第48章「歴史の秘密は……さらに奇妙で……同じくらい恐ろしい……」
もう一本の剣が割って入り、監督官の攻撃を阻んだ!
それは――アレスだった!
監督官は、彼に向かって叫ぶ。
「この馬鹿者! 逃げろ!!」
その瞬間、アレスの頭上に影が落ちた……。
彼は目を見開き、上を見上げる。
そこには、ハイヴェンがいた!
アレスの頭上へと跳び上がり、その手で彼の頭を粉砕しようとしていたのだ!
監督官は即座に思考を巡らせる。
「まずい……!」
「間に合わない! このままでは、彼に致命的な重傷を負わせてしまう!」
だが――
信じがたいことに……。
ハイヴェンは、まさに最後の瞬間で動きを止めた!
その腕が激しく震えている……。
アレスはその隙を逃さず、素早く距離を取った。
監督官は驚愕する。
「何だ!? 止まっただと!?」
「だが……なぜだ!?」
「まさか……まだ、自分自身を抑え込もうとしているのか!?」
監督官は、苦痛に満ちた眼差しでハイヴェンを見つめながら呟いた……。
その後、監督官は急いでアレスのもとへ向かい、その隣に立って口を開く。
「最初は化け物だと思っていた……だが、今の出来事がその考えを覆した」
「彼は必死に……自分自身を抑え込もうとしているんだ!」
「私には、今もなお何が起きているのか理解できていない。だが……もし彼を目覚めさせる方法があるのなら、援軍を要請するのはやめよう。君に協力する」
アレス:
「はい。彼をこの状態から目覚めさせる方法は……一つだけあります」
……
アレスの脳裏に、ある記憶が蘇る。
最終試験を前に、ハイヴェンとともにアンティラ山脈で訓練をしていた時のことだった。
山を登る訓練の最中――
ハイヴェンは疲労を感じていた。
それでも、自分を追い込みながら訓練を続けていた。
アレスは横目で彼を見た。
すると……ハイヴェンの目の周囲に、あの黒いオーラが現れ始めていることに気づいた。
同時に、ハイヴェンは何かを繰り返し呟いていた。
「殺せ……殺せ……殺せ……」
アレスは即座に悟った。
ハイヴェンは、本能状態に入りかけている!
アレスは大声で彼に呼びかけた。
そして、その肩を掴んで激しく揺さぶる。
すると、ハイヴェンは動きを止めた。
そして、驚愕に満ちた顔でアレスを見つめ、呟いた。
「……ここは、どこだ?」
……
数分後――
ハイヴェンとアレスは山頂まで登り終え、一本の木の下に腰を下ろして休憩していた。
アレス:
「ハイヴェン……あの時、何を感じていた?」
「あの本能状態に入り込む直前、何が起きていたのか……できるだけ詳しく説明してくれないか?」
ハイヴェンはしばらく考え込んでから、答えた。
「俺自身も、あの時に何が起きているのか、完全には理解できていない……」
「だが、一つだけ、はっきりと覚えていることがある」
「あの瞬間、俺の意識は山頂だけに完全に集中していた」
「すると突然……頭の中で、たった一つの言葉が繰り返し響き始めたんだ」
「殺せ……殺せ……」
「君が俺を呼んでいた時でさえ、最後に呼びかけられるまで、その声はまったく聞こえなかった!」
アレスは、ハイヴェンの話を聞きながら思考を巡らせた。
「一つの命令を長時間にわたって繰り返し、極度の疲労に至るまで続ける……」
「特定の目標に意識を完全に集中させる……」
「疲労や肉体的な痛みを顧みず、周囲で何が起きているのかも認識できなくなる……」
「そして、その後に訪れる制御不能な本能状態……」
「戦闘能力が急激に上昇する一方で、意識と感情を完全に失う……」
「まさか……この本能状態そのものが、完全感覚極限状態なのか!?」
「準ティター・ロード、シナジー・ウラシが著書『無へと還る魂』の中の『荒れ狂う魂』の章で言及していた……あの状態なのか!?」
「だが、待て……」
「もし本当にそうだとしたら……最後に俺が彼に向かって叫んだ時、一体何が変わったんだ?」
……
長い時間、考え抜いた末――
アレスは歯を食いしばり、心の中で呟いた。
「くそっ……!」
「あの本を読んでから、もう九年以上も経っている……細かい部分で、思い出せないことがある」
「だが、ほかに選択肢はない……今、この状況であの秘密の書物を手に入れるのは、ほとんど不可能だ」
アレスは、さらに考え続けた……。
そして突然、勢いよく立ち上がり、大声で叫んだ!
「思い出した!!」
「そうだ……これだ! 最後のピース!!」
「アルケトラの本質!!」
ハイヴェンは、驚きと感嘆の入り混じった表情でアレスを見つめた。
一方、アレスは顔の半分を手で覆い、呟く。
「これで……すべての辻褄が合う」
そして、興奮に満ちた表情でハイヴェンを見つめ、声を上げた!
「ハイヴェン!! 解決策を見つけたぞ!!」
ハイヴェン:
「何だって!?」
……
……
記憶が途切れる。
監督官:
「何だと!?」
「冗談だろう!? こんなもの、狂気の沙汰そのものじゃないか!」
アレス:
「ほかに方法はありません……」
監督官は、アレスの言葉を無視した。
そして彼の横を通り過ぎ、ハイヴェンとの戦闘に戻ろうとする。
「そんな計画に同意するなど……絶対にあり得ない」
アレスは小さく呟いた。
「そう簡単に……君に彼を殺させはしない」
そして――
アレスは手を伸ばし、監督官の行く手を遮った!
すると、彼の周囲で威厳に満ちた青いオーラが、徐々に立ち昇り始めた。
その青いオーラには、恐ろしい紫色のオーラが幾筋も絡み合うように走っている!
アレスの顔には、凄まじい威圧感が浮かんでいた。
そして、明確な脅しを込めた声で告げる。
「ほかに選択肢はありません……」
「この計画に同意するか……それとも、今ここで俺たち二人を相手に戦うかです!」
監督官は目を見開き、衝撃に打たれながら心の中で叫んだ。
「本物のジュータル頂点のオーラだと!?」
「しかも……強化技法まで使えるのか!?」
「だが、なぜだ!?」
「まだ十六歳にもなっていない、ただの生徒が……一体どうすれば、ここまでの領域に到達できるというのだ!?」




