大きな木
嵐は、すぐそこまで、来ています。
空は真っ暗で冷たい風が吹きつけます。
大きな木に、いろんな種類の鳥たちが、
急いで飛び込みます。
すぐに大粒の雨がばたばたと、
落ちて来ました。
嵐はひどく吹き荒れます。
大きな木の外側の枝を次々にもぎとり、
飛ばしてしまいます。
鳥たちは幹にぴったりとくっついて、
お互いのからだを寄せ合います。
ちゃんと、わかっているのです。
とにかく今は、じっとして。
この大きな木とともに、
嵐が去るのを待つしかないと。
大きな鳥は小さな鳥が落ちないように、
両側から挟み込んで支えます。
大きな木は外側の枝など気にもしません。
根っこにしっかりと力を入れて、
倒れないように踏ん張ります。
支えの幹が折れないよう、
バランスをうまく取ります。
いつしか、風が弱まって。
雨粒も小さくなりました。
見あげると、分厚い雲が割れて。
お日様が、顔を出しました。
大きな木は倒れることなく、
たくさんの鳥たちを守り抜いたのです。
優しい光が明るく照らして、
枝のもげたところを温めました。
きみの踏ん張りに。
ささやかな、ご褒美を。
お日様は言いました。
鳥たちは大きな木のために、
いろんな声を合わせて歌います。
大きな木はとても喜んで、
残った枝葉を揺らしました。
2024.6.16
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