第十八章「真実の呪い……そして決断の残酷さ」
数分が経った……
亀裂の入った柱々の脇を、彼らは警戒しながら歩き続けている。
リョウタは目の端で後ろを見やる。
強張った表情。
震える身体。
激しく揺れる瞳。
彼らは皆、リョウタの命令を今か今かと待ち続けていた。
リョウタはわずかに表情を曇らせ、考える。
「時間が経つほど……」
「事態は、ますます奇妙になっている……」
「罠がない。
三本目の巨大な柱を越えてから、一本の柱すら倒れていない。」
「この静けさ……」
「異常なほどに奇妙だ。」
「不審すぎる。」
「そして……」
「もしかすると……」
「危険すぎる……」
「この静けさの目的が、ただ精神的なプレッシャーを高めることだけだなんて……到底信じられない。」
「待て……!」
「本当に、ただ精神的なプレッシャーを高めることが目的だったとしても……もっと深い理由があるとしたら?!」
「このことを、あの謎めいたパターンと結びつけるなら……」
「この不審な静けさの目的は、精神的なプレッシャーを高めること。」
「そこから注意力を削ぎ……」
「本当の危険を察知できなくすることなのではないか?!」
「これは……」
「不吉な兆候だ……」
リョウタが立ち止まる。
身体が凍りつく。
両手が震える。
額に汗が滲む。
驚愕が、その顔全体を覆う。
そして、頭の中で叫ぶ。
「いや……ありえない……」
「何かがおかしい……」
「絶対に……何かがおかしい……」
「だが……」
「また……」
「まただ……」
「これが……唯一の違いだ……」
「これが正しい道を示す、ただの道しるべにすぎないなんてありえない。
この試験の設計者は、そんなに親切じゃない。」
「これは……危険の兆候だ……」
「それも……大きな危険の兆候だ!」
「だが……」
「天地にかけて……一体、何なんだ?」
「近くの罠を示す、他の明確な兆候は何もない。」
「遠くの小さな柱々も、これまでと同じ速度で、同じように倒れている。」
「違うパターンは……何もない!」
「まさか……巨大な柱そのものが倒れることを示しているのか?!」
「ありえない!」
「小さな柱々は、あらゆる方向から倒れている。
巨大な柱を避けるための、別の方法など存在しない。」
「そうなると……残された罠は、巨大な柱そのものの倒壊だけだ。」
「そして、もしそうなら……ユルヴァナを使ったとしても、生き残る方法はない!」
「この試験は、王国全土で完全に統一されている。」
「王族の一族でさえ、この試験に参加するんだ。
その目的が殲滅であるはずがない!」
「まさか……俺が間違っているのか?!」
「まさか……この亀裂の唯一の目的は、精神的なプレッシャーを高めることで俺たちの注意を散らすことだけなのか?!」
「そして……俺はそう考えることで、すでに罠に嵌まっているのか?!」
...
柱々が近づいてくる……
...
沈黙……
柱々はすぐそこまで迫っている。
彼らの顔は、すでに恐怖で染まっていた。
イヴァンダーがリョウタへ近づき、不安げな声で囁く。
「リョウタ……」
「動かなきゃ……」
柱々が十メートルにも満たない距離で倒れ始める。
あと数秒で、彼らは押し潰される!
イヴァンダーがリョウタへ叫ぶ。
「リョウタ! 動かなきゃ!」
「死ぬぞ!」
リョウタは歯を食いしばり、考える。
「くそっ……!」
「もう……他に選択肢なんてない!」
そして突然、手を上げて群衆へ叫ぶ。
「心配するな。」
「前と同じだ。」
「俺についてこい! 早く!」
彼らが動き出した瞬間――
周囲の柱々が次々と倒れ始める!
彼らは巨大な柱へ向かって走る。
そして、あと三メートルというところまで近づいた、その瞬間……
リョウタが気づく。
風の、ほんの僅かな変化。
極めて小さな、亀裂音。
リョウタは目の端で上を見やる……
巨大な柱の高い位置から、小さな石が一つ落ちる。
まるで……時間が一瞬だけ止まったかのように。
その瞬間、リョウタの目が眼窩から飛び出しそうなほど見開かれる。
そして、彼は素早く考える。
「予想どおり……巨大な柱が倒れるはずはない。」
「だが……」
「落ちているのは……岩だ!」
「なら、あの亀裂は……」
「ずっと前から……ずっと、つまり……」
「そして、今……」
「どうする?」
「気づくのが遅すぎた。」
「戻る道はない!」
「逃げる道もない!」
「生き残る方法もない!」
「少なくとも……全員には……」
「個人の純粋な技量が必要なだけじゃない。」
「こいつらは、精神的にさえ準備ができていない!」
...
恐ろしい声が、彼の内側で囁く。
「また……馬鹿のふりをするのか?」
「お前は、もう答えを知っている……」
...
悪寒が、彼の身体を駆け抜ける。
一瞬が過ぎる……
そして、また一瞬……
徐々に……
顔から血の気が引いていく……
彼は、すでに決断を下していた……
...
最初の小さな石が地面に触れるよりも前に、リョウタは群衆へ告げる。
その声には、冷たさが満ちていた。
そして……同時に、残酷さも。
「何が起きても、上を見るな……」
「何が起きても、周囲を見るな……」
「何が起きても、走るのを止めるな……」
「走れ!」
「持てる力のすべてで走れ!」
「これが……お前たちの唯一の生き残る道だ!……」
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