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魔法少女ミヤビを探しています  作者: 雨宮 叶月


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17/18

覚醒

「お兄ちゃん」


 その声で大雅ははっとする。息を吸い、妹も、自分も無事であることに安心した。


 大雅は体に違和感を感じ、顔を上げた。


 今までは、この状況を見ているというような感じであった。しかし、今はここに存在しているという感覚。

 車はない。ただ、そこに大きな硝子の破片が落ちていた。大雅はそれに近付く。違和感には気付いていた。



 大雅は綺麗な黒いスーツを着ていた。髪は変わらない。しかし、ステッキを持っていた。


 これでは、まるで、


「……魔法少女みたいじゃないか」


 大雅がそう呟くと同時に、目の前にウインドウが現れる。


『名前:朝倉大雅  役割:魔法少年———

 能力:■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■


 怪人:今はいない

 変身時の言葉:縺セ縺サ縺?§繧?◆縺吶¢繧上◆縺励≠縺ゅ♀繧鯉ス舌≧縺?ス弱○縺?℃縺ゅ≠?舌≧縺?>??↑縺?∞縺翫>?』


「なんだよ、これ……」


 大雅は戸惑いを隠せなかった。自分は魔法少女、いや魔法少年になってしまったのか?魔法少女は、男がなれるものではなかったのではないか?


「お兄ちゃん」


 妹に袖を引っ張られる。


「ごめんなさい、わたしが道路に飛び出しちゃったから、お兄ちゃんが」

「———のせいじゃない」


 大雅は妹に向かって微笑む。


「お兄ちゃんは、———を守ることができて嬉しいよ。でも、これからは本当に気を付けてね」

「うん……」


 大雅は頷き、ウインドウを再度見た。色々と実感がない。

 大雅は黒い■をタップした。すると、塗りつぶされていた文字が跳ね、蘇る。


『能力(※変えられません):

 全属性魔法 レベル3(成長なし)

 過去に戻る(シミュレーション空間付)』


 大雅は目の前のものが信じられなかった。魔法少女は、強いのではなかったか?


 とりあえず、大雅は変身時の言葉を唱える。大雅はもとの姿に戻った。



 ◆◆☆◆◆


 大雅は妹を家に送り届けると、一人で魔法省本部へと向かった。


「ご用件は」


 受付の女性が、大雅に冷淡に声をかけた。


「魔法少女についてなんですけど……」


「はい?ファンの方ですか?」


「いや、あの……俺、魔法少女、というか魔法少年になってしまったみたいで」


 受付の女性がさらに怪訝そうに大雅を見た。何を言っているのだ、と心の声が聞こえてきそうである。


「……何を言っているのか分かりかねます。またご連絡いたしますので、こちらに電話番号と住所、名前をご記入ください」


 違う、と大雅は叫びたくなった。違う、俺は不審者じゃない!


『魔法少女は正義である』


 あの夜の、ルカの言葉が頭に浮かんだ。正義。正義か。

 ならば、自分も正義に当てはまるのではないか?



「縺セ縺サ縺?§繧?◆縺吶¢繧上◆縺励≠縺ゅ♀繧鯉ス舌≧縺?ス弱○縺?℃縺ゅ≠?舌≧縺?>??↑縺?∞縺翫>?」


 大雅は下を向き、ぼそっとそう言った。


 ふわりと体が浮き、弱々しい光が放たれる。


 変身したのを確認すると、大雅は顔を上げた。


「あの、これで信じてもらえますか」


 受付の女性も、すぐそばを通った男性も、奥のオフィスにいる人たちも、みんな驚いたようにフリーズしている。大雅はいたたまれない気持ちになった。



「こっ、こちらにどうぞ」


 受付の女性が慌てて飛び出してきた。その後ろを、大雅はついていく。


 やがて、茶色いドアの前で立ち止まった。


「失礼いたします。魔法少女候補の方を連れてきました」


 女性がドアを開け、大雅は促されるまま中に入る。


 一人の男性と目が合った。


 ドアが閉められ、大雅はその男性としばし見つめ合っていた。


「……君の名前は」


「朝倉大雅です」


 この部屋よりさらに奥で、キーボードをたたく音がした。


 男性はため息をつく。


「この場所以外で、君が変身するところを見た者は」

「い、いません」

「能力は」

「成長しない全属性魔法レベル3と、少しだけ先の未来が分かる、です」


 妹のことは隠す。さらに、この男性の目つきが怖くて能力を少しだけ偽った。


 男性が再度、ため息をつく。


「いらないな」


「……どういう意味ですか」


「この世界で怪人を倒すのは、魔法少女だけでいい。男なんていらないんだよ」


 大雅は頭を殴られたような気持になった。いらない?ここでも自分は、いらないのか。


 男性が再度口を開く。しかし、男性が声を出す前に、さらに奥の部屋から眼鏡を付けた女性が飛び込んできた。


 男性の耳にぼそりと何か呟く。男性の目の色が変わったのを大雅は感じ取った。


 女性が退出すると、男性は沈黙した。


「……あの」

「前言撤回だ。君はこの世界に必要だ」


 男性は深く頷く。


「先ほどの非礼を詫びる。ついてきてください」


 最後が敬語なのを、大雅は不審に思った。











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