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新たなる旅の始まりっぽい日
新たなる旅の始まりっぽい日。
やあ、私はドクキノコダだ。
只今、胞子となって飛びながら私の死体を見ている。
ボロボロで、干からびた私の死体。
許せない。
しかも、私は胞子。
自由自在とまではいかないけれど、空を飛べる。
移動できる。
これは大きな進歩だ。
そして、死ぬ間際の私が残した呪詛のこもった強烈な毒。
足があって、武器がある。
フワファッファ
待っていろ、人間。
茸の怨みを受けとるのだ。
***
あーあー、ごほん。
今私は冒険者ギルドらしき場所にいる。
そこまではうまくいったのだ。
しかし、冒険者ギルドは凄かった。
剣を振った時にできた風に巻き込まれ。
風魔法と思われるものによる突風に巻き込まれ。
吹っ飛ぶビールに巻き込まれ。
怒鳴り声にも巻き込まれ。
火魔法と思われるものによる炎で胞子が半分消し飛ばされ。
散々だった。
しかも、あいつらは隣町に出発したみたいでいなかったのだッ
なんて奴等だ。
新たなる旅の始まりっぽい日だった。




