第十二章「脆い糸……長くは持たない」
彼らが、ひび割れた柱の脇を歩いていると――
突然、リョウタが何かに気づいた。
空気の動きに、僅かな乱れ。
極めて小さな亀裂音。
いくつかの岩の欠片が落ちる、僅かな音。
死の危険を告げる、凄まじい警告が彼の頭脳を打ち抜く!
彼の瞳孔が、限界まで収縮する。
そして即座に――
上を見上げることもなく。
他の可能性を考えるための一瞬すら無駄にせず。
リョウタは声の限界まで叫んだ。
「離れろ!!」
……
またしても――
彼は遅れた……
二人が……
落下した岩の下敷きになった……
……
生き残った者たちは、残骸と、無惨な遺体と、飛び散った血を見つめる。
その顔には、完全な驚愕が浮かんでいた。
中には、起きたことを信じられず、自分の頭を叩いている者までいる。
そのうちの一人が残骸へ向かって走り、手でいくつもの岩をどかそうとする。
その顔は歪み、目は激しく震えていた。
そして、一人の名を叫ぶ。
「ユキオ! ユキオ!……」
彼は狂ったようにユキオの名を叫びながら、必死に岩をどかし続ける。
やがて――
ユキオの頭が現れた。
上半身は半分ほど露出している。
だが、下半身は巨大な岩に押し潰されていた……
彼はすでに、最期の息を吐こうとしていた。
友人がユキオを抱きしめる。
その目から、涙が溢れ落ちる。
そして、ひどく掠れた声で――
ユキオは最期の言葉を口にした。
「僕は……ただ、役に立ちたかった……」
激しく咳き込み、血を吐く……
「俺が戦士になれば……なれば……」
ユキオの瞳から光が失われる。
そして――
ユキオは息を引き取った……
彼は、まだ十六歳にも満たない少年だった。
その命は、そこで途絶えた……
後に残されたのは、虚ろな目と、打ち砕かれた夢だけだった……
ヒトシが彼のもとへ歩み寄り、その肩に手を置く。
そして、慰めようと声をかけた。
「レン、ユキオとの別れがどれほど辛いかは分かる。だが……」
レンが彼の言葉を遮る。
「ユキオは、試験に入りたくなかった……」
ヒトシは一瞬、驚いた。
「俺が無理に誘ったんだ。俺は一人で行きたくないって、あいつに言った。」
「あいつは、自分が生き残れないと感じていた。俺に遺言まで伝えていた……」
レンは涙を流しながら、ヒトシに向かって叫ぶ。
「何を言ったか知っているのか!」
「あいつは俺にこう言ったんだ。俺が死んだら、父さんのところへ行って、ユキオは最後の瞬間まで努力したと伝えてくれって。」
「ユキオは自分の名に恥じない生き方をして、臆病者として死んだんじゃないと伝えてくれって!」
そう叫びながら、レンは死んだ友人の遺体を抱きしめ、激しく泣き始める……
ヒトシでさえ、涙が零れ落ちないように目を拭った。
そして、しばらくレンを慰め続ける。
やがてヒトシは、レンをユキオの遺体から離れさせ、立ち上がらせることに成功した。
それからヒトシは、リョウタへ目を向ける。
そこには――
衝撃を受けたまま立ち尽くし、残骸を見つめているリョウタの姿があった。
その間、リョウタは考えていた。
「俺は……やれることをやった……」
「何分間も一度も目を瞬かせないほど、限界まで集中した……」
「数十メートル離れた場所の、ほんの僅かな亀裂音さえ、俺の耳は聞き取っていた……」
「俺の頭脳は、一瞬たりとも意識を逸らさなかった……」
「それなのに……なぜだ?!」
「なぜ俺は、いまだにこんなにも遅い?!」
「本当に、解決策はないのか?!」
「この試験についていけなくなった感覚に……また絶望的な賭けを続けなければならないのか?!」
その思考に沈んでいた時――
ヒトシが彼の肩に手を置き、呼びかけた。
「指導者様……我が主よ。ご無事ですか?」
リョウタは思考から我に返り、ヒトシを見る。
それから視線を横へ逸らし、群衆の方へ歩み出て言った。
「続けよう……」
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そして彼らが、ひび割れた柱の脇を歩いていると――
突然、凄まじい亀裂音が全員の耳を貫いた!
リョウタはすぐに手である場所を指し示し、叫ぶ。
「左だ! 急げ!」
リョウタが走り出し、残りの者たちもその後を追う。
一秒も経たないうちに、リョウタは最初の柱の残骸を指し示し、叫んだ。
「動け! 急げ!」
今度は、すべてが無事に進み、犠牲者は出なかった。
ヒトシがリョウタの次の指示を待っていると――
リョウタが立ち止まり、最初の柱の残骸を見つめていることに気づいた。
その顔には、驚愕の色が浮かんでいる……
ヒトシは一瞬、驚く。
そして考えた。
「今回は……何かがおかしいのか?」
その間、リョウタは考えていた。
「待て……」
「本当に、いつもこうだったのか?!」
「二つ目の罠は、あまりにも衝撃的だった。」
「だが……もしかすると、本当はそこまで難しくないのかもしれない。」
「実際、二つ目の罠は、柱の倒れ方という点で、この罠とは少し違う……」
「この罠では、柱が完全に倒れ込む。」
「そのため、残骸が広い範囲に広がり、中央にある無傷の柱の周辺が非常に危険になる。」
「だが、二つ目の罠では崩壊が部分的だ。」
「柱は、斜めに……ほぼ半分の角度で倒れる。」
「まるで柱が中央から折れたかのようだ。」
「そのため、残骸が広がる範囲も狭い。」
「狭いどころか……中央の柱に、ほとんど届かないほどだ!」
「そして、それは最初から明らかだった。」
「もし柱が完全に倒れ、残骸も同じように広範囲へ飛び散っていたなら……」
「四人ではなく、少なくとも十人は死んでいたはずだ……」
「そう考えると……」
「二つ目の罠を突破する方法は、中央の柱のそばを安全に歩くことだけなのかもしれない!」
「だが……」
「一つ目の罠はどうする?」
「二つ目の罠に対する明白な方法を取り、中央の柱のそばを歩いて、一つ目の罠に遭遇したら……また犠牲者が出る!」
沈黙……
「迷っている時間はない……」
「俺は、すでに有効な戦略を知っている。」
「たとえ、それが再び俺の感覚の鋭さにすべてを賭けることを意味するとしても……」
「この段階では、他に選択肢がない。」
「少なくとも、この戦略なら……」
「本当に、犠牲者が出るのを避けられるかもしれない。」
そしてリョウタは群衆へ視線を向け、断固とした口調で告げる。
「少しだけ、進む方向を変える……」
「俺についてこい。そして、俺が出すどんな僅かな合図にも、しっかりと集中しろ……」
「いや――」
「俺が話し終えるより先に、反応しろ!」
リョウタは、ひび割れた柱と中央の柱の間を通る道を選んだ。
そして、全員がその後を追う。
リョウタは心の中で呟く。
「二つの罠の両方に対応するためには……その中間でバランスを取るしかない。」
「そして、俺の反応速度と……」
「奴らが俺の命令に応じる速さ。」
「その両方に、すべてを賭けるしかない。」
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