002
シリエルのルーム内の客室で優斗は夢にうなされていた。
体もあちらこちらが痛い。ベッドの上でじたばたしている。
優斗の世話をしているエンジュは優しく微笑みながら優斗の汗を拭いていく。
優斗はいつの間にかパンツ一丁になっていた。
エンジュが体をふくためにパンツ以外をすべてぬがしたのだ。
そうして、今日は約束の7日目になった。
優斗は苦しがる様子を見せず。ぐっすりと寝ている。
そして、優斗からはすごく圧力のある魔力が放たれていた。
普通の人がこの魔力に当てられたら失神していたことだろう。
エンジュは精霊なので魔力には耐性がある。
エンジュが優斗の額の汗をぬぐおうとしたときエンジュの腕を優斗がつかんだ。
ものすごい早業だった。
「俺は優斗だ。君は?」
優斗はシリエルのルーム内に敵がいるとは思えなかったので取り合えず名前を尋ねることにした。
「私はシリエル様のルームを管理しているシルキーの精霊です。名前はエンジュといいます。よろしくお願いします」
優斗はエンジュがタオルを持って額に当てていたことからエンジュが寝ている間の世話をしていたのだろうと推測した。あのシリエルが優斗の世話をするとは考えにくい。
「俺の世話をしていてくれたのですね。ありがとうございます」
「気にすることはございません。人の世話をすることがシルキーたる私の喜びなのです。存在意義でもあります」
そこまで言われると優斗も返す言葉を失った。
「シリエルはいますか?」
「リビングにいますよ。呼んできますか?」
エンジュがそう切り返したときに優斗は肌寒さを感じた。
ルーム内は気温が24度に設定されている。薄着でも少し寒いくらいだ。
優斗はここで自分が裸だと気づいた。そこで慌ててシーツで体を隠す。
「エンジュさん。俺の服をください」
「わかりました。精霊相手に恥ずかしがることはありませんよ」
エンジュの言葉が優斗に突き刺さる。確かにこの世に存在するとは疑わしい政令に裸を見られたところで問題にはならない。でも、素人童貞の優斗にはものすごい羞恥心があった。
ニコニコ笑いながら部屋を出ていくエンジュを目で追う優斗。
エンジュがくるまでに自分が身に着けたスキルに意識を集中する。
まずは駄々洩れな魔力を制御する。するとさっきまでの魔力の圧力が霧散した。
優斗は魔力制御が思い通りに働いたことに自信を持った。
「ファイアー」
そう言うと優斗の指先に灯がともる。火を操る属性を持っていることを意味する。
「ウォーター」
今度は水の球が浮いていた。水に関する属性を持ったことを意味する。
「ウインド」
優斗の前で風がほとばしる。風の属性を持ったことを意味する。
「アース」
優斗が唱えると土の塊が浮かんでいた。土の属性を持ったことを意味する。
「ライト」
光の球が浮かぶ。光の属性を持ったことを意味する。光魔法はけがを治すことができる。
「ダーク」
部屋が暗くなる。闇の属性を持ったことを意味する。闇魔法は精神も操る。
「サンクチュアリ」
優斗の周りを光の壁が覆う。聖属性の魔法を持ったことを意味する。聖属性は瘴気の浄化が出来る。けがや病気まで治す力がある。
優斗は「転移」の魔法を使用した。ベッドから入口まで転移できた。時空魔法を取得していることを意味している。空間と時も操れる。
得られた魔法はほかにもある。今は属性魔法だけを確認したかった。はじめてにしてはうまく使えただろう。
そのためのスキルはもらった。
次に優斗は闘気を練る。体から力がみなぎる。シリエルのルームを時空ごと切り裂くことすらできそうだ。
闘気の反応にシリエルが慌てて優斗の部屋に入ってきた。
「脅かすのも体外にするナリ。魔力には耐性があっても闘気はべつものナリヨ」
あまりに驚いた顔をしているので優斗は微笑ましく思った。
「ごめん、ごめん。せっかくもらった力だからうまく使えるか試したかったんだよ」
「それでも加減てものがあるナリヨ。今の優斗はルームを破壊するだけの力を込めたナリ。反省するナリヨ」
「分かっているから。それ以上は勘弁してくれ」
「これぐらいで許すナリ。スキルの感覚はつかめたナリか?」
優斗は満面の笑顔で答える。
「ばっちりさ」
「ならステータスを見たいナリ。その前に優斗は風呂に入るべきナリ」
「そんなに匂うか?」
「匂うナリヨ。7日間風呂に入っていないナリ。すぐに行くべしナリヨ」
優斗は恥ずかしそうな顔をして
「わかったよ。風呂場はどこだ?」
「ついてくるナリ。ここナリ」
風呂場は優斗の部屋の正面だった。優斗は小便をもようす、
「トイレの場所も教えてくれ。急いでー」
「漏らすな。ナリ。すぐ隣が便所ナリ。急ぐナリ」
シリエルは不満げな表情で優斗を見る。優斗は気恥ずかしそうにトイレに駆け込む。
「はー。すっきりした。トイレのつくりは日本と一緒だな。オシュ〇ットまであるしトイレットペッパーもある。そこらへんは全異世界基準なのかもしれないな」
優斗は用を済ませた後風呂に入る。そこも日本のふろと変わらなかった。
リンスにコンディショナーまであった。ジャグジーもある、至れり尽くせりだ。
「シリエル風呂に入ったぞ。ステータスの確認をしよう」
「そうあわてるなナリ。ソファーに座るナリ」
優斗がソファーに腰を下ろすとシリエルは優斗のそばにくっついて座った。
シリエルに悪気はないが、素人童貞の優斗には刺激が強かった。胸が当たっている。
「そんなにくっつくな」
「ははーんナリ。この素人童貞が。私の体にメロメロナリね」
「そんなんじゃない。その・・・。胸が当たってるんだよ」
「減るもんじゃないし。いいナリ」
「本当にいいんだな」
「しつこいナリ。早くステータスを確認するナリ」
「おお・・・。分かった」
「ステータスオープンというナリ」
優斗は意を決して「ステータスオープン」と唱えた。
すると半透明な板が出てきた。
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ステータス
名 前 南雲優斗
種 族 ハイヒューマン
性 別 男
年 齢 5
H P 657,700
M P 999,999
スキル 全て覇王と魔道王と商王に集約
魔法スキル 全て魔道王に集約
種族スキル 武の才 魔道の才 極・ステータス改竄 極・鑑定 状態異常無効 種族転化
ユニークスキル 覇王 魔道王 商王
称号 異世界転生者 諸王の王
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ステータスを見てシリエルの目が丸くなってそのあと驚愕した。
「すごいナリ。種族がハイヒューマン。新しい種族ナリヨ。ステータスもバグっているナリ。MPがマックスになっているナリ。この世界で無敵ナリ」
ゆうとも自分のステータスの高さに唖然としていた。
「この世界では強いという評価は魔力量をみて判断するナリ。普通に強いものでも15万程度で魔のすごく強いやつでも25万程度ナリ。優斗は圧倒的ナリ」
「そ・そうなんですねー。へえーーーー」
優斗はどこか自分の話ではないと感じていた。ここまで強くなっているとは思わなかった」
「スキルの覇王はかつて大陸を統一した王が持っていたスキルナリヨ。すべての武術の頂点ナリ」
「そんな立派なスキルをもらえて光栄です」
優斗は自分の立場がやばいんじゃないかと震えてきた。
「魔道王もほかの大陸で国をいくつも滅ぼしたことがある魔女の持っていたスキルナリ」
優斗は声も出ない。
「そんなすごいスキルを一人だけもらえるなんていいのでしょうか?」
驚きのあまり警護になっていた。
「いいんじゃない。これだけのスキルとステータスがあればこの世界でどこでも生きていけるナリ。この世界は地球と違って弱肉強食の世界。弱いものが強いものに媚びを売る世界なり。強ければそれらを捻じ曲げることができるナリ。優斗はこれらの力を悪用しないでしょ」
「悪用なんかしないよ。力は正義のために使うよ」
「なら問題ないじゃないナリ。そう畏まることはないナリヨ。優斗が生きたいように生きなさい。それが神様の贖罪なのだから」
優斗はシリエルの言葉を聞いて安心した。力を隠して辺境で生きる決意をする。
「シリエル。ありがとう。俺は俺らしく生きるよ」
「そうすればいいナリ。優斗。おなかすいているでしょ。何か食べようか」
「悪い。確かにおなかが減っている」
7日間も寝ていたのだ。おなかが減って当たり前だ。
シリエルはエンジュを呼んだ。
「エンジュの知っている日本料理を作って頂戴。材料は私が召喚するから言って」
シリエルは素材召喚が仕える。優斗も使える。
「わかりました。和食の準備に取り掛かります」
読んでくれてありがとうございます。




