伍『困惑』
その日、なんか雰囲気は違うのはわかった。でもどちらかというと、覚醒というよりはぼんやりとした感じ。今までの態度とどこか違う。なんかずっと見られてるような感覚。彼女は自分への態度が冷たいところはあったが、修行の時に気を抜くようなことはなかった。それが唐突に…。
ふと昨日の空さんの言葉を思い出した。
___「…意外と、嫌われてはいない…かも?」
何故あんなふうに思ったのかは知らないが、なんとなく空さんの意味深な笑みを思い出すと、なんか調子が狂った。
「…姫、大丈夫?」
「ひゃわっ…あ…だいじょぶ…です…」
覗きこむと赤面してうつむく姫。おかしい。いつもとは違う。違和感。いつもどおり続けるが、やっぱりどこか集中できていない気がする。まあそれは自分もなのだけど。
「……………です」
と、微かに小さく何かが聞こえた。振り向くと、姫が柔らかい微笑みを浮かべながら立っている。心なしか頬も赤い。
「……赤目さん、好きです。」
…今、彼女はなんと言った?自分が、好き?…どういう意味で?Like?………Love?頭の中ではなにか不思議な議論が始まっていた。
野生天『これは告白と呼ばれるものではないだろうか』
冷静天『いや、冷静に考えてみろ。今まで一度足りともそんな様子なかっただろ?』
理性天『ただのいたずらだろう、そうたじろぐで…あああ!?』
その瞬間俺は、彼女に優しく抱きしめられていた。とくん、とくん。そんな鼓動が聞こえてくるような。ふんわりといい香りもしてくる。もう頭はついていかず、どうすればいいのかもわからない。…告白…なのか…?空さんの言葉が蘇る。…もしかして、これって…。
「………姫」
彼女は何も言わない。ただ、腕で俺を包み込むだけだ。
「…………姫?」
首筋に何かが触れる感触。彼女のまとう空気が急に変わるような。混乱していた頭がさらにわからなくなり、処理うち仕掛けている。
「………赤目さん、終わりです」
首筋に当てられた何かが引かれる。彼女の悪戯っぽい微笑みを愕然と見つめた。
……俺は、殺されていた。
短くしかかけませんでした∈(´﹏﹏﹏`)∋




