第30章「そして、彼にはそうする十分な権利がある……」
ハイヴェンが終着点を越え、試験通過者たちのいる広場へ出る。
そこには、すでに大勢の通過者がいた。
ハイヴェンは少し表情を険しくし、人数を数え始める。
「一……四……」
「十六……四十……」
その時――
アレスが、彼の思考を遮る。
「ハイヴェン! やっと終わったな!」
二人は力強く握手を交わす。
ハイヴェンが言う。
「向こうで待っていろと言っただろ。」
アレスは答える。
「もちろんだ。」
「だが……監督官から、お前が全員の中で一番長い道を選んだと聞いた時は、本当に心配した!」
「次からは、その頑固さを少しは捨てて、俺の言うことを聞け。」
「この試験は……お前が思っている以上に狡猾だ!」
ハイヴェンが眉をひそめる。
「一番長い?」
「全部、同じくらいの大きさじゃなかったのか?」
アレスが首を横に振る。
「いや。」
「道の長さには、かなり大きな差があることが分かった。」
「お前が通った第二の道が一番長くて、第四の道が一番短かった。」
「その差は……ほとんど一つの区域全体ほどもある!」
ハイヴェンは肩をすくめる。
「まあ、いい。」
「それで……今のところ、何人が通過した?」
アレスが答える。
「九十六人。」
「そして、お前が九十七人目だ。」
「だが、面白いのは……その九十六人全員が第一の道と第四の道から出てきたことだ!」
「お前は実際、第二の道と第三の道から出てきた最初の人間だ。」
「お前たちは一体、何にそんなに時間を取られたんだ?!」
ハイヴェンはアレスの破れたローブを掴む。
その表情が険しくなる。
「お前たちは、一体何に遭遇したんだ?」
「俺ですらアンティラ山脈の戦いで、お前をここまで追い詰めることはできなかったぞ!」
アレスは自分のローブへ視線を落とし、かすかに笑う。
「激しい戦いだった……」
そして、沼地の区域で彼らに起きたことをハイヴェンへ説明する。
ハイヴェンは驚いたように言う。
「矢で武装した猿に……」
「槍を持った巨大な族長たち……」
「そして、色の違う鉢巻き……」
「まさか……それは上位山岳猿族そのものじゃないのか?!」
アレスは頭を少し横へ傾ける。
「上位山岳猿族……」
「実際のところ……知らない。」
ハイヴェンは頭に手を置き、ため息をつく。
「天に誓って……」
「お前、この何年間、一体何をしていたんだ?」
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上位山岳猿族。
それは、変身の道を専門とするティター上位段階のネビル・シレンが行った実験における、最も顕著な成果の一つだ。
この実験で特に注目されたのは、彼らが獲得した高い知性。
人間のように言葉を話すことすら可能なほど発達しており、さらに――
一般個体。
兵士。
後衛。
四人の守護者。
長老。
そして、その頂点に立つ族長。
そうした明確な階層構造まで形成している。
一部の研究では、彼らには独自の戦闘戦略を発展させる能力まであると報告されている。
その一方で……
自己認識や、悪意のような複雑な感情を理解する能力は、依然として低い。
だからこそ……彼らは、簡単に騙すことができる。
アレスは目を輝かせる。
「驚いた……」
「変身の道が、ここまで興味深いものだったなんて知らなかった。」
ハイヴェンは再びため息をつく。
「本当に……」
「この何年間、何をしていたんだ、お前は。」
アレスは肩をすくめる。
「俺を責めるな。」
「お前ほど歴史に夢中じゃないことまで、俺のせいじゃない。」
ハイヴェンが呆れたように言う。
「これは歴史じゃない。」
「お前の王国の地理に関する、基本的な知識だ。」
アレスがすぐに返す。
「いや、そうじゃない。」
「それに……少なくとも俺は、強大な氏族と実際に戦った。」
「だが、お前はどうした?」
「首も肩も、どうしてそんなに酷い状態になっている?」
ハイヴェンは首に手を当てる。
「これについては……長い話になる……」
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ハイヴェンは、第四クォーターで起きたことをアレスに説明した。
さらに、あの謎の少年のこと。
彼が使っていた奇妙な技術。
そして……何らかの訓練を受けているのではないかという、自分の疑念まで話す。
アレスの表情が変わる。
「何だって?!」
「罠を突破するための訓練だと?!」
「だが……どうやって?!」
「特に第一試験の情報は、極秘中の極秘だ。」
「学院の選抜において最も重要な段階だからこそ、その内容は毎年変わる。」
ハイヴェンは首を振る。
「分からない。」
「だが、それ以上に奇妙なのは……」
「あいつが、俺に第一位をわざと譲ったことだ。」
「他の道ですでに必要な人数が通過していたとしても、自分の道が長いせいで順位を落とす可能性は分かっていたはずだ。」
「それでも……」
「第一位を取れば、あいつの合格は確実だった。」
「なのに、なぜか……わざわざ不要なリスクを選んだ!」
そして、ある方向を指差す。
「ほら、あそこだ!」
「たった今、出てきたあの少年!」
「信じられない……あれだけのことがあった後でも、さらにわざと遅れたのか!」
アレスが少年へ目を向ける。
その目が大きく見開かれる。
今にも眼窩から飛び出しそうなほどだった。
「……あり得ない。」
「まさか……」
ハイヴェンが再びアレスを見る。
すると、アレスは少年を凝視していた。
その顔全体を、驚愕が覆っている。
そして、口を開く。
「不必要なリスクを冒したんじゃない。」
「ただ……注目を集めたくないだけだ。」
「そして……」
「あいつには、その十分な権利がある……」
ハイヴェンは少し困惑する。
「……こんな状態のあいつを、初めて見た。」
「どれだけ危険な状況でも……あんな表情を見せたことは一度もない。」
「過去に知っていた人間なのか?」
……
「もしかすると……俺はまだ、アレスの過去の真実を何も知らないのかもしれない。」
「まあいい。」
「今は……聞くのはやめておこう。」
アレスは、さらに考える。
「それは……八年以上前のことだった!」
「仮にあの時から生きていたとしても……今ここへ来る理由なんてない。」
「ましてや、ラスト・トワイライト学院の試験にまで参加する理由なんて……!」
「偶然が……ここまでの力を持つはずがない!」
「まだ状況を完全には分析できていない。」
「だが……これ以上待っていたら、俺は気が狂いそうだ。」
「直接、聞く!」
アレスが最初の一歩を踏み出した、その瞬間――
監督官の声が、彼の耳を貫く。
「第九十七位、そして第二の道第一位――ハイヴェン・アキタラオ!」
「第九十八位――ユラシャン・アキタラオ……」
アレスの足が止まる。
そして、考える。
「ユラシャン……」
「それが、あいつの名前か。」
「アキタラオ氏族……」
「確かに貴族氏族に分類されている。」
「だが、実際には……王族に近いほど巨大な氏族だ。」
「それどころか、アレヴタール王国で独自の分家を持つ唯一の貴族氏族ですらある!」
「だが、法律上……貴族氏族が別の貴族氏族を分家として持つことは禁止されている。」
「だから、すべての分家は元の氏族名……アキタラオに属することになる。」
「その結果……構成人数では、王国第三位の巨大氏族だ。」
「だからこそ……同じ氏族に属しているとはいえ、ハイヴェンが彼を知らないのも不思議じゃない。」
「そして……」
「アキタラオ氏族は、三百年以上前にラスト・トワイライト学院を創設した氏族でもある。」
「だから、百人の通過者のうち……四十二人がアキタラオの姓を持っているのも不思議じゃない。」
「さらに、俺たちは全員ラスト・トワイライト学院の生徒だが……」
「その実、いくつもの訓練センターに分かれていた。」
「最終試験は……」
「ラスト・トワイライト学院の全生徒が、選抜と今年の合格者を決めるために集まる……最初で唯一の機会だ。」
「なら……」
「ユラシャンは別人で……」
「ただ、偶然にもあいつに似ているだけなのかもしれない……」
数秒間、沈黙する。
やがて、彼は鋭い目で少年を見つめる。
「あるいは……」
「本当に本人で……」
「何らかの理由で、自分を隠しているのかもしれない!」
その間にも――
ハイヴェンの後ろを走っていた二人の生徒が、終着点へ到着する。
二人とも、わずかな差……
二メートルにも満たない差で、終着点を越えた。
そして――
第百位の参加者をめぐる不安と恐怖の中、五分間のカウントダウンが始まった。
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