『今日』から始める人間観察記。 中編
前編の続きです。(一部、修正箇所があったため直しておきました。)
ライムは、グレーが高校2年生になって初めて一緒になったクラスの子だ。
彼女との交流は、グレーが屋上で現代文の朗読をしている時に彼女の方からやってきて
「ねえねえ、さっきの朗読声がすごく良かった!もっと聞かせてよっ!」…と急に詰め寄ってきたところから始まった。
それ以来、グレーが屋上に来ると彼女は自分から彼に話をして来たり、最近になっては教室にいる時にまで話しかけてくるようになった。
グレーは彼女が話しかけることに対して、初めは、「なんなんだこいつ。」と思いながら、わざわざ話を聞いていたが、彼女の話す話題は他のクラスメイトが話す話題よりも興味深いもので、気づいたらいつの間にか彼女の話を聞くことが楽しくなっていた。
誰よりも、面白くておかしいやつ。
そんなライムにグレーは少し思いを寄せていた。
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その日の放課後、学校の屋上にて。
ライムはグレーと一緒に夕焼けを眺めていた。
「…夕焼けって、赤くて綺麗だよな…」
グレーはおもむろにつぶやく。
「そうだね。太陽の光で空の色が変わる、実に魅力的だよ。」
ライムは目をかがやせて言う。
グレーはその様子に少し引きながら、空を見つめた。
そして、数分後、グレーは口を開いた。
「なあ…ライム。」
「?、どうしたの、グレー。」
「お前、今みんなの観察してるだろ…?」
「?…そうだけど。」
「俺…お前の観察してもいい?」
グレーは言った。
「⁉︎」
ライムは少し驚いた。
「わたしの観察?でも、どうして…?」
ライムは少し間を置いてそう言った。
「じ、自分の観察は、自分じゃできないだろ…あとは…」
グレーは続けて言った
「お前に、興味があるから…」
・・・・・・・・・・・・・・(続く)
後編:5月2日0時0分公開




