第八章「混沌を貫く真実の糸」
アリーナを観察しながら、リョウタが口を開く。
「ここまで観察してきたことから、いくつか分かることがある」
「まず一つ目は、アリーナの形状と、小さな柱の配置だ」
「見た目ほど完全に無作為に配置されているわけじゃない」
「まるで、いくつもの六角形が互いにつながるように配置されているように見える。そして、それぞれの六角形を他の六角形と区別しているのが、中央にある、ひび一つない完全に無傷の柱だ……」
「それから、小さな柱に走っているひびについても気づいたことがある。少し細かい点なんだが、まだ完全に確信しているわけじゃない」
「それは……柱が倒れるほんの少し前に、競技者たちが必ずと言っていいほど、恐怖の兆候を見せていたことだ!」
「これはかなり奇妙なことだ。どれだけ感覚が鋭かったとしても、やはり理屈では説明できない」
「特に、これがほぼすべての競技者に起きていたと考えるとなおさらだ!」
「そこから考えると、柱が倒れる直前に、競技者たちへ知らせる何らかの特別な合図があるはずだ」
「そしておそらく、それは倒れるおよそ一秒前に響く、鋭いひび割れの音だ……」
「どうして、ひび割れる音を特にその合図だと考えたんだ?」
「それについては……」
「俺個人の勘だ」
「だが、このひびの入り方にこれほど違いがある理由として、競技者たちを欺くため以外に、本当に別の理屈が思いつかない」
「特に、ひびが多い柱ほど、倒れる前の警告音も大きいんじゃないかと俺は考えている!」
「どうしてそう思う?」
「競技者たちの反応だ!」
「彼らは、ひびの多い柱の近くにいるほど、倒れる直前の反応が激しく、より強い恐怖を見せていた」
エヴァンダーは衝撃に表情を強張らせ、思わず呟く。
「どうして、そんなことに気づけたんだ……?」
リョウタは続ける。
「そして二つ目は、あの繰り返されるパターンだ……」
「俺が気づいたのは、柱が無作為に倒れているわけじゃなく、明確に六角形の配置と関連しているということだ!」
「柱が一つ倒れるたびに、必ず、それが属している六角形の中央にある柱の一つへ向かって倒れている」
「だが、厄介なのはここからだ」
「柱は中央の柱へ完全に真っ直ぐ倒れるわけじゃない」
「中央の柱へ向かいながらも、右か左へ傾いた方向へ倒れるんだ」
「だが、そもそも右と左をどうやって判断するんだ?」
「つまり、具体的にどっちの方向へ倒れるんだ?!」
「ここでいう右と左は、おそらく最も近くにある巨大な柱を見て、その柱との距離を比較することで決まる」
「簡単に言えば、一番近い巨大な柱の方向を見れば、倒れる方向は自分で分かる」
「それで、お前が言っていた繰り返されるパターンは?」
「ちょうど今から話そうとしていたところだ……」
「ここまでの話をすべて踏まえて観察すると、ほぼすべての倒壊において、一定して繰り返されているパターンがあることに気づいた」
「もし柱が右へ向かって倒れたなら、その五秒後には、同じ中央の柱を共有する六角形の反対側にある柱が、左へ向かって倒れる」
「そして、ここにこの試験の悪辣な罠がある」
「もしこの仕掛けを知らずに最初の柱の倒壊を避けたなら、ほぼ無意識のうちに、まさに二本目の柱が倒れてくる場所へ逃げ込んでしまう可能性が高い!」
「そして、ここで『年長者に従え、たとえその言葉が意味不明に思えても』という言葉の奇妙な意味が浮かび上がってくる」
「つまり……」
「つまり、『年長者』とは小さな柱のことだ」
「そしてここでの意味は、たとえ小さな柱であっても、俺たちにとっては依然として巨大な存在だということだ」
「そして、『たとえその言葉が意味不明に思えても従え』というのは……」
「実際には、完全に無傷な柱――つまり中央の柱――へ近づくことこそが、どれほど理にかなって見えたとしても、最悪の選択になるということだ」
「なぜなら、倒れてくる柱に巻き込まれる可能性が、むしろ高くなるからだ!」
「それに対して、最もひびの多い柱に沿って進めば、それは完全に理屈に反する選択だ」
「だが、その場合なら、倒れる直前に大きく、はっきりとした音を聞いてから、すぐに反対方向へ逃げるための時間が、およそ一秒ある」
「そして、ここでパターンを知っている者と知らない者の違いが生まれる」
「パターンを知らない者は、最初の柱の倒壊を避けて反対方向へ逃げたあと、一瞬だけ安全だと感じる」
「息を整えようとするだろうし、その安心感によって反応がさらに遅れてしまう」
「そして、そのとき二本目の柱が倒れれば、おそらく最初の犠牲者になる」
「一方、このパターンを知っている者がすべきことは、最初の柱を避け、反対方向――つまり安全な場所へ逃げることに集中するだけだ」
「だが、その場所が一時的にしか安全ではなく、その安全が五秒以上続かないと知っているからこそ、最初の危険から逃れて息を整えるまでに二秒か三秒以上かけることはない」
「あるいは、二本目の柱がひび割れる音を聞くまで待って、その瞬間に最初の柱が倒れた場所へ戻るか、そこから離れて、二本目の柱が倒れる危険から逃げればいい」
リョウタはさらに続ける。
その声色が変わり、表情も一段と険しくなる。
「実は……」
「お前の戦略には、一つ間違いがある」
「二本目の柱は……倒れる前に、音を出さない可能性が高い!」
リョウタの瞳孔が限界まで縮む。
エヴァンダーは途切れ途切れの声で尋ねる。
「お前……本当に……確かなのか?」
その目に恐ろしい色が浮かぶ。
「そうだ……」
「そして、ただ運に頼ることなくこの状況を生き延びられるのは、並外れた戦士の本能を持つ、一部の怪物だけだ」
リョウタは立ち上がり、断固とした口調で言う。
「ともかく、これが、この比較的小さな範囲のアリーナを観察して、俺が導き出せたすべての情報だ」
「どれだけ集中しても、これより先を見渡すことはできない」
「視界を越えて進み、すでに最初の巨大な柱まで到達した者たちについては、俺には本当に何一つ情報がない」
「それと同時に、ここからただ観察を続けるだけでは、これ以上重要な情報を得られるとも思わない」
「そろそろ本当に一歩踏み出して、この仮説を実際に確かめる時だと思う」
「エヴァンダー! ミズシ! 準備しろ!」
「今からアリーナに入るぞ!!」
エヴァンダーも立ち上がりながら言う。
「それなら、急がないと」
そして看板の縁へ向かって進む。
だが、飛び降りようとしたところで、少し前にリョウタと話して以来、ミズシがまだ黙ったままであることに気づいた。
エヴァンダーは彼へ目を向け、わずかに目を細める。
そして心の中で呟く。
「まだ、あの考えに囚われたままなのか……」
「ミズシ! 行くぞ!」
返事はない……。
「ミズシ! もう遅れてる!」
「早く動かないと!」
返事はない……。
エヴァンダーは何度もミズシを呼び続ける。
それでも、ミズシは一向に反応しない……。
リョウタはミズシへ目を向け、わずかに目を細める……。
何かに気づいていた。
いや、正確には――
何かの間違いに……。
だが、彼は黙っていることを選んだ……。
やがて、穏やかな口調で彼に呼びかける。
「ミズシ……」
ミズシが彼へ顔を向ける。
その目には、すでに濃い疲労の色が浮かんでいた。
まるで、何日も眠っていない人間のように。
リョウタは続ける。
「行こう……」
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