表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/38

EP14 ダンジョンマスターの休日

PV数5000ありがとうございます!


休日、それは労働者の癒し。


ダンジョンマスターにして自宅警備員であるレグニルスにも休日はある。

マンション型ダンジョン内では現代日本のカレンダーを採用しており、土日が休日となっている。

一応は週休二日制だが、自主トレーニングを義務付けられているので完全な休日は珍しい。


完全な休日では無いが、普段のコーチ指導の下の8時間訓練よりも自由に訓練する1時間は楽なので、特にレグニルスは気にしていない。

社会人時代も人事考課の名のもとに資格を取らされていたので、勉強で休日の一部が潰れる事には慣れていた。


「頑張って2000円か」


自宅リビングのソファで寛ぎ、紅茶が入ったカップを片手に初陣の戦果を確認する。

確認自体は何度も繰り返しているのだが、時間が空くと無意識に確認してしまうのだ。


コボルトから回収した魔核の売却価格は一個500円。

4体のコボルトを撃退したレグニルスの報酬は2000円だった。


「日本人の感覚からすると小遣いレベルだけど、平均年収10万のこの世界では1週間分の収入だからなぁ」


モンスターが跋扈するこの世界では、モンスターを討伐する事を生業とする者達がいる。

命のやり取りをする為、彼等の収入は一般人に比べれば高い。

魔核の売却が彼らの主な収入源なのだが、当然討伐したモンスターによって買取価格は異なる。


「買取価格はこの世界の相場なのだろうけど、もう少し高く買って欲しかった」


種族ランクEという、最弱の種族の一つであるコボルトの魔核は安い。

ダンジョンコアの機能を利用した売却だったので税金などの手数料は無いのだが、その安さにレグニルスは驚いた。

悪い意味で。


「ここまで安いと働くモチベーションが下がる」


魔核の剥ぎ取りまで含めれば、労働時間は1時間程。

1時間の労働で2000円と考えれば、現代日本の最低賃金の約2倍ではあるのだが、1日の収入としては悲しくなる程安い。


「自宅警備員、いやダンジョンマスターとして残業を1時間したと思えば良いか。1時間の残業で2000円なら納得出来る。月の給料25万だし」


元サラリーマンの性から時給を計算、一月の労働時間を160時間と推定、割増を考えても妥当な額だとレグニルスは納得した。

都度払いなのは違和感があるが、少ない小遣いと嘆くよりは残業代と考えればモチベーションは維持出来る。


「能力的にも成長しているし、色々反省点はあるけど初陣は成功かな」


戦闘を振り返れば、最後の間合いのミスの他、3体目にしてしまった地面にまで剣を突き刺してしまい抜けなくなる事件。

もしこれが1体目であれば、また違った結果になった可能性もある。

具体的には残ったコボルト3体に包囲されてのフルボッコ。


「魔法が成功したからなんとか勝てたけど、全体的に訓練不足が目立ったかな」


訓練をサボる理由が無くなったと、これからの訓練漬け日々を嘆くレグニルス。


訓練不足という弱点が分かった以上、元サラリーマンとしては弱点をそのままにしておく事は憚られる。


そして、この弱点を改善する為の予算と時間もある。

1日8時間、週40時間、月160時間の訓練の報酬が月25万だと言うならレグニルスに不満は無かった。


「金銭面以外にも、能力的に成長するから遣り甲斐はある」


現代日本では能力の成長は客観的に把握しづらかったが、レベルがあるこの世界では別だ。

成長は数字で確認する事が出来た。


「ステータスオープン」


------------------------------------------------

基本情報

名前:レグニルス・レイル・レナグレイルス

種族:人間

性別:男

年齢:18

階級:男爵

合計レベル:9

種族レベル:2

職業:【剣士】レベル2、【司祭】レベル1

未装備:【槍士】レベル1

特別職:【ダンジョンマスター】レベル1、【貴族】レベル1、【聖人】レベル1、【引き籠り】レベル1


保有スキル

基本スキル:

【剣術】レベル1

【身体能力強化】レベル1

【魔力操作】レベル1

【肉体強化魔法】レベル1

【回復魔法】レベル1


固有スキル

【不老】レベル1

【ダンジョンコア操作権限】レベル1

【貴族の誇り】レベル1

【カリスマ(クラスC)】レベル1

【神の祝福】レベル1

【精神攻撃耐性】レベル1 (※領域内でのみ有効)


ユニークスキル

なし


スキルポイント : 3


返済状況

借金残高2000万円


ダンジョン収入

25万円/月

------------------------------------------------


レベルアップ。

ゲーマーとしては分かりやすい成長の結果だった。

倒したのがコボルト4体なので上げ幅は小さいが、それでも己が成長した証にレグニルスは満足する。


本音で言えば、もう少しレベルアップしたかった。

しかし、そういった成長系のチートは予算の関係で取得していないので諦めるしかない。


「各ステータスも成長しているし、俺tueeeの道を順調に進んでるな。やっぱり鑑定スキルは必須だな」


神様転生のお約束、鑑定チート。

お約束を忘れないレグニルスは勿論所持している。

しかし、それは通常の転生主人公が持つ鑑定スキルと比べると劣化している。

劣化の理由は勿論予算だ。


借金の額を増やしたくない気持ちと、詳細な情報が欲しいという気持ち。

両者がせめぎ合った結果、スキルでは無く機能として鑑定チートを獲得している。


通常、この世界の民は自身の種族レベル、職業レベル、保有スキル、この3つを確認する事が出来る。

何時でも自由に確認出来る訳では無く、神に問い合わせと言う形で確認するのだ。


具体的な方法や手順は種族、民族により異なるが、大体において【種族を司る神】アグルレイド、【職業を司る神】イケイオスに今のレベルを教えてくださいと懇願するのだ。


神様転生しているレグニルスなので神様がいる事は知っているが、元日本人として基本的に無神論者である。

レベルは知りたいが、その度に神に懇願など恥ずかしくて出来ない。



そこでダンジョンコアにレベルを測定する機能を設けたのだ。


測定出来るのはダンジョンコアの影響下にある者に限定されるが、これで何時でもレグニルスは自身のステータスを把握出来るようになった。


ここまではタダ同然の機能だったのだが、レグニルスはこの機能について少々奮発している。

奮発したと言っても、100円のハンバーガー単品をセットにし、もう一つ490円のハンバーガーを注文したレベルの料金なので、転生主人公が持つ鑑定チートのレベルまで至っていないのだが。


どういう機能を付けたのかと言えば、各種ステータスパラメータの可視化機能だ。

レグニルスは元社会人として、『見える化』というワードは大好きなのだ。


この世界では見えない情報、そういった概念があるとは分かっている物の数値化。

すなわち、各種ステータスパラメータの数値化機能である。


この機能はゲームなどでよくあるパラメータ、筋力や敏捷性といった物をベースにしている。


その為、数値化する情報はレグニルスの好みにより、筋力、耐久力、敏捷性、器用、知力、魔力、精神、幸運の8つになっている。


本来ならゲームでお馴染みのHPやMPも数値化したかったのだが、どの程度のダメージ量で死ぬのか、という情報の数値化は難しかった。


主に予算の関係で。

往々にして新規開発費は高いのだ。


数値化の仕組みは単純で、この世界の全生命体をスキャンして情報を集め、後はレグニルスが指定した条件に従って数値化している。


筋力のパラメータで言えば、どれだけ重いモノを動かせるか、といった情報をスキャンしたデータから取得し数値化している。


また、種族ランクを無視して数値化すると上下のふり幅が大きい為、同一種族ランク内での平均値を50とする偏差値方式を採用している。


この機能でレグニルス自身のステータスを見るとこのようになる。


------------------------------------------------


名前:レグニルス・レイル・レナグレイルス

種族:人間

性別:男

年齢:18

階級:男爵


各種パラメータ

筋力:38

耐久力:37

敏捷性:36

器用:48

知力:63

魔力:35

精神:42

幸運:36

------------------------------------------------


「人間だからか、身体能力系は低いんだよなぁ」


同一種族ランク内には人間の他にも獣人などの身体能力に優れた種族や、知力と魔力に優れたエルフ、手先が器用で物づくりが得意なドワーフやホビットがいる。


モンスターに目を向ければ、ゴブリンから進化したボブゴブリンなどの力に優れたモンスター、敏捷性に優れたファングウルフなどの狼系のモンスターなどがいる為、どうしても人間の身体能力は低い。


「この数値みると、人間って戦闘職というより生産者の方が合っているよな」


この世界で最も勢力を築いているのは人間だ。

異世界中世ファンタジーだけあって、この世界にはドラゴンを筆頭にモンスターが支配する領域は存在する。


しかし、世界全体から見ればその領域は虫食いのようなモノで、陸地の7~6割は人種と呼ばれる人間、獣人、エルフ、ドワーフが支配する領域だ。


そんな人種の中での最大勢力が人間。

人間は他の種族より秀でたモノは無いが、他の種族より劣るモノも無い。


身体能力は獣人よりも低いが、エルフよりも高い。

手先の器用さはドワーフよりも低いが、獣人よりも高い。

知力と魔力はエルフよりも低いが、獣人よりも高い。


秀でたモノが無いからこそ、人間は種族として拘るプライドが無い。

エルフは知力と魔力、それに付随する精霊との親和性から【精霊の森の守護者】、身体能力に秀でた獣人は【戦士の誇り】、手先が器用で頑丈なドワーフは【最高の鍛冶師】といった種族の誇りを手にしている。


しかし、手にした誇りが勢力拡大の足を引っ張る事もある。

【精霊の森の守護者】の誇り故に森の外に興味が無いエルフ、戦士個人の誇りを優先するが故に集団として纏まれない獣人、最高のモノを作る事以外に興味が無いドワーフ。


そんな他種族と違い、個人の力を誇れない人間は群体としての力を誇った。


身体能力では獣人には叶わないが、複数人で連携すれば勝つことが出来る。

エルフのように個人の知恵では無く、集団の知恵で大量の情報を処理出来る。

ドワーフのような最高品質では無く、そこそこの品質の道具を大量生産出来る。


集団でこそ真価を発揮する人間が、その力を増す為に勢力を拡大する。

それはエルフが精霊との親和性を高める為に瞑想するように、獣人が武を鍛えるように、ドワーフがモノを造り続ける事の様に当然の事であった。


「生産者って言っても、この世界では使い道の無いプログラムくらいしか書けないけど」


レグニルスは、ものづくり大国と呼ばれた日本でサラリーマンをしていた。

していたが、作っていたのはソフトウェアのソースコード。


それも近年は部署移動で開発現場を離れ、SIの部署にいたのでプログラミングの知識も怪しくなっている。

プログラミングの知識を失った代わりに、システム全体を設計する知識は得ている。


「最後の案件が購買システムの電子化だけど、この世界で絶対に役立たないし。どうせなら内政チートのお約束、複式簿記でも勉強してれば良かった」


オタクでネット小説を好むレグニルスは内政チートのお約束も把握している。

しているが、実際にそれらがどういうモノかは知らない。


「まあ、いざとなったら図書館で勉強すれば良いし、頭の良い部下に勉強させる手もあるし」


マンション型ダンジョンにある図書館にはマンガやラノベが収められているが、内政チートに必要と思われる学術書なども収められている。

レグニルスはまだ足を踏み入れていないが、内政ターンが始まったら勉強するつもりだ。


「地球産の技術が、異世界でどこまで通用するのか問題があるけど」


にわか知識で輪作でクローバー植えると良い、くらいなら知っているが、この世界にクローバーがあるのかは未知数。

似たような植物があっても、それが地球のクローバーと同じ性質を持っているかも分からない。


「うん、内政チートの勉強は後だな」


複式簿記など、自然科学とは関係無い分野は勉強する価値はあるだろう。

自然科学の分野の勉強は後回し、参考程度で十分だとレグニルスは考えている。


「そもそも重力加速度が地球と違う可能性もあるし、どこまで地球と同じ物理法則なんだろ。魔力のある世界と魔力が無い世界、無重力化の実験結果が重力下と同じ結果にならないし」


無重力では手からボールを放しても浮いているが、重力下では手から離したボールは重力の影響により下に落ちる。


同じ事が魔力にも言える可能性をレグニルスは否定出来ない。

現に魔力がある事で未知の生物モンスターが存在し、魔法という現象がある。

魔力という概念が、どこまで地球の物理法則に影響を与えるのか、現在自宅警備員のレグニルスには確かめる術は無い。


「諸先輩は気にならなかったのかな?というか、未知の微生物とか大丈夫か? 免疫の無い微生物でエイリアン全滅する映画あったけど」


アニメを見続け、コーチとの訓練漬けの毎日。

今更ながらにレグニルスは地球と異世界の違いが怖くなった。

お茶を飲んで寛いでいるこの瞬間、自分は吐血して死ぬのではないかと。


「ま、今更気にしても仕方ないか。結構生活しているし、確認しようもないし」


何もしない休日は普段考えない変な事を考えてしまう。

そもそもレグニルスは学者では無い。

未知の微生物を怖がったところで確認する術は無く、仮に発見した所で対処方法も分からない。


未知どころか地球の微生物も知らないし、対処方法も知らない。

だからこそ、マンション型ダンジョンに医療施設を設けているのだ。


「こういう時はアニメでも見て頭を空っぽにしよう」


カップに残ったお茶を飲み干し、アニメ鑑賞の準備をするのだった。


ちなみに後日、レグニルスはコーチに微生物云々を質問した。

コーチ曰く、転生時にこの世界基準で肉体を再構築しており、この世界の人間が持っている免疫は獲得済み。


そもそも微生物の前に魔力に対して免疫の無い地球人は、この世界で呼吸をした瞬間に死んでしまうと答えを貰うのだった。



転スラ、幼女戦記と最新刊が発売されたので、ただでさえ自転車操業状態でヤバいのに破産の危機に。

なんとか更新ペースを維持してますが、状況によっては一週間程度更新停止するかもしれません。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

↓面白かったらクリックお願い致します。

小説家になろう 勝手にランキング
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ