学院編:第四十三話:教授の招待
ケトロニは体を回転させ、尾と耳を両方とも軽く揺らしながら、いくぶん困惑した目で、笑いながら口を開いた。
「この生徒、何か質問があるのかね?」
レオンはケトロニに向かって軽く笑いかけ、口調は穏やかで真切だった。
「教授、媒体型魔法陣について、いくつかご教授いただけないでしょうか?」
「媒体型魔法陣に興味があるのか?」
ケトロニは微かに閉じていた両目を少し見開き、尾も揺れるのを止め、レオンに数歩近づく、その口調には明らかな意外さが含まれていた。
何しろ、現代のまともな学者や新入生で、この古くて煩雑な魔法術式に触れようとする者は、ほとんどいないからだ。
レオンは微かにうなずき、その目は坦蕩として真摯だ、彼は横を向いて、静かに佇むジャスミンを軽く一瞥し、声は落ち着いているが、尊敬に満ちていた。
「はい、私は最近、媒体型魔法陣を研究しています、媒体型術式は日に日に衰退し、主流の携帯型魔法陣に取って代わられてはいますが。」
「しかし、瞬間威力、魔力上限、作用範囲だけで言えば、現在流行の携帯型魔法陣が比較できるものではありません。」
傍らのジャスミンはいくぶん困惑していた、彼女はほとんど魔法陣を学んだことがなく、静かにレオンの斜め後ろに立ち、黙って二人の対話を聞きながら、心の奥底でひっそりと少しの好奇心を芽生えさせた。
「君の言う通りだ。」
ケトロニは同意するようにうなずく、眼底の評価は次第に賞賛へと変わっていく、その口調は率直だ。
「携帯型魔法陣の最大の利点は、消耗品が不要で、詠唱のリズムが速く、冒険の実戦や緊急時など、あらゆる軽量化シーンに適合することだ、これこそが、それが急速に普及し、旧体系を完全に取って代わった根本的な理由だ。」
彼女は一呼吸置き、尾が再びゆっくりと揺れ始める、その口調には一抹の惜しむ気持ちが含まれている。
「しかし、その弱点も致命的だ、固定された術式の枠組み、硬直した経路、上限の固定化、拡張の余地は全くない、一方、媒体型魔法陣は専用の素材をエネルギーアンカーとして依存している。」
「しかし、複雑な素材や時間のかかる作業、許容誤差の低さなど、どれを取っても難易度は高い、だが、一旦完成すれば、攻撃の範囲、威力、そして可塑性は、携帯型魔法陣が永遠に到達できない領域だ。」
「その通りです、まさにその通りです。」
レオンは認めるように軽くうなずく、彼の言葉の一つ一つが核心的な痛点を突いていた。
「携帯型は標準化されたものです、安定していて、手間がかからず、敷居もゼロです。」
レオンの視線は、風に吹かれて揺れるカーテンを一瞥し、教室の中で軽く揺れているのを見てから、続けて言った。
「媒体型はカスタマイズされた力の構造です、毎回の設置は、素材、環境、戦況に応じて再調整する必要があります、その衰退の原因は、決して術式が時代遅れになったからではなく、時代の効率と利便性に負けたからです。」
この透徹した認識は、もはや普通の新入生の理解範囲を超えていた、ケトロニは目の前の少年の落ち着いた様子を見て、その目はますます柔和になる。
長年教鞭を執ってきたが、魔法陣の根底にある論理について、これほどまでに意気投合し、透徹して語り合える生徒に出会ったことはほとんどなかった。
ジャスミンはその場に立ち、肩を微かに軽く動かす、彼女はこれまでにいくつかの授業での解説や他人の論述を聞いたことがあるが、誰もがただ「携帯型が強く、媒体型は淘汰された」という定説を受動的に受け入れているだけだった。
レオンとケトロニの二人は、材料媒体の施法原理から、新旧の魔法陣体系の反復論理、さらには実戦シーンにおける適合性の取捨選択に至るまで、語り合えば語り合うほど深く、また意気投合していった。
ケトロニは半歩後退し、講台の縁に寄りかかる、その姿勢は完全にリラックスし、年老いた眉目は笑みで満ちていた。
「媒体魔法陣に対する君の理解は、学年の平均水準をはるかに超えている、見れば分かる、君は本当に心を落ち着けて研究してきたのだな。」
ケトロニの言葉が終わると、レオンは右手を軽く上げ、指先を微かに動かす、ウィーンと、かすかな空間の波動が起こる、彼の掌が虚空に差し入れられ、再び戻ってきた時には、精巧な木箱が静かに掌の中に収まっていた。
レオンは微笑む、彼の瞳は微かにうつむき、箱を見つめながら、その口調は穏やかだ。
「ただ、ケトロニ教授、媒体型転送魔法陣について、まだいくつか解けない点があります、教授の実践的な経験をお借りして、ご指導いただけないでしょうか?」
カチリと、箱の蓋が開かれる、中には、一つの円く澄んだ青色の魔石が静かに収められている、魔石の内部では、星雲のような光の流れがゆっくりと循環し、深遠で神秘的な印象を与える。
魔石を見た瞬間、ケトロニの口元が微かに引きつる、その目は困ったような、おかしそうな表情だ。
「レオン君、そのアンドルート魔石……まさか、ケルという名の少女から買ったのではないだろうな?」
「はい、そうです。」
レオンは淡々と浅く微笑み、その口調は落ち着いており、からかうような趣さえ含まれている、何しろ、このケトロニ教授は非常に人懐っこい性格なのだ。
「私の推測が正しければ、教授は彼女とご親戚にあたられるのでしょう。」
「そうだよ。」
ケトロニは苦笑しながら首を振る、その表情は複雑で、どうしようもないといった様子だ。
「あの娘は無鉄砲で勝手な性格で、私が唯一持っていたアンドルート魔石をこっそりと売り払ってしまったんだ、私がそれを知ったのは事後になってからで、そのことで彼女を叱り飛ばしたよ。」
レオンはうつむいて箱の中の魔石を見つめ、穏やかな口調で言う。
「もし教授が必要でしたら、お返しすることもできますが。」
「結構だ。」
ケトロニは軽く手を振り、顔には晴れやかな笑みが浮かんでいる。
「私はコネを使って代替素材を既に見つけている、それに、この魔石の材質特性は、君が媒体魔法陣を研究するのに、現段階の練習にちょうど適している。」
彼は少し間を置き、レオンを見つめて、真剣で穏やかな口調で言う。
「媒体型転送魔法陣のことだが……」
彼の目は、隣で静かに立っているジャスミンを一瞥し、指先で机を軽く叩きながら言う。
「明日の午後は学院の授業がない、もし時間があれば、私の錬金工房に直接来てもいい、授業で話せる内容は公開されたものだが、時間には限りがある……」
彼は髭を撫でながら続ける。
「工房にある古い図譜や設置器具、希少な媒体素材を使って、系統的に一通り指導してあげよう。」
「ありがとうございます、教授。」
レオンは微かに身をかがめる、ジャスミンもまぶたを伏せ、ケトロニに向かってお辞儀をする、その所作は謙虚で礼儀正しい。
「よし、私はもう戻らねばならん、私の不出来な孫娘が、また私の知らないところで何を企んでいるやら。」
そう言って、ケトロニは真っ先に教室を後にする、レオンとジャスミンは窓越しに、彼の姿が夕陽の学院大通りに消えていくのを見送り、その後、二人も一緒に校舎を後にした。
暮色が沈み、皓月が空に懸かる、清らかな月光が、誰もいない学院の訓練場に満ちる、夜風が芝生を撫で、細かな草の波を巻き上げる、一面の訓練場は、風の音だけが残る静けさに包まれている。
二人は夕食を済ませた後、直接宿舎区に戻らず、いつものように訓練場へとやって来た、ここにはすでに多くの学生と、傍らで見守る随侍たちが集まっている、学生たちは互いに切磋琢磨しようと、拳をこすっている。
夜風が訓練場の長い草を揺らす、授業を終えた多くの学生がここに集まり、空気は青春と活気に満ちている。
彼らの戦いは、レオンが普段行っている訓練と大差ない、ただ、レオンほどの厳しさが欠けているだけだ。
学生たちは徒手で切磋し合い、魔法の披露はない、純粋に肉体と格闘技術のぶつかり合いだ。
フィールド中央では、すでに二組が対峙している、一方は人族と獣族の少年、もう一方にはエルフ、魔族、そして小柄な妖精の少女が立っている、それぞれが体術と格闘の本能だけで打ち合っている。
獣族の少年は肩幅が広く、毛皮が暮色の下で艶消しのように光る、足の裏で芝生を踏み込み、土がこの一踏みで跳ね上がる、彼の重い拳が、正面の魔族の青年に真っ直ぐに打ち込まれる。
魔族の体は細長く、肌は薄暗い朱色の艶を帯びている、この一撃を真正面から受け止めず、腰を猛然と捻って側身に回避し、肘を勢いよく獣族の少年の脇腹に叩き込む。
鈍い音が響き、獣族の少年は痛みに呻くが、後退はしない、手を上げて相手の腕を掴み、二人は組み合いながら再び探り合いと攻撃を繰り返す。
人族の少年は足取り軽やかで、腰を低くして左右に素早く突進する、拳脚は簡潔明瞭で、その技は古典的な近接殺戮術だ、彼の一歩一歩がエルフの少女を追い詰めていく。
エルフの少女は身のこなしが軽やかで、耳先が微かに震える、常人をはるかに超える反応速度で絶えず立ち回りながら回避し、細長い手のひらで防御する、相手と力でぶつかり合おうとはしない。
相手が力を込めて拳を繰り出す隙に、腕を振って相手の攻撃を払いのける、エルフの少女の体は非常に柔軟で、何度か人族の少年の強打をかわし、指先を正確に相手の手首の関節に打ち込む。
隅の方では、妖精の少年の背丈は他人の胸元ほどしかなく、薄い羽を微かに震わせている、彼は自分と同じくらいの背丈のドワーフの少女と正面からぶつかり合わず、身を利用して行ったり来たりと回避する。
彼の手のひらは相手の首、腰、関節といった脆弱な位置を狙い、相手を撹乱して牽制する、時折、器用に転がって横薙ぎの一掃をかわす。
拳脚がぶつかる鈍い音、荒い息遣いが絶え間なく続く、一発食らってよろめきながら数歩後退する者、手のひらを膝に付けて大きく息を切らし、口元にうっすらと血の筋が滲む者。
また、タイミングを見計らって一発の払い蹴りを放ち、相手がバランスを崩して草地に派手に倒れ、草屑が四方に舞い散る者もいる、見物していた学生たちはゆるやかな輪を作り、小声で囃し立てたり喝采を送ったりする。
誰も本気で傷つけようとはしない、生徒同士の、点到即止の試合だ。
レオンとジャスミンは輪の外に立って見物している、レオンは月明かりの下に立ち、手首を微かに動かす、その姿勢は弛緩しており、戦闘態勢のような鋭さは全くない、彼は軽く眉を上げ、ジャスミンを見る。
「そろそろ、今日の訓練を始めよう。」
ジャスミンはうなずき、レオンに従って空いている訓練場へ向かう、同時に、この行動は近くの草地に座って休憩していた学生たちの注目を集める。
人垣の中には、目を凝らして二人を見つめる随侍がいる、レオンとあの銀白色の髪の少女の戦いが、一体どのようなものになるのかを論じている者もいれば、両腕を組んで騒ぎを待っている者もいる。
レオンは軽く息を吐き、両足をしっかりと地面に踏みしめ、腰を微かに沈める、次の瞬間、その姿が驟動する、地面には深い足跡だけが残り、砕けた草が舞い上がる。
ジャスミンはすべての温和さを収め、その目は厳しい、彼女の歩調は簡潔明瞭で、その身は地面に貼りつくように突進する、肘を微かに曲げ、正確にレオンの胸部に向かって打ち込む、速度は極めて速く、軌道は非常に巧妙で、完全に実戦級の抑え込み戦法だ。
レオンの目は平静で、すぐに側身して回避する、しかし、彼の身体反応は結局一歩遅れる、かわし始めたばかりのところに、ジャスミンの肘がすでに衣襟に迫り、勁風が顔を打つ。
彼は慌てて腕を上げて防御するしかない、前腕とジャスミンの堅い肘が激しくぶつかり合い、鈍い肉弾の衝突音が空き地に響く。
ドン、
一股の強力な力が腕を通して炸裂する、レオンの体は制御不能になり、後方へ数十メートルも吹き飛ばされそうになる、辛うじて地面に倒れる直前で、レオンは体を回転させ、無理やり体勢を立て直す、靴底が芝生の上に深く跡を残す。
その力は強すぎた、レオンは腕の骨が砕けたのではないかと感じる、蟻に食いちぎられるような痛みが腕を蝕み、続いて炎のような灼熱感が襲う。
ただの一撃で、レオンの眉が微かに、しかし誰にも気づかれないほどにしか動かなかった、しかし、その突き刺すような苦痛が襲ってくるにもかかわらず、レオンはそれを感じていないかのように、依然として無表情だ。
「この速さ……速すぎる、まだよく見えていない!」
「あの少年もかなりやるな、体を回転させたのが見えなかったか? もし俺だったら、とっくに地面で転がっているぞ。」
「あの少年は、やはり多少のものを持っているな。」
学生たちと随侍たちの話し声が絶え間なく続く、一人ひとりが観察し分析している、レオンの狼狽ぶりを嘲笑う者など一人もいない、もし自分が代わりだったとしても、必ずしもここまでのことができるとは限らないからだ。
ジャスミンの攻勢は止まない、技と技の繋ぎに一切の隙がなく、レオンは防ぐのに手一杯だ、側身、払い拳、払い蹴り、すべての技が正確にレオンの回避経路を封殺する。
ジャスミンの動作は簡潔明瞭で、純粋に肉体の爆発力と絶対的な熟練度で圧倒する、レオンは終始、防御、打ち飛ばされ、回避、打たれるという受動的な状態にある。
彼の予測は極めて正確で、ジャスミンの拳の出し方、蹴りの軌道をすべて予測できる。
しかし、見えていても、身体が追いつくとは限らない、無数の限界ギリギリの回避も、ほとんどが失敗に終わる、それでも常にジャスミンの攻勢にしっかりと捉えられ、終始押されっぱなしだ。
拳を繰り出す風切り音が耳元を絶え間なく掠める、ジャスミンの姿は月明かりの中を素早く行き来し、攻防のリズムは完全に彼女が掌握している、レオンはまたもや数メートル先に吹き飛ばされる。
少年は地面を何度も転がり、対応に追われるばかりで、一度も能動的に反撃することができない。
たとえ僅かな隙を捉えても、それはジャスミンのひらめく純白の衣の裾をかすめる程度だ。
指先がほんの少し冷たい布地に触れた次の瞬間、ジャスミンがわざと動作を緩め、振り返りざまの横蹴りが目前に迫る、その角度は巧妙だ。
レオンが即座に体勢を調整したものの、勁風に煽られて再び全身が場外に吹き飛ばされる、全身は泥と雑草にまみれている。
全編、数百回に及ぶ肉弾のぶつかり合いの中で、レオンが唯一触れることができたのは、数回の、一瞬で過ぎ去る、綿埃を払うように軽い衣の裾だけだった。
彼はすべての隙を見抜いている、しかし、肉体の基礎に制限され、抑え込みを突破できず、反撃できず、局面を打開できない。
ジャスミンの攻勢は安定しており、抑制が効いている、力加減は自由自在で、終始しっかりと加減をわきまえている、単純に抑え込むだけだ、すべての衝突は正確にレオンの防御限界の上に落ちる、純粋な肉体の組み手は、延々と千手に及んだ。
「こ、これ、本当に模擬戦なのか?」
「そうだよね、これって単なる一方的な殴打じゃないか……」
「でも、あの少年の様子に気づいたか? 毎回、あの少女の攻撃を予測しているけど、身体が反応に追いついていないんだ。」
この戦いを目の当たりにして、多くの学生はすでに冷や汗をかいている、この攻撃速度とプレッシャーの強度は、彼らが普段の訓練で体験できるものでは全くない。
また、レオンの微細な動きに気づき、密かに驚きを感じている者もいる、今や、すでに数百人の学生が彼らの戦いを見物している、全員が軽蔑の態度を取る者はおらず、黙って観察している。
バサバサと、レオンは後方へ数十メートル吹き飛ばされ、無理やり体勢を整える、彼の呼吸は微かに乱れ、肩や前腕は衝突による張りと痛みで満ちている。
体勢は終始受動的に揺れ動き、最初から最後まで、形勢逆転の兆しは全くない、たとえ偶にジャスミンの衣の裾に触れることができても、それだけだ。
月明かりは依然として清冷で、訓練場の風音は次第に緩やかになる、ジャスミンの最後の一発の正拳がレオンの目前で止まる、勁風が唸りを上げて吹き出し、レオンの短い髪を吹き上げる、同時に、多くの学生の髪の毛や長袍までもが拳風に吹かれて舞い踊る。
「終わったな。」
遠くに立つ一人の少年が、極めて平淡な目で言う、隣の紫髪の少女は口元を引き上げ、相手を一瞥した後、からかうような口調で言う。
「そうね、でも、もしあなただったら、自信ある?」
クラウドは首を振る、彼は両腕を胸の前で組み、視線を紫髪の少女に移し、平淡な口調の中に一抹の遊び心を込めて言う。
「冗談か? アデル、もし彼女が本気を出せば、五拳……いや、三拳で俺は殺されているだろうな。」
「それもそうね、法則の強者……」
アデルは指で髪の毛を絡めながら、その瞳の奥で何を考えているのかは分からない、隣のクラウドは彼女の肩を軽く叩き、振り返って遠くへ歩いていく。
「もう行くぞ。」
多くの見物していた学生たちも徐々に離れ始める、肩を組む者、互いに話し合う者、時折振り返って訓練場の黒衣の少年と銀髪の少女を一瞥する者もいる。
全ての試合が終了した、最初から最後まで、完全に一方的な袋叩きだった、レオンの体は汗でびっしょりと濡れ、袖口からはまだ汗が滴り落ち続けている。
「今日はこれくらいにしよう。」
レオンは軽くため息をつく、顔色は平淡だが、いくぶん蒼白い、ジャスミンは構えを解き、その息遣いは依然として安定しており、全く乱れがない、疲れた様子のレオンを見て、静かに口を開く。
「レオン様の予測、立ち回り、リズムは非常に優れています、一ヶ月前よりも格段に進歩しました。」
レオンはうつむき、凝った手首と体を動かす、その神色は依然として平静だ。
「ああ。」
ジャスミンは手を上げて生命法則を放ち、レオンの傷を治療する、夜風が二人の衣襟を撫で、残った熱気を吹き散らす、短い休息の後、夜の色はますます深くなっていく。
二人は肩を並べて訓練場を後にし、街灯が照らす長い道に沿って、ゆっくりと学生宿舎区へ歩いて帰る、道中は静かで無言、特に話す話題もない。
洗面を済ませた後、レオンはベッドに横たわり、戦闘中の断片を思い返す、頭上で温かな光を放つ魔力灯を見上げ、手を上げて目の前に掲げ、握りしめる、その眼底には、淡々とした平静さがある。
彼はベッドから起き上がり、机の前に歩いて腰かける、そのまま窓を開け、微風が部屋の中に流れ込むままにしておく、少年は一冊の本を手に取り、窓の外の風景を一瞥し、低い声で言う。
「やはり、まだまだ差がありすぎる……」
その頃、ジャスミンはちょうど白い寝間着に着替え終え、風の魔力で髪の毛を乾かしていた、裸足で床を歩き、目の前には簡素な姿見が静かに立っている。
少女の指が胸元のネックレスを撫で、口元に笑みが浮かぶ、何かを思いついたように、彼女は眉を微かにひそめる。
「レオン様の誕生日……私はどんなプレゼントを用意すればいいのかしら……」
一つの家に、二人の人、それぞれがまた異なる心事を抱えている、少年の瞳は深く、指で机を叩く、少女は優雅で美しく、プレゼントの形について思いを巡らせている。




