表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
23/249

女子力? なにそれ美味しいの?

魔法設定その2(一般魔法編)


 ――すると、受付の横に「料金表」があるのが目に入った。

 「魔導学院認定魔導士養成コース」とか「一般魔法教習」とか「魔導士魔法教習」とか、いろいろある……ビュスナのはこの「魔導士魔法教習」ってやつか。なになに、魔法一点につき二万ゴネルから……たっけーな! 田舎の一家四人で一ヶ月の生活費がだいたいそんなもんだってのに……魔法って高級品だな。

 まあこないだの金があれば、もっと高級なのでもいけるだろうけどな。

 そうか、俺もせめて役に立ちそうな一般魔法でも……ちょっと聞いてみるか。一般魔法なら一点千ゴネルぐらいだし。


「すんませんー」

「はい、いらっしゃいませー」


 受付のお姉ちゃん――「ネコミミ」や! 二割ぐらいのケモノ率! ケモノベストミックス! ヒャッホウ! ネコミミモフりてえ!――が笑顔で応対。

 俺は内心の「ネコミミ触りてえー」を抑えつつ。


「あのー、一般魔法教習っての受けたいんですが」

「はい、一般魔法教習ですねー。受講したい魔法はございますか」

「えーと、今持ってるの以外で何か役立ちそうなのがあるかと思いまして……」

「はい、ではこちらに受講可能な魔法一覧がありますので、こちらからお選びください。名前の横に効果、受講費用があります」


 お姉ちゃんが「一般魔法一覧」という「冊子」を持ってきた……えっらい沢山あるな! ページあたり十個×二十ページほどもあるわ……なに、今もうこんなんあるんか。


「あちらでお選びになって、こちらに受講希望魔法を書いて頂いて、決まりましたらこちらにお持ちください」


 俺は冊子と受講申し込み用紙を持って、受付向かいの仕切りのあるスペースに移り、冊子をぺらぺらとめくる……俺が持ってるのは三つ、〈灯火〉〈点火〉〈洗浄〉だ。親父も持ってる、野外活動で有効な魔法。他にも候補はあったけど、優先度としてこれをとった。

 あのとき親父が「これがあると便利なんだけどな……」って言ってたのは、〈強刃〉(刃の一時的魔力コーティング、強化と脂付着防止)、〈暗視〉(暗闇での一時的視力、赤外線視力?)、〈弾足〉(足の裏の魔力コート、荒地走破対策)、〈靭体〉(一時間程度、力を二割ほど上げる)、〈防刃〉(手先の防刃バリア、訓練用や料理のケガ防止など)……最後のはうちの妹用か?

 うーん、一般魔法じゃこの程度っちゃこの程度だわな……誰でも使えるっていうのは威力や効果とバーターだからな。

 やっぱりベーシック・コンバータだけは必須か……でもあれ、下手すると習得に半年とか一年ぐらいかかるっていうしな……今更専門学校通いもなあ……いやそれで前世は失敗したっけなあ……うーん、うーん、うーんこのー魔法ー。


「……なにやってんのよあんた」


 そんな風に唸ってたら、声をかけられた――おおう、ツン子さん。用は終わったかね?


「お、おう……講習は終わったのか」

「今日はね。んで? あんたも魔法習いに来たわけ?」

「まーな。レベル魔法じゃなくて一般だけど」

「ふーん……だったら」


 と、ビュスナは俺の見ているリストをぺらぺらめくり。


「これとりなさい」


 これ?ってなんぞや――〈加熱〉:フライパン加熱魔法?


「なんでや」

「料理のときに便利だからよ」


 ……まあそうだな。いちいち火熾さなくていいし。


「あとこれ、フライパン以外にも効果あるのよ。剣士の中には、これでヒート・ブレードにして戦う奴もいるわね。ただしグリップは木製とか、熱伝導抑えるのにしとかないと火傷するのが欠点だけど」


 ほほう、さすが魔導士だな。ヒートブレード……なんかカッコええ。字面は「灼熱剣」がいいか、「焦灼剣」がいいか……悩む。

 俺のも刃だけセラミックのやつだが……強化木ってどれくらい熱に耐えられるんだろ。


「あんたも報酬入ったんだから、金属の剣にしたら? それで《加熱》かければ即効果出るわよ」

「なるほどな……いや待て、金属剣ってメチャ高いだろ……」


 この世界は、金属が異常に希少で高い。鉄製品なんか、持っていればお大尽な世界だ。

 だから広く流通してる剣は、魔法で強化されたセラミックか強化木製だ。オールセラミックの方が強化木より五割り増しぐらい高いが、強化木でもお高いやつは十分に「斬れ」る。

 調理用具も、大抵は「土鍋」――言ってしまえば「セラミック製」が一般的。なので火の通りが遅いのが問題だ。フライパンみたいな平鍋もあるが、これもやっぱり強化セラミック製だ。薄いやつほど軽くて強化度合いが強くて、その分お高い。

 それをすぐ加熱できるのが、〈加熱〉のいいところだ。赤熱するほどじゃないが、湯がすぐ沸かせる程度には熱されるので、日日の野外調理が確実に楽になる。

 ……とはいってもそれ、ますます「俺に料理やれ」って言ってるのと同義じゃないですか?


 前回の遠征で判ったことだが……うちの女子は女子力低い。特に料理関係がダメダメ。

 ビュスナはもう知ってる――お袋さんは酒場のオーナーとかやってる関係で料理なんかチョイチョイで完成するが、家の料理は親父様がほとんどやってるらしい。冒険者時代もやってたらしいし。

 なのに、このツン子さんはなんで「黒い塊」しか調理できんとですか……ご両親が泣いていたぞ! 魔法の火加減は絶妙なのに!ってこいつの火加減は「全力突破」だからなあ……。

 ナオは味付けがなんか壊滅的にダメ。あいつは味覚が壊れとる……なんでもかんでも刺激ありゃいいからってトウガラシ入れようとするな! あれは塩の代わりにはならん! いいか、トウガラシの辛味ってのは「痛覚刺激」であって「塩味」じゃねーんだよ!

 シェラは……根本的に「料理」ってものが解ってない。「肉? 塩振って焼いたら食べられるよ? 焦げたらそこは食べなきゃいいし」とか……原始人か! リアルマンガ肉しか知らん時代の人間か! それと野菜も食えよ! 薬に使ってる薬草は野菜じゃねえから!

 なので、多少なりとまともな食い物を食おうとしたら、俺がやらざるをえない……おかしい。どうしてこうなった……って理由は判ってるんだが。

 うちの女どもは皆、「食えればなんでもいい」人種なんで……動物と同じじやそんなんは! 人間だったら少しでも旨いもん食おうと努力しろ! 栄養も考えて! それが「文明」ってもんじゃないですか!

 ……はい、そんなこと主張するから料理番にさせられるんですねわかっていますとも。


 というわけで、ツン子さん指定の〈加熱〉の他、〈暗視〉、〈強刃〉を習得してきまーす。


この世界の女子力は筋力とか魔力です(´・ω・`)<テレレレッテッテッテー♪


『一般魔法:〈加熱〉〈暗視〉〈強刃〉を覚えた!』


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ