第四章「アレス、俺は第二の道を選ぶ!!」
副監督官:
「整列!!! これから君たちの番号を無作為に抽選する………………」
「ダモン……7……ハルカ……18……ハルナ……32……ハイヴェン……56……アレス……83……ヒカリ……194……イノウエ……284……ピエトロ……347……リタ……412………………」
中年ほどに見える男が姿を現した。
屈強な体格に浅黒い肌、短い黒髪。
男は壇上へ歩み出ると、集まった生徒たちを見渡し、口を開いた。
「まずは自己紹介をさせてもらおう」
「私はリョウマ・マサト。ヘクター中期段階、そしてマーシャルの位を持つ者だ」
「栄えあるラスト・トワイライト学院の最終試験を、君たちの監督として担当できることを光栄に思う」
「では、まず基本的なルールの説明から始めよう」
「第一試験のルールは単純だ」
「この丘の頂上まで到達すればいい」
「だが、その前に……どの道を進むかを選ばなければならない」
「斜面は四つある」
「いや、正確には……形状と傾斜がそれぞれ異なる、四つの道だ」
「第一の道は、数多くの出っ張りがあるため、まるで階段のような形をしている」
「その出っ張りのおかげで移動は大幅に楽になり、バランスを崩して転落する可能性も低くなる」
「そして第二の道になると、出っ張りは少なくなる」
「そのまま進むにつれてさらに減少していき、第四の道に至っては……まるで完全に滑らかな斜面のように見える」
「出っ張りなど、ほとんど見えないほどだ」
「だが、注意しろ」
「それぞれの道には、その難易度に応じて、仕掛けられている罠の数も、そしてその罠を見つけやすいかどうかも違う」
「さらに、四つすべての道を合わせて、最初に到着した百人の生徒だけが合格者となる」
「そして、どの道からも最低一人は合格する」
「つまり……仮に最初の百人が三つの道からしか出なかったとしても、その後に第四の道から一人の生徒が到着した場合、百位で到着した生徒は不合格となる」
「そして、その第四の道で一位になった生徒が合格となる」
「ただし――」
「その生徒の到着が百位の生徒より五分以上遅れていた場合、その者も不合格とする!」
リョウマの口調が鋭くなる。
同時に、彼の周囲を包むオーラがわずかに強まった。
「そして……最も重要なルールをよく覚えておけ」
「アルケトラ、ユルヴァナ、そしてヴィラの使用は一切禁止だ」
「違反した場合、その場で即座に失格となる!!」
「これが最も重要なルールであるため、四つの道の全域に監督官を配置し、いかなる違反も監視している」
「さらに、私自身もアスカ・テツヤ閣下と協力し、競技場全体を覆う大規模な索敵技術を展開している」
「どんな違反であろうと感知できる」
「たとえアルケトラがほんのわずかに上昇しただけでも、即座に失格となる」
「そして、その瞬間……君たちは軍へ入る機会を永遠に失うことになる!」
「その時になれば、たとえ貴族氏族の族長からの嘆願であろうと、何の価値もない」
「君たちの運命を変えられるのは……王家の正式な印が押された勅令だけだ!」
そして、リョウマは嘲るような笑みを浮かべた。
「だから――もし、それを手に入れられる自信があるのなら……好きなだけ不正を働くといい」
「さあ、選択を始めよう!」
ハイヴェンは怪訝そうに眉をひそめる。
「ユルヴァナとヴィラを禁止する規則が、機会を平等にすることで公平性を確保するためのものだということは分かる」
「だが……俺はユルヴァナを持っていない」
「それでも、人は自分の才能を利用する権利があると思う」
アレスが口を開く。
「昔は、お前の言う通りだった」
「ユルヴァナやヴィラの使用を禁止する法律など、存在しなかった」
「だが、知っての通り……俺たちくらいの年齢では、まだユルヴァナを持っていない者が大勢いる」
「その中には、多くの貴族氏族……さらには王族の者まで含まれている」
「だから、およそ二百年前、多くの貴族氏族が、学院の最終試験におけるユルヴァナとヴィラの使用を禁止する法律を制定するよう求めた」
「当時は、王族であるシルヴァ氏族がこの地を支配していた」
「そのうえ、軍の人員が不足していた」
「さらに、その時期に大きく発展していた北部地域への大規模な拡張も行われていた」
「そのため、シルヴァ王族は、その要求を審査する委員会の設置に同意した」
「そして最終的に……学院の最終試験におけるユルヴァナとヴィラの使用を完全に禁止する法律が制定された」
「その代わりとして、試験の最後に遅れて行われる一つの試験を設け、個人の能力を評価することになった」
ハイヴェンは驚いたようにアレスを見る。
「お前が歴史熱心な生徒になったのは、いつからだ?!」
アレスは少し困ったように笑った。
「お前のような歴史狂いと何年も一緒にいたせいで……どうやら俺にも多少の影響があったらしい」
ハイヴェンは冗談めかしてアレスの肩を叩き、笑う。
「趣味の選び方は上出来だな、友よ」
「王立図書館で輝かしい未来が待っているぞ」
アレスは呆れたように呟く。
「どうして俺は……それを無理やり選ばされたような気がするんだ……」
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ほとんどの生徒が第二の道と第三の道へ集まり始めた。
一方、第一の道と第四の道へ向かう者はごくわずかだった。
その光景を眺めながら、アレスは考える。
「予想通りだ」
「ほとんどの生徒が監督官の言葉に惑わされ、第二の道と第三の道へ向かった」
「なんとも悪辣な罠だ……」
「第一の道を、まるで花が咲き乱れる楽園のように見せながら、その腹の中には大量の罠という茨を隠している」
「そして第四の道は、まるで内側に光を秘めた燃え盛る地獄のように見せている」
「罠が少ないからこそ……そう見えるように仕向けているんだ」
「そのうえ、第二の道と第三の道をその中間に置くことで、誰もがそれこそ最善の選択だと思うように仕向けている」
「確かに、この罠に気づいた者も大勢いるに違いない」
「だが……第一試験で危険を冒し、自分の未来を第一の道や第四の道に賭けるような馬鹿が、いったいどこにいる?」
アレスがハイヴェンへ告げる。
「ハイヴェン、俺たちは第四の道へ行く」
ハイヴェンはわずかに目を細める。
「なぜ、特に第四なんだ?」
アレスは、先ほどの説明に隠された罠について彼に説明した。
ハイヴェンは少し笑う。
「なるほど……お前も気づいていたのか」
そして、背筋を伸ばす。
その表情がわずかに引き締まった。
「だが……この試験で、自分の実力によって勝たなければ……いったい何の意味がある?」
「アレス!!」
「俺があの罠に気づいていなかったわけじゃない」
「だが――俺たちの違いは、覚悟だった!」
「この迷いへの罰として……俺は第二の道を選ぶぞ、アレス!!」
アレスの瞳に、挑戦の闘志が宿る。
そして、笑った。
「なら……向こう側で会おう」
「俺の頑固なライバルよ……」
そして、二人はそれぞれの道へ向かっていった。
四つの道の門の前に集まった生徒たちを見渡しながら、主任監督官リョウマ・マサトが口を開く。
「失格となった者は、永遠に軍へ入る機会を失うことを覚えておけ」
「これは……お前たちが引き返す最後の機会だ」
「今ここで引き返す者には、まだ来年という可能性が残されている」
「そのことを忘れるな」
……
リョウマは右から左へと群衆を見渡した。
そこにあったのは、ただ真剣さに満ちた表情だけだった。
リョウマは誇らしげに微笑む。
「誰も……」
「その勇気に敬意を表する」
そして――
「さあ、ラスト・トワイライト学院――第三百二十四回最終試験を開始する!」
「行け!!!」




