第31章「数百年よりも重い一瞬……」
リョウタたちは巨大な門を通り抜ける。
その先に現れたのは、石で舗装された、緩やかな下り坂だった。
彼らはその坂道を、およそ二分間走り続ける。
奇妙なことに――
石柱の区域を抜けてからというもの、彼らは一つの罠にも遭遇していなかった。
さらに二分ほど走ったところで……
一つの看板が現れる。
「第四クォーター」
そして、さらに一分ほど走った後。
今度は別の看板が現れた。
「巨大ハンマー区域」
その瞬間――
全員の顔に緊張が走った。
中には、すでに顔いっぱいに恐怖を浮かべている者さえいる……
そして、リョウタの表情にも不快感が浮かんでいた。
数秒も経たないうちに――
彼らは巨大な広場へ到着する。
そこには無数の小さな柱が立ち並び、その間を巨大な石のハンマーが振り子のように揺れ動いていた!
そして、広場の入口には巨大な看板が立っている。
「一部の場合を除く」
全員が、畏怖に包まれたまま静かに立ち尽くす。
ある者は目を大きく見開いて広場を見つめ……
ある者は、身体を震わせていた。
リョウタでさえ、その表情は強張っている……
突然!
凄まじい叫び声が、彼らの衝撃を切り裂いた!
全員がすぐさま、ハンマーの間へ目を走らせ、叫び声の出所を探す……
そして、すぐに気づく。
どうやら、すでにこの試験を突破しようとしている者たちがいる。
しかも、彼らはかなり先まで進んでいた。
巨大なハンマーの動きによって姿が何度も遮られ、遠くにいる姿が途切れ途切れにしか見えないほどだ。
リョウタはすぐに巨大な看板へよじ登る。
エヴァンダーとミズシも、その後を追う。
そして――
三人は、凄惨な光景を目にした。
五人が、広場を突破しようとしていた。
そのうち四人は――
すでに死んでいる。
巨大なハンマーの間で、完全に押し潰されていた。
そして、五人目。
リョウタから最も遠く、終着点の門には最も近い位置にいる男が、必死に周囲を見回していた。
その顔は、恐怖で満たされている。
巨大なハンマーの一つが――
彼へ向かっていく!
かろうじてかわす!
だが……
ほんの一瞬のうちに。
それを認識する暇すらない。
彼の頭部が――
完全に砕け散った。
別の巨大なハンマーが、背後から後頭部を打ち抜いたのだ。
一瞬。
彼の意識は、すべてを包み込むほどに膨れ上がった。
そして、次の瞬間には……
何もなかった。
一瞬と一瞬の間に――
もう一つの瞬間がある。
数百年よりも重い、一瞬……
苦難なくして、生はない。
痛みなくして、死もない。
そして、人にとっては……失われた夢への後悔だけでも、十分すぎるほどの痛みになる。
血と脳の白い物質が飛び散り、振り子のように揺れる巨大なハンマーを汚した。
それが――
彼に残された、すべてだった。
終着点まであとわずかだった才能。
彼には、輝かしい未来があったはずだ。
もしかすると、いつの日か……
相反する道が抱える危機の一つを解決するほど偉大なヴィラを生み出していたかもしれない。
もしかすると……
歴史の流れを変えるほどの偉業を成し遂げていたかもしれない。
だが……
一瞬の無謀さ。
あるいは、判断を誤っただけかもしれない。
もしかすると、ほんの少し緊張していただけかもしれない。
それだけで十分だった……
彼は間違えた。
その間違いは見逃されなかった。
その間違いには、罰が下された。
そして――
彼は死んだ。
彼の死も……
試験の始まりに狼に食い殺された、あの価値のない者の死も……
試験の犠牲者として見れば、何も変わらない。
地獄のような試験の犠牲者一覧に並べば――
どちらも、ただの一人だ。
試験の設計者から見れば……
ただの、いくつかの数字。
氏族から見れば……
ただ一つ増えた、失敗した才能。
そして家族から見れば……
アカデミーの試験にすら失敗し、その失敗によって家族に恥をもたらした……
ただの、失敗した子供。
三者の視点から見れば――
彼は、死ぬに値した。
……
その考えが、リョウタの頭の中を一瞬で駆け巡る。
そして徐々に――
その顔に浮かんでいた驚愕が、不快感へと変わっていく。
激しい不快感……
それは、怒りかもしれない。
悲しみかもしれない。
あるいは……
無力感かもしれない。
やがてリョウタは、数瞬の間、黙って立ち尽くす。
目の前に残された、彼の遺体の一部を見つめながら……
その瞳に、重い感情を浮かべる。
そして、掠れた声で呟いた。
「皆……」
……
「そうだ。」
「皆……死の前では、平等だ……」
……
三人は、しばらく黙って立ち尽くしていた。
今、目の前で起きたことを受け入れ、理解しようとしている。
やがて、エヴァンダーが困惑した声で口を開く。
「リョウタ……」
「この人たちは……きっと偶然、石柱の区域を突破したんだ……」
「偶然、俺たちを追い越した……」
「そうだ……偶然だ!」
「そもそも、あいつらは最初から才能がなかったに違いない!」
「そうだろ?」
リョウタは、まだ顔に残る驚愕を完全には隠せないまま答える。
「……違う。」
「この試験は、その本質において個人戦だ。」
「だから、この人たちは……」
「石柱の区域を、一人で突破できた数少ない者たちの中にいる。」
「自分の反応速度だけを頼りにしてな。」
「それどころか……」
「おそらく判断を誤って、五本もの巨大な柱を通り抜けてきたんだ。」
「こいつらは……最高峰の才能を持つ者たちの中でも、怪物だ。」
エヴァンダーが叫ぶ。
「じゃあ……どうしてだ?!」
「どうして、あいつらは罠にかかったネズミみたいに見えるんだ?!」
リョウタは、広場から目を離さない。
「分からない……」
「ああいう者たちは、本来、無謀な性格じゃない。」
「少なくとも数分はこの広場を観察して……」
「中へ入る前に、ハンマーの動きのパターンを理解していたはずだ。」
「なら……」
「あいつらが死んだ原因は、何か……極めて難しい罠に落ちたことのはずだ。」
「俺たち自身で、確かめるしかない……」
リョウタはその場に腰を下ろす。
そして――
極限まで意識を集中させ、広場を注意深く、そして徹底的に観察し始めた。
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