第139話 喧嘩ップル鍛冶師
ヤナギシナ武具店
世の中には、喧嘩ップルって言葉があるんだけど、僕にはちょっと理解に苦しむんだよね。
なんで喧嘩ばっかりしてんのに、一緒に行動してんの?
ってさ。
一緒にいて疲れたりしない?
イライラしないの?
なんでこんな話をしたのかっていうと、目の前にいるからだよ。
その喧嘩ップルってやつが。
今、プレイヤーがやってるお店の中にいるんだけどね、これがやかましいのなんの。
「だから新作は金剛石を使った方がいいっつったろ!」
「そういってこの間失敗したじゃない。絶対火吹石の方がいいわよ」
はぁー。
ねぇ、君たち。目の前にお客さんきてますけど?
店のカウンターに出てるのに喧嘩しないでくれる?
「いーや金剛石! 俺のイマジネーションがこれだ! って訴えかけてんだよ!」
「は? バカ? あんたはいつもそう。曖昧な勘にしたがって変な事ばっかりやって。だいたいなんで予定にない材料入れるのよ。そのせいで失敗作を処理する無駄な時間が増えてるの考えなさいよね。この馬鹿、大馬鹿」
「あ? 馬鹿って言ったな! 馬鹿って言った方が馬鹿なんだぞばーか」
小学生の喧嘩かよ。
あのー、そろそろ気づいてくれない?
こっちだって暇じゃないんだけど。
ヤナギシナ武具店
プレイヤーが営んでるこの店は、見ての通りの様子。
一組のカップルが経営してるんだけど、顔を出すたびにいっつも喧嘩してるんだよなあ。
まあ、あまりにも客をほったらかすことが多いから、こんな僕でも気楽に商品見てられるんだけど。




