第41章「天と地にかけて……お前は何者だ、ユラシャン?!」
数分後――
ユラシャンは再び、意図的に別の監督官と生徒たちとの戦闘へと割って入った。
そして、そのやり方を何度も繰り返した。
そのうちアレスは、監督官が、たとえ逃げざるを得なくなったとしても、それ以上は決して離れようとしない、おおよその距離に気づき始めた。
ハイヴェン:
「それで、次はどうする?」
「同じことを三回も繰り返したぞ。」
「それでも、こんな情報からどうやって実際の利益を得られるのか、俺にはまだ分からない。」
「なのに、あいつは計画を変えようとしない。」
アレス:
「実際、監督官たちの担当区域の境界を知ることには、何らかの利用価値があるのかもしれない。」
ハイヴェン:
「どうやって?」
アレス:
「主任監督官は、闘技場に入る監督官は二十人だけだと言っていた。」
「それに、あの最上位の八体は監督官に守られていない。」
「つまり、七十二体の人形を、たった二十人の監督官で守っていることになる。」
「そこから、いくつかのことが推測できる……」
「まず、一人の監督官が同時に守っている人形は、およそ四体。」
「だが実際に守らなければならない人形は、それよりさらに少ないかもしれない。」
「最上位の八体を除けば、人形には淡い青から赤まで、難易度に段階がある。」
「そしておそらく、赤い人形の難易度は、大半の生徒の能力を上回っている。」
「そうなると、監督官たちが実際に守らなければならないのは、主に青い人形だ。」
「それに加えて、監督官一人の担当区域は比較的広い。」
「基本的には、四体の人形が存在する範囲を含んでいるはずだ。」
「そうなると、担当区域についての情報は非常に有用になる。」
「だが……」
「この計画には、一つだけ絶対に必要な条件がある……」
「そもそも、人形の位置を知らなければならない!」
二人が話しながら遠くからユラシャンを追っていると――
ユラシャンは突然、方向を変え、木々が密集した区域へと入っていった。
ハイヴェンとアレスはすぐに後を追う。
そして、彼のもとへ辿り着くと……
二人は、ユラシャンが一体の赤い人形の前に立っていることに驚いた。
だが――
それは最上位の八体の一つではない。
そして、さらに奇妙なことに――
最上位の八体ではないにもかかわらず、その人形には監督官による保護が一切なかった!
ユラシャンは姿勢を正し、深く息を吸う……
そして――
一撃で。
赤い人形の首を、凄まじい力と極めて正確な技術で斬り落とした!
驚愕に満ちた目で、ハイヴェンはアレスを見る。
ハイヴェン:
「アレス……まさか、偶然なのか?!」
アレスは険しい表情を浮かべ、ためらうような口調で答える。
アレス:
「本当に、そう信じたい。」
「だが……」
「この状況には、どうにも嫌な予感がする……」
そしてユラシャンは、すぐに人形の場所を離れ、再び無作為な動きを始めた。
アレスとハイヴェンは彼を追う。
だが今度は――
アレスは突然、まるで以前にもこの区域を通ったことがあるような感覚を覚えた。
そして、ユラシャンが監督官と別の生徒との戦闘に近づいたにもかかわらず、今回は介入しなかったことにも気づく。
その代わり、彼はその区域を垂直に迂回し、何度も方向を変え続けていた。
それを見たアレスの目が、大きく見開かれる。
アレス:
「あいつの動きは……以前の、あの無作為なパターンに近い。」
「だが、今回は逆だ!」
「全体的に見ると、あの動きは蛇行する半円に近い。」
「別の場所で曲がった地点から、再び垂直に走る。」
「その距離も、これまでの各々の屈曲点の間と、おおよそ同じだ。」
「まるで、繰り返される移動パターンを基に、地図を描いているかのようだ。」
「だからこそ――」
「俺は以前、ここを見たことがあるように感じたんだ!」
ハイヴェン:
「まさか……」
「あいつが、試験開始時にたった一度、人形の鳴る音を聞いただけで、そのいくつかのパターンから、この闘技場の地図を作ったって言うのか!」
「お前、そこまで狂ったように、あいつの頭脳を過大評価しているんじゃないだろうな?!」
アレス:
「次の目的地に辿り着けば、すべてが明らかになる。」
「俺の予測が正しければ、次は濃い青色の人形だ……」
そして――
数秒も経たないうちに、ハイヴェンとアレスは、顔全体を驚愕に染めたまま立ち尽くした。
ユラシャンは再び、監督官のいない新たな人形の前に立っていた。
そして、その色は――
濃い青だった!
ハイヴェン:
「今、何と言った?」
アレス:
「この目で見なければ、俺は信じなかった……」
「あいつは、人形の位置同士を結びつけるパターンを作り出したんだ。」
「それも、試験開始時に一度聞いただけの音から特定した人形の位置をだ!」
「その上で監督官たちの担当区域を調査し、それを自分の計画に組み込んだ。」
「さらに、他の参加者たちの戦闘の動きと位置を分析し、監督官たちの位置……」
「さらには、現在行われている戦闘の場所まで、初期的な予測を立てた!」
「そして――」
「これらすべてのデータを分析し、頭の中に死角の地図を作り上げた。」
「そこから、保護されていない人形の位置を明らかにする、反復パターンまで作り上げた。」
「そのすべてを――」
「たった三十分足らずでだ!!」
ユラシャンは人形の首を斬り落とすと、振り返った。
そして、アレスとハイヴェンが隠れている場所へ視線を向ける。
ユラシャン:
「いつまで二人とも隠れているつもりだ?」
アレスとハイヴェンは姿を現し、自分たちの正体を明かした。
だが、ユラシャンに発見されたことへの驚きは、二人の顔には一切浮かんでいなかった。
ユラシャン:
「ハイヴェンなら、俺を追跡すること自体は今さら驚くことじゃない。」
「だが――」
「まさか一位の本人が、俺の人形を一体盗むためだけに、ここまで必死になって俺を追ってくるとは思わなかった!」
「自分で一体見つけるのは、そんなに難しかったのか?」
そう言って、彼は嘲笑するように笑った。
アレスは彼に向かって数歩進む。
アレス:
「最初から俺たちが追っていることを知らなかったかのような、くだらない芝居はもう十分だ。」
「今すぐ答えろ……」
「お前はいったい何者だ、ユラシャン・アキタラオ――」
「いや。」
「お前が名乗っている名前が何であろうとな!」
そう言いながら、アレスは鋭い眼差しでユラシャンを睨みつける……
ユラシャンはアレスに気づかれないよう、密かに手を伸ばす。
そして、剣の柄へ手をかける。
ユラシャン:
「何を言っている……」
その言葉を遮るように――
アレスが突然、ユラシャンの頭部へ攻撃を仕掛けた!
ユラシャンは素早く防御態勢を取り、即座に剣を抜く。
そして、アレスの攻撃を受け止めることに成功した!
ハイヴェン(心の中):
「完璧な防御だ!」
「アレス相手に!」
二人の剣が激しくぶつかり合う。
アレスは恐ろしい眼差しでユラシャンを睨みつけ、怒りに満ちた声で言う。
アレス:
「俺は世間話をするためにここへ来たんじゃない。」
「素直に答えることを拒むなら――」
「俺自身の手で、その答えを引きずり出す!」
ユラシャンの表情が強張る。
そして、何かに対する戸惑いと不安を浮かべながら、心の中で呟く。
ユラシャン(心の中):
「まずい……」
「今は、二人を同時に相手にして戦う時じゃない。」
「たとえハイヴェンが介入しなくても、俺が相手にしているのは一位……」
「隠されたピーク・ジュター。」
「他の能力を考慮しなくても、剣術だけなら最高峰の技量を持つ――」
「アレス・シャトだ。」
「間違いなく、あの技を使わざるを得ない!」
「だが……」
「他に選択肢はない……」
ユラシャンはアレスを押し退ける。
そして衣の下に隠していた隠し剣を素早く抜き、右足に力を込める。
そのまま、素早く不意を突く攻撃を繰り出した!
その手が隠し剣のある場所へ奇妙に動き、それを掴んだ瞬間――
ハイヴェンは迫り来る攻撃を即座に察知した。
ハイヴェン(心の中):
「危険だ!」
「おそらく、アレスの位置からでは、あの攻撃には気づかない。」
「たとえ気づいたとしても、この距離からでは、対応するだけの時間が残されていない!」
その瞬間、ハイヴェンが戦闘へ素早く介入するため、できる限りの速度で前へ進もうとした。
だが――
その直後。
ハイヴェンは、アレスが素早く反応するのを目にした。
アレスは一歩だけ後ろへ下がり、特殊な防御態勢を取る。
そして驚異的な動きで、踵を軸に身体を回転させる。
左へわずかに身体を傾け――
予想外の攻撃を、紙一重でかわした!
そして、素早く数歩後退する。
ユラシャンは一瞬、その攻撃を受け止めたアレスに驚愕する。
ユラシャン(心の中):
「同じ動きだ!」
「同じ防御だ!」
「あいつ自身の技術だ!」
「この特異な方法で、あの攻撃を防げる人間は一人しかいない!」
そして――
数瞬の間、ユラシャンの脳裏に、アレスと同じ防御動作をする謎の人物の記憶が浮かぶ。
「まさか、お前は……アレス……」
だが、ユラシャンはすぐに我に返る。
そして、その隙を利用して煙幕弾を三つ爆発させる。
そのまま煙の中へ逃走しながら叫ぶ。
ユラシャン:
「今は、お前の質問に答えている場合じゃない、アレス!」
アレス:
「ハイヴェン! 逃がすな!」
ハイヴェンは煙の中を素早く走り、ユラシャンを追おうとする。
しかし――
煙を抜けた時には、ユラシャンは完全に消えていた……
アレスもすぐに追いつく。
そして、ユラシャンが逃げたことを知ると、怒りに任せて剣で地面を叩きつける。
アレス:
「くそ……」
「くそ……」
「また逃げられた!」
......................................
一方、その頃……
風が木々の葉を揺らし、葉が静かに舞い落ちていた。
一羽の鳥が嘴に藁をくわえ、一本の枝へ降り立つ。
そして、そのまま巣作りを続けていた。
辺りは、あまりにも静かだった。
――あるいは。
そう見えていただけだった……。
二人の男が、そこに立っていた。
一人は筋肉質な体格で、顔にはいくつかの皺が浮かんでいる中年の男。
そして、もう一人は――
鋭いエメラルド色の瞳を持つ、背の高い若者だった。
色白の肌。
長い黒髪。
そして、その顔には……
恐ろしい傷跡が刻まれていた。
額の中央から……
右目の脇を通り……
左側の顎へと至る……
その傷は、彼の顔を真っ二つに裂いていた!
彼は、そこに何分もの間、立ち続けていた……
あまりにも深い絶望に沈み込んでいたため、両目はかろうじて開いているだけだった。
時間が一分、また一分と過ぎるにつれ――
その顔には、疑念の色がますます濃くなっていった。
そして、なぜか彼は次第にプレッシャーを感じ始める……
彼はリョウタを鋭く見つめ、心の中で考える。
監督官(心の中):
「この少年……」
「奇妙だ……」
「ここへ来てから、遠く離れた場所をゆっくりと歩き続け、ようやくここまで辿り着いたと思えば――」
「ただ立って、呼吸しているだけだ……」
「何に対してもまったく反応しない。」
「数分に一度、かろうじて瞬きをするだけだ。」
「普段なら、俺から生徒へ攻撃を仕掛けることはない。」
「だが、こいつの存在には、どうしても安心できない。」
「特に……」
「この傷跡だ……」
「こいつが、ただの普通の生徒であるはずがない……」
監督官は剣を持ち上げ、リョウタへ向けて言う。
監督官:
「少年、よく聞こえているな。」
「三つまで数える。」
「命が惜しいなら、それまでに立ち去れ……」
返事はない。
「一……」
返事はない。
「二……」
返事はない。
そして――
彼が「三」と口にした瞬間。
監督官は凄まじい速度でリョウタへ突進した。
まるで、時間が一瞬だけ止まったかのように……
リョウタは、感情のこもった声で呟く。
リョウタ:
「天と地にかけて誓う。」
「俺が彼らを失ったのは、弱かったからではない!」
そして――
右足を地面へ猛烈な力で踏み込む。
あまりの力に、彼の足元の地面が砕け散る!
膨大な量の凝縮されたアルケトラが、その身体を包み込む!
そして、その凄まじい力によって――
彼は驚愕的な速度で突進する。
クレターの位階など、ほんの僅かにも及ばないほどの速度で!
それは、一瞬の出来事だった……
監督官の全身が、完全に凍りつく。
その瞳孔は激しく震え、首元に突きつけられた剣を見つめる。
あと数ミリでも近ければ――
彼は斬り殺されていた!
そしてついに、監督官は震える声で呟く。
監督官:
「これは……」
「これは……」
「人間じゃない……」
……
リョウタはゆっくりと剣を引いた。
そして、その切っ先を地面へ向けて下ろす。
監督官は、その場に膝から崩れ落ちた。
その顔には、なおも完全な驚愕が浮かんでいた。
リョウタは無関心な表情のまま、ゆっくりと彼の横を通り過ぎる。
そして、そのまま赤い人形へ向かって歩いていく……
監督官は目の端から彼を見つめ、心の中で考える。
監督官(心の中):
「最初に、数年前に起きた――」
「ある生徒が監督官の一人を殺したという事件を聞いた時……」
「俺は、ほとんど信じられなかった。」
「その監督官は、そもそもジュターと呼ぶことすらためらわれるほどの存在だったのだろうと思っていた。」
「だが……」
「俺は間違っていた……」
「完全に……」
「数年しか必要としない怪物たちがいる。」
「そして――」
「彼らが望めば、世界を喰らい尽くすことさえできる!」
リョウタは、人形の前に二秒間立った。
そして、剣の柄を強く握り締める。
そして――
一撃で。
赤い人形の首を、斬り落とした!
これが――
彼にとって、最初の人形だった……
......................................




