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深淵紀行  作者: 梓UU
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学院編:第四十一話:授業の幕開け

ジャスミンの誕生日が過ぎてから、レオンとジャスミンは以前の平淡な日常のリズムを取り戻した、衝突もなければ、皆の生活を揺るがすような出来事も起こらなかった。


レオンはほとんどすべての時間を訓練と学習に費やし、日々はただ型通りに進んでいく、昼と夜が繰り返され、あたかも時間が同じ一日に固定されてしまったかのようだった。


レオンの実力と魔法に対する理解はより深まり、実力は着実に向上していった、同時に、大陸の各地からすでに出発していた学子たちも、続々とカタリ学院に到着した。


先の束の間の暇な時間は完全に幕を閉じ、果てしなく長く感じられた休暇もついに終わりを迎えた、学院の学生たちはますます増え、瞬く間に、開校のこの日を迎えた。


宿舎区、レオンは身に着けた学生用の長袍を整え、鏡の前で短い髪を整えた後、軽くため息をついた、彼は部屋の扉へ向かい、指でドアノブを回す。


カチッと、澄んだ音が響く、レオンの視線が扉の外へ向かうと、ジャスミンが玄関で静かに待っていた、レオンが扉を出てくるのを見て、少女の顔に親しみのある笑みが浮かぶ。


「レオン様、そろそろ出発の時間です、学院の開校行事まであと半刻です。」


「分かっている、今行く。」


レオンはうなずき、玄関へ移動して、ジャスミンが拭いてくれた黒い革靴に履き替える、そして宿舎区の幹線道路へ歩み出る、ジャスミンはそっと扉を閉め、レオンの歩みに続く。


道路には大勢の生徒が集まっており、彼らの声は喧騒に満ち、一人ひとりの表情はさまざまだ。


人族の他にも、他の種族の学生たちがいる、竜族の学生はのんびりと歩き回り、獣人の学生は小声で話し合い、耳と後ろの尾が軽く揺れ動いている、エルフは厳しい表情で、同級生と討論している。


魔族の学生たちは肩を組み、明るい笑顔を浮かべ、時折同級生の肩を叩いている、妖精の少女は同級生の手を引き、歩調はゆっくりで、時折浅い笑みをこぼす。


レオンとジャスミンはその中を歩くが、誰一人として彼らに気づく者はいない、すぐにレオンとジャスミンは指定された大会場に到着した、ここには数万人の学生が集まっている。


大会場は広々として雄大で、中心は空洞になっている、上空から見下ろすと、まるでくり抜かれた円形のようだ、ただ、頂部はガラスで覆われており、陽光がガラスを通して中心の円形の講台に降り注いでいる。


講台はとてもきれいに見える、白いタイルは日光に照らされて少し眩しい、講台の一角からは一方へと道が伸びており、その上には赤い絨毯が敷かれている。


周囲の数十本の赤い石柱が円形に囲み、会場を支えている、それぞれの柱には古い銘文が刻まれているが、長年の風雪に耐えてきたように見える。


会場は人で溢れかえり、誰もが席に座って待っている、レオンが見下ろすと、一列一列の席は絶えず縮む波紋のように見え、それぞれの縮む波紋には数百の座席が並んでいる。


学生たちの騒がしさは、ガラスの天井を吹き飛ばさんばかりだ、レオンは階段に沿って二つの空いている席へ向かう、ジャスミンは彼らの喧噪を聞き、思わず唇を引き結び、そっとため息をついた。


「どうした?」


レオンは席に座り、隣のジャスミンに顔を向ける、ジャスミンは中心の円形講台を一瞥し、そのままレオンの隣に腰かける、少女は口をへの字に曲げた。


「ただ……彼らはあまりにも騒がしすぎて、全く他人を敬っていないと思うの……」


「そうか……」


レオンは下方の中心講台に目をやる、そこには数人の学園の生徒会役員が立っており、彼らは生徒たちに騒がないよう呼びかけ続けている、額の汗が頬を伝って襟元に滴り落ちているのも気づかない。


その時、ドーン!遠くから重い鐘の音が響く、音は大きくはないが、力に満ちている、学生たちの声は次第に小さくなり、一人ひとりの視線が円形の講台に注がれる。


一人の老人が、赤いカタリ魔法学院の長袍を身にまとい、ゆっくりと杖をつきながら中心へ向かって歩いてくる、その顔は風霜に晒され、白い髭と眉毛が、目と首を覆い隠さんばかりだ。


その後ろには、数百人の教授と十数人の若い生徒が従っている、一人ひとりの神色は一様に厳しさに満ちている、レオンとジャスミンは目を細め、その中の二人に気づく。


その二人こそ、アデルとクラウドだった、今、彼らは若い生徒の最前列の一人として立っている、何かを察知したかのように、クラウドの視線がレオンとジャスミンに向けられる。


レオンは特に動作を起こさず、相変わらず平淡な目でクラウドと視線を合わせる、クラウドは眉をわずかにひそめる、隣のアデルがクラウドの異変に気づき、低声で尋ねる。


「どうしたの、クラウド?」


「いや、何でもない、少し会わないうちに、あの小僧はさらに強くなったようだ。」


クラウドは微かに首を振り、視線を戻して前方の白髪の老人を見る、アデルはさらに問い質そうとしたが、クラウドはもう言葉を発さず、ただ白髪の老人を見つめている。


「アデル様とクラウド様だわ、まさか彼らが生徒会の人だったなんて。」


ジャスミンがレオンの隣で小声で言う、レオンは横を向き、顔に浅い笑みを浮かべるが、その笑い声にはいくぶん意味深長なものが含まれている。


「ああ……そうだな……」


白髪の老人はようやく講台の前に辿り着き、喉を鳴らして咳を二度する、眉毛の下に隠れた目がわずかに覗き、その声は沈着で力強く、少しの弱々しさもない。


「ゴホン……諸君……カタリ貴族魔法学院へようこそ、私はカタリ、現在第九十八代目の校長だ、私の名は——コレストという。」


「遠路はるばるここまで来てくれたことに感謝する、私は諸君と未来の六年間を共に過ごせることを光栄に思う、同時に、諸君にはここで存分に生活を楽しんでほしい。」


「そして、私は…………」


校長がなおも雑談を続けようとした時、彼の脇に立っていた一人の男性教授が微かに身をかがめ、コレストのそばに歩み寄り、声を潜めて彼の耳元で低声で注意を促す。


「校長、本題に入る時間です。」


コレストはその言葉に一瞬止まり、慌てて二度咳をし、先ほどの雑談の態様を収める、杖を地面に軽く一つ突き、その声が再び大会場中に響き渡る。


「ああ、その通りだ、では、私はここに正式に宣言する——カタリ貴族魔法学院、今期、正式に開校する!」


言葉が終わると、会場には熱狂的とは言えないが整った拍手が響き、幾重にも重なり、石柱の間を反響する。


コレストは手を上げて場内の音を鎮め、後ろの列に立つ授業担当の教師たちを順に紹介し始める。


「私の左手に立っているのは、副校長——セランだ、教師の課程割り当てを管理している。」


一人の灰色の髪のエルフが微かに半歩前に踏み出し、台下の万の生徒たちに微かにうなずく、ただ彼女の目はわずかに細められ、顔には笑みが浮かび、その後列に戻る。


「右手のこちらは、后勤などの問題を管理する担当教授——レンガーだ、今後、諸君の大小の問題は、彼が手配することになる、何か問題があれば、彼に尋ねるといい。」


体格の頑丈な獣人の男性は無表情で、ただ簡単に手を上げて示すだけで、余計な言葉はない。


校長の話が終わると、教授たちも短いスピーチを始める、行程は次々と続き、日差しはゆっくりと動き、ガラスのドームを通って、会場の床面を緩やかに移動していく、時間は少しずつ正午へと流れていく。


長い式典が続く中、多くの座席の学生たちはすでに少し落ち着かずに座り始めている。


コレストが最後の総括を行う、その老いた声は、隅々まではっきりと届く。


「私は宣言する、以上が今回の開校式典の全内容である、本日午後より正式に授業を開始する、諸君はクラス分けの掲示に従い、時間通りに該当の教室へ向かい、遅刻しないように。」


この言葉を言い終えると、校長は杖をつき、真っ先に振り返って講台を降りる、大勢の教授と生徒代表がそれに続き、整然と退場する。


数万の学生たちが次々と立ち上がり、騒がしい人声が再び広がる、長く続いた開校式典は、これにて幕を閉じた、レオンは立ち上がり、少し眠そうにしているジャスミンの肩を叩き、口元に遊び心を浮かべる。


「寝ちゃだめだぞ、飯の時間だ。」


ジャスミンは手を上げて目をこすり、少しぼんやりと周囲を見渡す、学生たちは続々と退場している、少女の視線は最後にレオンに留まり、いくぶん慵懶な口調で言う。


「ん……分かりました、レオン様。」


少女は立ち上がり、歩み出してレオンの後ろに従う、後に残されたのは、騒がしい大会場だけだ、外の日差しは少し眩しく、空気中にはかすかな書物の香りが漂っている。


二人は長く留まらず、学院の食堂へ向かう。


カタリ学院の食堂は、学院全体で最も雅やかな公共区域だ、高いドームが宙に浮かぶように落ち、壁面には淡い青色の魔法硝子が嵌め込まれている。


長方形の黒石の食卓が整然と縦に並び、机の表面はきれいに磨き上げられて透き通っている、空気中には、焼き穀物、濃いスープ、そして不思議な香辛料の香りが漂い、食欲を強くそそる。


食堂の人数は非常に多く、各氏族の新入生が点在して座っている、人族の学生は二、三人ずつ集まって小声で話し合い、午後の授業について低声で議論している、獣人の生徒は食欲が驚くほど旺盛で、大口で食べ、動作は率直で細かいことにこだわらない。


エルフの所作は優雅で、食事のペースはゆっくりしている、魔族の少年少女は気さくに腰かけ、竜族の学生はリラックスした雰囲気で、大口を開けて食べ物を噛みしめている。


大陸の各地から集まった種族が一堂に会し、非常に融和しているように見え、差別など微塵も感じさせない。


レオンとジャスミンは簡単な昼食を取り、窓際の空いている席を見つけて座る、二人はとても静かで、余計な喧騒はない、ジャスミンはスープを少しずつ口に含み、周囲の生徒たちを見ながら、小声で口を開く。


「とても賑やかですね、新学期、みんなとても楽しみにしているみたい。」


レオンは適当に皿の中の料理を切り分け、視線は淡々と食堂全体を一瞥し、その口調は平静で何の波もない。


「ただ場所を変えて日々を過ごすだけだ。」


「レオン様は新学期を全く楽しみにしていないのですか?」


「ふっ、ここで学ぶのも普通の学院で学ぶのも、何ら変わりはないと思うぞ、自分の交流の輪を広げるに過ぎない、何せ魔法は誰にでも学べるものだからな。」


レオンは顔を上げ、その視線は清淡だ、その口調には浅い笑みが含まれている。


二人は簡単に昼食を終え、余計にぶらつくことなく、静かに席に座って休憩する、食堂の人波は徐々に入れ替わり、正午の日差しは次第に傾き、暑さもゆっくりと和らいでいく。


短い休息の後、正午が終わり、時間は確実に午後へと進む。


学院の各所から鐘の音が二度、軽く響く、全新生に、授業開始時間が近づいたことを知らせる。


レオンは入学時に付属していた新生案内を取り出す、そこには、新生一組の教室の位置と経路が明確に記されている。


「そろそろ授業に行く時間だ。」


「はい、レオン様。」


レオンは立ち上がり、トレイを持って洗浄区域へ向かう、ジャスミンはレオンの後ろに従い、食堂を後にする、二人は新生が割り当てられたクラスへ向かう、廊下の至る所で、教室へ急ぐ新生の足音と囁き声が聞こえる。


レオンとジャスミンは長い廊下に沿って進み、案内書の表示に従って進み続け、最終的に一つの広々とした魔法教室の扉の前に止まる、室内からは学生たちの話し声と騒ぐ声が聞こえてくる。


ガラリ……


教室の扉が開かれ、レオンは教室内へ歩み入る、ジャスミンはその後ろに従い、教室の配置と雰囲気を見渡す。


教室の前方には褐色の講壇が置かれ、その後ろにはごく普通の黒板がある、講壇の前方は、段々に上がっていく階段状の座席だ。


座席は左、中央、右の三つの区域に分けられ、区域の間には縦方向の階段が挟まれ、その上には黒い羊毛の絨毯が敷かれ、生徒が通行して着席しやすいようになっている。


今、すでに学生たちが席に着き、ひそひそと話し合っている者もいれば、机に突っ伏して寝ている者もいる、その態様はさまざまで、頬を横に向けて目を閉じている者、両腕の中に頭を埋めている者もいる。


静かに本を読んでいる多くの学生がレオンとジャスミンに気づき、一瞬レオンに視線を向けた後、ジャスミンに移して数秒留め、すぐにまた視線を戻す。


「行こう、もうすぐ授業が始まる。」


レオンは横を向いてジャスミンに言う、声はわずかに抑えられ、顔には特に表情はない、ジャスミンは微かにうなずき、レオンに従って一つの席へ向かう。


ジャスミンは席に座り、絶えず教室を見渡している、レオンはそっと息を吐き、片手を揺らぐ空間の中に差し入れる、ウィーンと空間が微かな軽い音を立て、一冊の黒い表紙の本がレオンによって取り出される。


「あの……」


冷ややかな声が隣から聞こえる、レオンが顔を上げると、一人の少女が彼の隣に立っている、その声には感情が全くなく、彼女の顔と同じで、白い頬はとても清純だ。


少女はレオンの席を指さし、続けて言う。


「ここ、私の席なんだけど。」


「すまない。」


レオンは机の下の引き出しを一瞥する、中には確かに一冊の本が既に入っている、彼は躊躇せず、隣のジャスミンに少し近づき、少女に十分なスペースを空ける。


その時、教室の扉が開かれ、白い髪の猫耳の老人が講壇に向かって歩いてくる、手では絶えず髭を撫でている。


彼の尾は後ろに垂れ、元気がなさそうに見える、顔には多くの皺があるが、その上には浅い笑みが浮かんでいる、一際目立つ上等な錬金術師の長袍を身にまとっている。


本を読んでいた学生と話していた学生はすぐに動作を止め、視線を老人に向ける、その顔は尊敬と認可に満ちている。


隣でまだ寝ていた学生も起こされ、教授が講壇に立っているのを見ると、彼らは慌てて背筋をピンと伸ばし、座り方までも標準的な姿勢に整える、教室全体が静まり返る。


猫耳の老人は両手を講壇に置き、その口調は力強く、目には輝きが宿っている、彼は一人ひとりの子供たちの顔を見渡し、口元を緩め、後ろの尾が久しぶりに揺れ始める。


「諸君、こんにちは、まず、改めて言う、カタリ貴族魔法学院へようこそ、私は諸君の首席教授——ケトロニ・アンジェロだ。」


ケトロニは一呼吸置き、レオンの方角を一瞥し、その後続けて言う。


「諸君は私をケトロニ教授と呼べば十分だ、ついでに言っておくと、私の授業内容はややゆっくりで、スタイルも他の教授のように厳粛ではない、その点は了承しておいてほしい。」


「とんでもない!ケトロニ教授のお名前は幼い頃から伺っていました、あなたは私の憧れの人です!」


「そうです!あなたに首席教授を務めていただけることは、私たちの誇りです!」


「ええ!ケトロニ教授の錬金技術はセミュール帝国の最先端を行くお方です!」


学生たちの歓声と畏敬の念が教室内に響き渡る、レオンは眉をひそめ、隣でケトロニを見つめているジャスミンに一瞥をくれ、その後視線を戻す。


ケトロニが手を半空に上げると、学生たちはすぐに言葉を止め、期待に満ちた目で教授を見つめ、彼の発表を待つ。


老人はチョークを手に取り、黒板に素早く「魔力」という二文字を書き、その後学生たちに向き直り、その口調はゆっくりとしているが、権威に満ちている。


「今日、私たちが話すのは——この世界の起源だ!」

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