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011 問い詰める

 おばさんの家に向かっているところ、運良くおばさんに遭遇することができた。

 

「こんにちは、おばさま。」

 冷静に、感情的にならないように会話しないと。感情的になった方が負けって聞くし。

「おや、こんにちは。今日も洗濯かい?」

「いえ、違います。私の消えた服、知りませんか?」

 当たり前のようなおばさんのテンションに怒りが湧き、はじめに意識した冷静にをすっかり忘れてしまった。

「ああ、毎度毎度言っているやつかい。私は知らないよ。」

 ...今までならその言葉を信じていた。でも、今回は違う。

「...そうですか。もう一つ質問いいですか?」

「おや?なんだい?」

「あなたはなぜ、私に嘘を吐いたのですか?私に近づき、服を盗ることが金を得るに最適だったからですか?」

 まくしたてるように言葉を一気に紡いでしまった。

「私が盗ったっていう証拠でもあるのかい?」

 何一つ表情を変えずに言うけれど、一個否定してない。...そこをつつけば。

「嘘を吐いたことは否定しないんですね。」

「ああ、誰かに聞いたんだろう?気づくのが遅すぎだよ。」

「ええ、あなたの話を事実だと信じた私が浅はかでした。ちなみに証拠はありますよ。」

「ほぉあるのかい。街にでも出たのかい?」

「ええ、街のお店にて服を見かけまして。」

 街に行ってなければ、見てもいませんが...。街に行ったのかと聞くということはなんらかの店に売ったりしたのだと読んだのですが...。

「ああ、そうかい、見たのかい。そうだよ。スラムのガキの一人にしてはいい身なりをしていたからな、服が高く売れたよ。ありがとねえ。」

 笑顔でそう返してきた。...私はスラムの子どもじゃないのに。でも、今はそんなことはどうでもいい。

「では、服を返してください。」

「あんたの言った通り、売ってあるんだよ。自分で買いに行きな。」

「売ったお金があるでしょう?それで買い戻してきてください。」

「嫌に決まっているだろう!せっかく服を売ることで、これを手に入れられたんだ。これは手放せないよ。」

 そう言って見せた指には光るものがある。..まさか?

「それは、宝石ですか?5着しか売ってないのに随分金になったんですね。」

「ああ、ありがとう。感謝しているよ。」

「では、再度申し上げます。返して下さい。」

「無理だね。話したいことはそれだけかい?じゃあね、無警戒で馬鹿なガキ。」

 逃げられる!そう思った私は咄嗟におばさんの腕あたりの服を掴んだ。

「待ってください!服を返してください!」

「まったく!!嫌だって言っただろう!」

「返してください!」

「チッ!離しな!このガキが!」

 腕をすごい勢いで振り払われてしまった。

 その反動で私は尻もちをついた。

「いっ...!」

「ふん、じゃあな。あんたの服のおかげでいい買い物をさせてもらったよ。」

「ちょっ...!」


 身体を起こして追いかけたけど、もう後ろ姿も見えない...



 仕方ない、こうなったら返してもらうまで家の前で待とう。家に入ったらいつかは出てくるんだから。

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