『今日』から始める人間観察記。 後編。
注意:この作品は、「『今日』から始める人間観察記。前編」・
「『今日』から始める人間観察記。中編」の続きです。
「後編」を読む際には以上の作品を読み終えてから読むことを推奨します。
グレーの顔は真っ赤だ。
(「…だああああっ!いきなりなんて事言ってしまったんだあああ!これ絶対変に思われるやつうぅぅ…」)
心の中で、グレーは叫んでいた。
ライムは少し呆然として、そして顔を少し埋めた。
グレーは(「やべ…本当に変に思われてしまったかも…」)と感じた。
しかし、数秒後。
「ふふっ、」
「……?」
「あははっ!」
「…!?」
突然、ライムが笑い出した。
「あ〜面白っ…、そういうことか〜。確かに、私の観察は私自身じゃできないもんねぇ〜。しかも、理由の一つに私に興味があるからかぁ〜。」
グレーは少し戸惑った。
「わ、悪かった!突然こんなお願いを言ってしまって…本当は他の親しい人に観察してほしいよな!?」
「…いや、いいんだよ。私に興味を持ってくれただけで、嬉しいよ。」
ライムは笑い過ぎて出てきた涙を手で払ってそう言った。
グレーの心は未だ変わらず、ライムに対しての心配と申し訳なさで混乱していた。
そんなグレーにライムは「ある物」を手渡した。
「…?これは『B5ノート』…?どうして、俺に…?」
「どうしてって、君がやりたいんでしょっ、『私の観察』。」
「⁉︎」
「君が私のことをまとめると、どうなるのか少し興味が湧いてね。実験してみることにしたの!」
ライムは満面の笑顔で言う。
「…」
グレーは少し心が熱くなった。
「さあ、明日からよろしくね、グレー君。私のことちゃんとまとめてよっ!」
ライムは言う。
「…うん。」
グレーは彼女を見てそう言った。
「…あ、一応だけど、今日のグレーくんのこと、観察記の中に書いておくからね〜。『グレー君は私に興味があって、私と同じように人間観察をしたいって言ってきた』と。よーし、また一つ人間観察の項目が増えたぞ〜っ! 」
(「!…しまった…」)
グレーは心の中でそう感じた。
でもまあ、それでもいいか。
グレーはシャーペンでノートに書く。
『ライムはちょっとよくわからない人だが、話す内容はいつも奥が深い。あと…
彼女はいつも明るくて、話を聞いていると元気になれる』
屋上の広場で夕焼けの橙色に笑顔で「人間観察記」をかざすライムを、
グレーもまた笑顔で見ていた。
二人の人間観察記はまだ始まったばかりだ。
・・・・(終わり)




