付けていたのかはわからないけど...洗濯物を干していた空間にもなにもない...あんなに物があったのに...。
これは、もう...盗られた服は手に入らないんだろうか...。
使用人のみんなにもらった服...。行方は街のどこかって分かったけれど、私のお金すべてと引き換えにするには少し分が悪い...。食料も困っているのに、すべてを出してもすべてを取り戻せるとは限らない...。
とりあえず、家に帰ろう。
家に帰って、少し考えた。
もう、服は諦めるしかない。せっかく使用人のみんながくれたのに...って思うけど、大金を手に入れる手段なんて、持ち合わせていないんだから。
それにそろそろこの町に来てどのくらい経ったのかわからないけれど、お金があとパン一個分しかない。
銀貨も崩してしまったし、その後のご飯はどうしよう...。
これでもかなりご飯の回数は減らしているのに、全然足りない...




