↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
18/53

第十八章「真実の呪い……そして決断の残酷さ」

数分が経った……

亀裂の入った柱々の脇を、彼らは警戒しながら歩き続けている。

リョウタは目の端で後ろを見やる。

強張った表情。

震える身体。

激しく揺れる瞳。

彼らは皆、リョウタの命令を今か今かと待ち続けていた。

リョウタはわずかに表情を曇らせ、考える。

「時間が経つほど……」

「事態は、ますます奇妙になっている……」

「罠がない。

三本目の巨大な柱を越えてから、一本の柱すら倒れていない。」

「この静けさ……」

「異常なほどに奇妙だ。」

「不審すぎる。」

「そして……」

「もしかすると……」

「危険すぎる……」

「この静けさの目的が、ただ精神的なプレッシャーを高めることだけだなんて……到底信じられない。」

「待て……!」

「本当に、ただ精神的なプレッシャーを高めることが目的だったとしても……もっと深い理由があるとしたら?!」

「このことを、あの謎めいたパターンと結びつけるなら……」

「この不審な静けさの目的は、精神的なプレッシャーを高めること。」

「そこから注意力を削ぎ……」

「本当の危険を察知できなくすることなのではないか?!」

「これは……」

「不吉な兆候だ……」

リョウタが立ち止まる。

身体が凍りつく。

両手が震える。

額に汗が滲む。

驚愕が、その顔全体を覆う。

そして、頭の中で叫ぶ。

「いや……ありえない……」

「何かがおかしい……」

「絶対に……何かがおかしい……」

「だが……」

「また……」

「まただ……」

「これが……唯一の違いだ……」

「これが正しい道を示す、ただの道しるべにすぎないなんてありえない。

この試験の設計者は、そんなに親切じゃない。」

「これは……危険の兆候だ……」

「それも……大きな危険の兆候だ!」

「だが……」

「天地にかけて……一体、何なんだ?」

「近くの罠を示す、他の明確な兆候は何もない。」

「遠くの小さな柱々も、これまでと同じ速度で、同じように倒れている。」

「違うパターンは……何もない!」

「まさか……巨大な柱そのものが倒れることを示しているのか?!」

「ありえない!」

「小さな柱々は、あらゆる方向から倒れている。

巨大な柱を避けるための、別の方法など存在しない。」

「そうなると……残された罠は、巨大な柱そのものの倒壊だけだ。」

「そして、もしそうなら……ユルヴァナを使ったとしても、生き残る方法はない!」

「この試験は、王国全土で完全に統一されている。」

「王族の一族でさえ、この試験に参加するんだ。

その目的が殲滅であるはずがない!」

「まさか……俺が間違っているのか?!」

「まさか……この亀裂の唯一の目的は、精神的なプレッシャーを高めることで俺たちの注意を散らすことだけなのか?!」

「そして……俺はそう考えることで、すでに罠に嵌まっているのか?!」

...

柱々が近づいてくる……

...

沈黙……

柱々はすぐそこまで迫っている。

彼らの顔は、すでに恐怖で染まっていた。

イヴァンダーがリョウタへ近づき、不安げな声で囁く。

「リョウタ……」

「動かなきゃ……」

柱々が十メートルにも満たない距離で倒れ始める。

あと数秒で、彼らは押し潰される!

イヴァンダーがリョウタへ叫ぶ。

「リョウタ! 動かなきゃ!」

「死ぬぞ!」

リョウタは歯を食いしばり、考える。

「くそっ……!」

「もう……他に選択肢なんてない!」

そして突然、手を上げて群衆へ叫ぶ。

「心配するな。」

「前と同じだ。」

「俺についてこい! 早く!」

彼らが動き出した瞬間――

周囲の柱々が次々と倒れ始める!

彼らは巨大な柱へ向かって走る。

そして、あと三メートルというところまで近づいた、その瞬間……

リョウタが気づく。

風の、ほんの僅かな変化。

極めて小さな、亀裂音。

リョウタは目の端で上を見やる……

巨大な柱の高い位置から、小さな石が一つ落ちる。

まるで……時間が一瞬だけ止まったかのように。

その瞬間、リョウタの目が眼窩から飛び出しそうなほど見開かれる。

そして、彼は素早く考える。

「予想どおり……巨大な柱が倒れるはずはない。」

「だが……」

「落ちているのは……岩だ!」

「なら、あの亀裂は……」

「ずっと前から……ずっと、つまり……」

「そして、今……」

「どうする?」

「気づくのが遅すぎた。」

「戻る道はない!」

「逃げる道もない!」

「生き残る方法もない!」

「少なくとも……全員には……」

「個人の純粋な技量が必要なだけじゃない。」

「こいつらは、精神的にさえ準備ができていない!」

...

恐ろしい声が、彼の内側で囁く。

「また……馬鹿のふりをするのか?」

「お前は、もう答えを知っている……」

...

悪寒が、彼の身体を駆け抜ける。

一瞬が過ぎる……

そして、また一瞬……

徐々に……

顔から血の気が引いていく……

彼は、すでに決断を下していた……

...

最初の小さな石が地面に触れるよりも前に、リョウタは群衆へ告げる。

その声には、冷たさが満ちていた。

そして……同時に、残酷さも。

「何が起きても、上を見るな……」

「何が起きても、周囲を見るな……」

「何が起きても、走るのを止めるな……」

「走れ!」

「持てる力のすべてで走れ!」

「これが……お前たちの唯一の生き残る道だ!……」

.......................................



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。