第39章「天才たちの主であるお前が、どうして無能な指揮官なんだ!?」
99番と100番の学生が待機する中――
五分間のカウントダウンが、終わりに近づいていた。
そして――
四分五十五秒が経過した。
100番の学生が、緊張と不安に苛まれている、その瞬間。
リョウタが第三の道から姿を現した。
それによって、リョウタは自らの道で一位となり――
100番の学生は、敗者となった!
その瞬間。
100番の学生は、崩れ落ちるような衝撃に襲われた。
続いて――
パニックと怒りが爆発する!
彼は99番の学生へ襲いかかった。
監督官たちは、すぐさま介入して争いを止める。
そして、彼の両肩を掴み――
合格者の広場から引きずり出していく。
その間も、100番の学生は99番へ向かって叫び続けていた。
「お前は不正をした!」
「この卑劣な詐欺師め! あの忌々しい石を投げたのは、お前だろう!!」
その瞬間。
99番の学生の脳裏に、ある記憶が蘇る。
終着点へ近づき――
自分の仲間が、かなりの距離をつけて先を走っていた時。
彼は仲間の足元へ向けて、石を投げた。
仲間は地面へ倒れた。
そして、急いで立ち上がり、レースを続けようとした。
だが――
すでに、大きく遅れを取っていた。
99番の学生はその記憶を思い出しながら、監督官たちに引きずられていく敗者を見つめる。
そして――
邪悪な笑みを浮かべ、心の中で呟いた。
「この馬鹿め……」
「ユルヴァナとヴィラの使用が禁止されているからといって――」
「自分が完全に安全だと思ったのか?!」
「その敗北は……」
「お前自身が受けるに値するものだった!」
……
その一方で。
主任監督官は、リョウタへと視線を向けていた。
その顔は、衝撃のあまり強張っている。
手には、書類で埋め尽くされたファイル。
そして――
心の中で呟く。
「あり得ない……!」
「第三の道から、生還した者がいる……!」
「本当に……!?」
「今年の地獄の道というだけじゃない。」
「歴史上でも、最も恐ろしい地獄の道の一つだというのに……!」
「リョウタ・ヒサシ……」
「この名前を、どうして忘れられるというんだ。」
「彼のファイルを読んで以来……俺はずっと、頭がくらくらしている。」
「幾世代もの間、ただ一人しか成し遂げられなかった――」
「10点満点の、完全評価!!」
「これほど狂気じみた偉業が、いったいどれほど恐ろしいものなのか……」
「そう考えるだけで、頭が焼き切れそうになる。」
「貴族学院や王立学院における評価制度は、王国でも有数の複雑な制度だ。」
「その重要性は、最終試験や軍への入隊後にまで及ぶ。」
「階級の昇進、報酬……」
「その他、戦士の人生に関わる数多くの重要事項にも影響を与える要素の一つだ。」
「その評価は――」
「学院で過ごす四年間を通じた、総合的な成績の平均によって決まる。」
「訓練試合での戦闘能力。」
「成長速度。」
「百科全書的な知識。」
「ユルヴァナのレベル。」
「研鑽能力。」
「頭脳。」
「そして、一般的な知性。」
「戦略的知性。」
「戦術的知性。」
「感情的知性。」
「さらには、指導者としての能力――」
「プレッシャーの中で、命運を左右する決断を下す能力に至るまで。」
「本人の成績に直接関わる監督官たちの意見、分析、評価によって算出される!」
「だが――」
「その中でも、評価に大きな影響を与えるものがある。」
「合同訓練キャンプにおける公式の決闘での、個人としての成績だ。」
「そこでは、異なる訓練施設から派遣された複数の直属監督官が、その戦いを評価する。」
「そして――」
「リョウタ・ヒサシの10点満点という完全評価は、約三百年に及ぶラスト・トワイライト学院の歴史の中でも、最も稀有な評価の一つだ。」
「彼以前に、これを成し遂げた者は、わずか四人。」
「そして、最後にそれを成し遂げた者でさえ――」
「八十七年前だ。」
「その評価を彼が獲得した最大の理由。」
「それは――」
「十六回の合同訓練キャンプに参加し、合計六十四回の公式決闘を戦い……」
「そのすべてに勝利したことだ!!」
「しかも――」
「ファイルには、その大半が数秒で終わったとまで記されている!」
「それほどまでに――」
「彼の剣術能力は、すでに監督官の領域に近い!」
「そのうえ――」
「この年齢ですでに、ピーク・ジュターに到達している!」
「さらに、推定される能力の高さも――」
「保有するアルケトラの量も――」
「どちらも最高水準の一つだ!」
「だが――」
「彼の直属監督官が、ファイルの中で最も際立った特徴として記していたものがある。」
「それは――」
「回避と防御を徹底し、反撃すら許さない完璧な攻撃の隙が生まれるまで待ち続ける……」
「彼独自の、類まれな戦闘スタイルだ!」
「そして――」
「もう一人いる。」
「トシロウ・ヤマトだ。」
「リョウタのすぐ下――」
「第二位。」
「そして、歴史上でも極めて稀な評価……」
「9.9点満点!」
「彼が10点満点を獲得できなかった唯一の理由も――」
「公式の決闘で、リョウタに喫したあの一度きりの敗北だ。」
「ファイルによれば、その戦いは極めて拮抗していた。」
「ある監督官など――」
「リョウタは、決定打で幸運に恵まれたにすぎないと評したほどだ!」
「トシロウといえば……」
「妙だな……」
「まだ出てきていない。」
その瞬間。
主任監督官の目が、大きく見開かれる。
「待て……」
「まさか――」
「あいつ……死んだのか……?」
……
99番の学生と、敗者となった100番の学生の間で起きた騒動が収まると――
主任監督官は、言葉を続けた。
「そして最後に――」
「残る二人だ。」
「99位、デイモン・ペトラ。」
「そして――第三の道における101位、リョウタ・ヒサシ。」
「この百名が――」
「第二試験への進出者となる。」
すると、主任監督官が前へ進み――
手を叩いた。
「ラスト・トワイライト学院、最終試験――」
「第一段階の突破、おめでとう。」
「だが――」
「四十六名もの学生が不正を行い、ユルヴァナとヴィラを使用したことについては、誠に遺憾に思う。」
「中には、仲間の学生に危害を加えるまでに至った者もいる。」
「その結果、二十七名の学生が重傷を負い、病院へ搬送された。」
「彼らには、来年、再び挑戦する機会が与えられる。」
「当然ながら――」
「規則に違反した者は、全員失格だ。」
「そして――」
「仲間の学生を傷つけるに至った者たちは、王国におけるすべての学院試験の設計者であり、総監督を務める――」
「グランド・マーシャル、ジュリアン・シルヴァ卿の執務室へ送られた!」
「さて――」
「第二段階の最終試験は、明日の朝に行われる。」
「今回の規則違反者たちを教訓とし――」
「第一段階の時のような厳しい措置を取らずに済むことを願っている。」
「最後に――」
「第二試験の時刻まで、しっかりと休息を取るように……」
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そう。
この地獄の試験は――
本当に、不可能なものだった。
八十七年間、比肩する者が一人として現れなかった――
あの天才の主の力をもってして、ようやく突破できるほどに!
それでも――
一人は殺され。
もう一人は、生き残った……
ああ――
トシロウのような純粋な才能が死んだことの、なんという悲劇か。
そして――
リョウタのような天才の主の心が、打ち砕かれたことの……なんという悲劇か……
そして――
親愛なる読者よ。
お前は、どう思う?
リョウタとトシロウのファイルを知った今――
お前の意見は、変わっただろうか?
コメントで――
お前の意見を聞けるのを、楽しみにしている。
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