第三話
第三話
「何が起こるか分かりませんからなるべく離れないようにすること良いですわね」
おそらく頷いたのでしょうけど
「暗くて見えませんわ!! うんでもはいでも何でもいいから返事しなさい、分かりませんわよ!!」
……私の声ってこんなに大きいのですわね、反響がうるさいですわ。
母上は困っていなかったのかしら?
「今更聞けませんわよね」
ここでなら美月にも気づかれませんわよね。
「はい」
返事だと思って美月を見てみれば、犬柄のハンカチを渡してきてましたわ。
「感謝致しますわ美月」
この際、気づかれたことは美月の優しさとして受け入れますわ。
私がハンカチを受け取る瞬間、奥の方から反響してきた雄叫びのようなものが聞こえてきましたわ。
「反響具合からして、突き当たりですわね」
「うん」
「早速試してくれているのですわね美月」
「そう」
先ほどの美月の魔法を見るに攻撃系だと仮定するのが良さそうですわね。
そう考えると私の魔法はなんなのでしょうか?
毒々しいものではありましたが、効果のほどが不明な点は解明しなければなりませんわね。
私は走りながら美月に疑問に感じたことを問いかけましたわ。
「そういえば美月はあの犬とは知り合いなのですか?」
「うん」
表情までは見ることが出来ませんでしたけれど、先ほどとは声色が薄く変わっているのは私にも分かりました。
「そうなのですわね、深くは聞きませんから安心なさい」
誰にでも秘密にしておきたいことはありますわよね。
無理に口を開かせるのは、母上の娘である霜月葵としては不合格ですわ。
この時に強い感情というのか分かりませんけれど、先ほどよりも強い魔法が使えるような気がしてならないのですわ!!
「ゴガァァァア!!」
これが魔物ですわね。
『周囲の魔を取り込むと魔物に堕ちやすくなる』
あの犬の言葉の通りならばこの方は、もともと別の存在……或いは私たちと同じということもあり得ますわね。
「さて本丸の登場ですわ、準備なさい美月!!」
「してる」
チラッと隣を見ると耳元にあの顎があって……流石に心臓が止まるかと思いましたわよ!!
「みみみ美月、危ないですわよ!!」
「前見て」
……そうですわよ、これは復讐の一歩目なのでさから、焦っている暇などないのですわ!!
私は先程同様に指先に力を込めると、魔物を覆うほどの液体が出ましたわ!!
「ガァアルルルァァァァ!!」
先程まで私と美月を狙っていた魔物はあらぬ方向を攻撃し始めたことにより私は余計に戸惑ってしまいましたわ。
「……へ? なっ、なんですの今の威力」
魔法の威力にさらに動揺していると美月があの顎で魔物を何度も何度も喰らいましたの。
魔物は雄叫びというより断末魔と呼ぶべき声を上げながら消滅していく光景を目の当たりにして……私は感じましたの。
これならば復讐出来ると。
「もう少し探索してからあの犬のところへ向かいますわよ」
「うん」
これから私は美月と仲良く出来るのか不安に思いながらも、友達になるためには積極的に関わるべきですわよね。
「美月はこの洞窟をどう思うのかを教えてほしいですわ」
美月は分からないと言いたげに首を傾けるだけでしたが、無視されているわけではないですし……頑張りますわよ私!!
読んでいただきありがとうございます!!
更新は出来る時にしますわ!!




