たつのおとしご
からすは。
えさを見つけた。
水たまりに。
たつのおとしごが、
からだを半分沈めて、
ぼんやりしている。
後ろから。
歩いて近寄った。
くちばしを。
大きく開けたとき。
たつのおとしごは、
振り向いて。
甲高い声で、叫んだ。
おれは!
りゅうだ!
からすは、笑った。
笑いすぎて、
食べられない。
おまえが。
竜?
そうだ!
じいちゃんは、
りゅうになって!
てんごくにいった!
なんだ。
死んだらか。
生きてるうちは、
そのままか。
そうだ!
もんく、あるか!
真剣に叫んだ。
だけど。
お前は。
どうして、
ここに居るんだ?
たつまきに。
つれてこられた。
つまり。
迷子か。
たつのおとしごは、
体を震わせて。
目を潤ませた。
なら。
海まで乗せる。
ほら。
からすは、
頭を下げた。
ほんとに?
ほんとだ。
なんで?
なんでもだ。
たつのおとしごは頷いて。
からすの頭をよじ登り。
首の後ろに、つかまった。
じゃ。
行くぞ!
おねがいします!
たつのおとしごは、
目をきらきらさせて。
叫んだ。
飛び立つと。
たつのおとしごは、
はしゃいで。
もそもそ動く。
からすは笑いながら。
海を目指して飛んだ。
空を行けば、
そう遠くない。
もうすぐ。
潮の香りに届くはず。
のちに。
こたつちゃんと、
さんたになりました。
2024.11.10
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