第十三章「希望の錯覚……それは現実にはならない」
しばらくして。
彼らは第一種の罠に二度遭遇していた。
これまでに同じ種類の罠をいくつも突破してきたことで得た経験があったからこそ、新たな戦略に辛うじて対応し、生き残ることができていた。
やがて……
彼らは、最初の巨大な柱へかなり近づいていた。
そして、ひび割れた柱の脇を通り過ぎようとした、その時――
突然、また同じことが起こった。
空気の動きに、僅かな乱れ。
極めて小さな亀裂音。
いくつかの岩の欠片が落ちる、微かな音。
リョウタは即座に、それが第二種の罠だと察した。
そして、彼らに向かって叫ぶ。
「無傷の柱へ! 急げ!……」
中央の柱を指差し、そこへ向かって走る。
その言葉を言い終えるよりも早く、全員がすでに彼の後を追い、無傷の柱へ向かって走っていた。
次の瞬間――
静かに崩れ始めていた柱が倒れ、激しい衝突音が響き渡る。
リョウタは、立ち込めていた粉塵が晴れていく中、残骸へ視線を向ける。
そして――
微かに笑った。
犠牲者は、いない……
それだけで、彼には十分だった。
沈黙……
長い沈黙……
誰もが残骸を見つめる。
そして、互いの顔を見る。
未だに震えている自分たちの手を見る。
その顔には、驚愕が浮かんでいた。
誰一人として、信じられない。
やがて、少しずつ声が上がり始める。
「俺たちは……生きてる……」
「全員……生き残ったのか?」
「そもそも……こんなことが可能だったのか?」
そして突然、声が一斉に大きくなる。
「生き残った! 俺たちは生き残った!」
「指導者万歳! リョウタ卿万歳!」
ヒトシは残骸へ視線を向ける。
その瞳孔が限界まで収縮する。
そして、頭の中で呟く。
「やった……」
「本当に……やったんだ……」
「不可能を探し続けた末に、二つの罠の間で均衡を取り、全員を生き残らせるための唯一の戦略を見つけたんだ!」
「そもそも……こんなことが可能だったのか?!」
「これが……答えだったのか?!」
「この戦略は、最初からこの試験の理屈の中に存在していたのか?!」
「この試験の設計者は……そもそも、こんなものが存在することを想定していたのか?!」
「いや……違う!」
「絶対に違う!」
「この試験は、そもそも個人で生き残るために設計されている。」
「最高位の才能と、非人間的な感覚……そして、常識では測れないほどの直感を持つ怪物だけが、単独で辛うじて生き残れるように作られているんだ。」
「この試験は、最初から集団で生き残ることなど想定していない!」
「リョウタがやったことは……前例のない奇跡だ!!」
「試験のルールを破ったんじゃない。」
「試験そのものの目的を破ったんだ!」
「もし、この試験の設計者がそれを知ったなら……」
「リョウタを試験に参加させることすらせず、最初から満点を与えていただろう。」
そしてヒトシはリョウタへ視線を向ける。
しばらく、じっと彼を見つめる。
そして、さらに考える。
「彼のような天才たちが……」
「本当に……この世界に存在することまで、想定されていたのか……?」
リョウタは深く息を吸う。
そして数歩前へ進み、手を上げる。
すると、すぐに群衆は静まり返り、彼の言葉に集中する。
リョウタは断固とした口調で告げる。
「早々に喜ぶのはやめよう。」
「俺たちはもう、最初の巨大な柱のすぐ近くまで来ている……」
「このまま進もう……」
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それから少しして。
彼らはさらに先へ進み、ついに最初の巨大な柱が視界に入った。
その表面には、いくつかの僅かなひび割れが見える。
その瞬間――
リョウタの本能が反応した。
何かがおかしい。
彼は立ち止まり、周囲を注意深く見回す。
エヴァンダーが尋ねる。
「どうした?……」
リョウタは目を細め、口を開く。
「最後に第二種の罠を突破してから、俺たちはかなりの距離を進んだ。」
「少なくとも二つか三つの罠に遭遇してもおかしくないほどの距離だ。」
「それなのに……今まで何も起きていない。」
「それに、この辺りは不気味なほど静かだ……」
「亀裂音すら、ほとんど感じない。」
「ましてや、柱が倒れる音など……」
「しかも、さらに奇妙なのは……」
「それが、かなり広い範囲にわたって起きていることだ。」
「巨大な柱にあるひび割れも、これほど巨大な建造物なら自然に生じるものだと言えるほど少なくはない。」
「かといって、崩壊を予測できるほど多くもない。」
「だが……」
「一つだけ確かなことがある。」
「この構造は……どの小さな柱とも、まったく違う。」
エヴァンダーは表情を強張らせる。
しばらく黙った後、口を開く。
「それで……この場合、どうすればいい?」
リョウタは皮肉げに笑う。
「明確な危険があったことすらないのに、明確な解決策まで存在したことが、いつあった?」
「いつも通りだ。」
「俺たちの唯一の武器は、警戒心だ。」
「根拠のない不安を抱えても、意味はない。」
そう言いながらも――
リョウタは拳を、今にも血が滲み出そうなほど強く握り締めていた。
そして、頭の中で同じ言葉を繰り返す。
「そうだ……」
「根拠のない不安を抱えても、意味はない……」
ミズシは、リョウタが拳を強く握り締めていることに気づく。
そして、リョウタをじっと見つめる。
その眼差しが、さらに鋭くなる……
リョウタは背後の群衆へ向かって告げる。
「少しだけ速度を落とす。」
「どんな僅かな合図にも備えろ!」
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そして実際、彼らは少しずつ前へ進んでいく。
やがて、巨大な柱まであと数メートルというところまで近づいた。
その瞬間――
突然!
何の前触れもなく……
巨大な柱のひび割れが一気に増え、凄まじい轟音を響かせ始める!
ひび割れが広がっていく光景と、その轟音はあまりにも恐ろしく――
誰もが、巨大な柱が今にも倒れると確信してしまうほどだった。
その恐ろしい光景を前に、全員が驚愕したまま立ち尽くす。
中には、無意識に後ずさり始める者さえいた。
まるで――
一つの衝撃だけでは、まだ足りないとでもいうように。
全員が巨大な柱を驚愕の眼差しで見つめる中――
別の災厄が、密かに成長していた。
遠くにある小さな柱たちが、次々と崩れ始めていた。
しかも、それはこれまでのどのパターンにも従わず、徐々にその速度を増している!
幸い、それはまだかなり遠くで起きていた。
だが――
不幸なことに、巨大な柱から響き続ける亀裂音はあまりにも大きく、小さな柱が倒れる音を完全にかき消していた!
しかし、すでに最悪の事態に備えていたリョウタは違った。
巨大な柱のひび割れが増えていくことに衝撃を受けながらも、彼は周囲を見続けていた。
絶えず視線を走らせ、周辺の異変を探り続けていた。
そして――
遠くの小さな柱が倒れていることに気づく。
さらに、その連鎖的な崩壊が少しずつ自分たちへ近づいていることにも……
一瞬。
リョウタの目が、眼窩から飛び出しそうなほど大きく見開かれる。
そして、頭の中で呟く。
「アイヌーン……」
「こいつは……全面的な殲滅に変えたのか……」
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