学院編 第四十話 特別編:おやすみ
レオンとアリットが外出してから一時間が経った、その間、ジャスミンとプーヤはソファに座って本を読んでいたが、プーヤは隣のジャスミンがどこか上の空であることに気づいていた。
プーヤは本を置き、ぼんやりしているジャスミンを見て、優しく尋ねる。
「レオンのことを考えてるの?」
ジャスミンはうなずき、本を膝の上にそっと置き、指先で無意識にページの端を撫でる。
「ええ、どうしても心配で。」
プーヤは少し黄ばんだページを指先でめくりながら、落ち着いた自信に満ちた口調で言う。
「アリットはとても慎重に事を進めるわ、彼が一緒なら何の問題もない、彼を信じてあげて、あなたがそんなに焦る必要はないのよ。」
ジャスミンはまぶたを伏せ、銀色の髪が頬に垂れる、手を上げて髪を耳にかけ、紅茶を一口飲んでから、穏やかな口調で言う。
「分かっているわ、ただ、もうこの感覚に慣れてしまっているの。」
プーヤは窓の外に目をやる、日差しが窓を通して部屋の中に差し込んでいる。
「レオンにもやり遂げたいことがあるのよ、私たちはただ安心して彼らの帰りを待っていればいい。」
ジャスミンはしばらく黙り込み、そっとため息をついてから、再び本を手に取るが、視線はまだどこかぼんやりとしている、プーヤは隣でこっそりと笑いを噛み殺しながら、手元の本を読み続けた。
——◇——
車輪が石畳の道を軋む音が響く、馬車の中の空気は静かで、二人の間に会話はない、アリットは本を手にした少年を見つめ、非常に平静な声で尋ねる。
「本を読むのが好きなのか?」
レオンは顔を上げてアリットを見る、相手の目が自分を見つめている、彼は軽く笑い、それから説明した。
「俺の日常はとても平凡だ、毎日ほとんど読書と訓練で過ごしている、それ以外には、特に予定は何もない。」
「そうか……」
アリットはうなずき、窓の外で絶えず後退していく景色に目をやる、それはまるで流れる絵巻のようだ、彼は視線を戻し、座席に寄りかかって目を閉じて微睡む、レオンは何も言わず、手元の本を読み続けた……
車輪の音が耳元に響き、時折、馬の嘶きと御者の車を駆る声が聞こえてくる、いつしか、馬車がゆっくりと止まる、御者の少しかすれた声が聞こえてきた。
「お二人さん、もう王都の市集口に着きましたよ、市集を抜ければ、反対側の商業区へ入る小道があります、先の人混みが多いので、馬車では入れません、数十メートルほど歩いていただけますか。」
レオンは顔を上げる、右側の空間が唸りを上げ、彼は本を揺らぐ空間の中に押し込み、年老いた御者に向かって笑いかける。
「分かりました、ご苦労さまです。」
そう言って、レオンは一枚の金貨を御者の手に握らせる、御者の枯れた手が金貨を受け取り、風霜に晒された顔に笑みが浮かぶ。
レオンとアリットは馬車を降り、しっかりと石畳の地面に足を踏みしめる、二人は市集の入り口に立ち、周囲を行き交う人々を見渡す。
空気中には様々な匂いが混ざり合っている、冒険者たちの革と血の匂い、婦人たちの長年の料理による菜の匂い、貴族の学生たちの香水の香り、そして獣人たちの淡い腥み。
野菜籠を提げた婦人が、眉をひそめて果物を選んでいる、その様子は非常に真剣で、腕に掛けた籠の中にはすでに多くの果物が詰まっている。
ドワーフの冒険者が一人の狗頭人の商人と交渉している、商人の顔は平淡で、ドワーフの冒険者はいくぶん困った様子だ、彼の指先が一振りの長剣の刀身を撫でている。
「確かにそんなに金貨は持っていないんだ、その剣を二十五枚の金貨で売るのは高すぎる、二十一枚でどうだ?」
「お客さん、私も赤字覚悟なんですよ、素材とコストが高くて、私はたった五枚の金貨しか儲けていないんです。」
ドワーフは値切ることができず、仕方なく歯を食いしばってうなずき、古びた布袋から二十五枚の金貨を取り出す。
彼は数秒間迷った後、ようやく非常に名残惜しそうに狗頭人の商人に差し出す、取引が成立し、ドワーフは真新しい長剣を手に提げ、振り返って人混みに消えていった、狗頭人の商人だけが目を細め、口元に笑みを浮かべて残されている。
レオンとアリットはその場に立ち、市集を行き交う人々を見つめながら、長く留まることなく、通りに沿ってゆっくりと歩き始める。
市集全体は非常に賑わっている、両側の露店はびっしりと並び、素材を売る者、薬草や武器を売る者、衣服や装飾品を売る商人、その他魔法関連の品々……
行き交う人々は入り混じり、人族、獣人、ドワーフが多く、時折独特な服装のエルフや、魔族が一人で人混みの中を歩いているのが見える。
二人は通りに沿ってぶらぶらと歩く、レオンの表情は非常に平淡で、何も彼の注意を引かないかのようだ、アリットは彼の傍らで、周囲に視線を巡らせながら口を開く。
「王都の市集は物資が豊富だな、学院では手に入りにくい素材も、大抵ここで揃う、ジャスミンへのプレゼント以外に、何か必要なものはあるか?」
レオンは両側の露店に適当に視線を流しながら、首を振り、淡々とした口調で言う。
「いや、今は十分足りている。」
二人は人混みに沿ってゆっくりと進む、レオンの視線は一つ一つの露店を掠めていく、ほとんどが武器の消耗品、護身具、巻物、薬剤で、基本的には冒険者がよく使うものばかりだ。
二人は黙ったまま歩き続け、その間一言も交わさなかった、やがて市集を抜け、商店街に辿り着いても、目的もなく探し続けていた。
その時、レオンの足が止まる、アリットがレオンの視線を追うと、一つのアクセサリーショップの前に視線が留まる。
店構えは小さく、いや、普通と言ってもいい、ガラスのショーケースには贅沢な髪飾りやリボン、小さなペンダントなど、女の子が好む小さな品々が並べられている。
店主は中年の婦人で、清潔で手際が良く、どこか説明しがたい気品を漂わせている、どうやら落ちぶれた貴族のようだが、レオンはその点には注目しなかった。
アリットは店の外を行き交う人混みを見つめ、時折レオンに視線をやりながら、扉枠に寄りかかっている、レオンはガラスのショーケースを一通り見渡し、最後に一本の銀色のネックレスに視線を留める。
ネックレスのデザインはとてもシンプルで、複雑な彫刻は施されていない、しかし、それはネックレスの素材が劣っているという意味ではない、むしろ逆で、ネックレスは限られた地域でのみ産出される瑠璃鋼で鋳造されている。
ネックレスの地色は暗い銀灰色で、表面には極めて淡い氷青色の流光が浮かんでいる、日光が当たれば、様々な色を放つ。
ペンダントには淡い白色の宝石が嵌め込まれ、内部には花の模様があり、光沢は柔らかく、全体的に非常に清らかで、身に着けても下品に見えない。
レオンは指先で少しひんやりとしたネックレスをそっと撫で、顔を上げて落ちぶれた貴族の婦人を見て、穏やかな口調で尋ねる。
「これはいくらですか。」
婦人の目には品を見抜く光が宿っている、彼女はゆっくりとレオンの前に歩み寄り、その言葉には賞賛が込められている。
「三十枚の金貨ですよ、お客様、このネックレスは珍しい瑠璃鋼で作られていて、宝石も希少な月光石です、上品に身に着けられて、婚約者の方やお付き合いされている方への贈り物にぴったりですよ。」
レオンは婦人の言葉を聞いて、顔に笑みを浮かべる、彼は値切らず、直接三十枚の金貨を取り出して婦人に渡す。
婦人は金貨を受け取り、掌の中で重さを確かめ、間違いないことを確認すると、カウンターへ向かい、精巧に彫刻された小さな木箱を取り出す、その中にネックレスをそっと入れ、蓋を閉めて、恭しくレオンに差し出す。
「お買い上げありがとうございます、またどうぞお越しくださいませ。」
レオンはうなずき、手を上げて箱を受け取り、揺らぐ空間魔法の中にしまう、取引は成立し、レオンは店の外へ向かう。
扉枠のそばにいたアリットは振り返って彼を一瞥し、何も尋ねず、ただ淡々と一言述べた。
「目のつけどころが確かだな。」
レオンは説明せず、ただ軽くうなずく、二人はさらに少し先へとぶらぶらと歩き続ける、そう遠くないうちに、前方から焼き菓子の香ばしい匂いが漂ってくる。
香りはとても淡く、小麦とバターの甘い香りが混ざり合い、思わず味わいたくなる。
そのパン屋は、店構えは大きくなく、ガラスのショーウィンドウは清潔で透き通り、中には焼き上がったばかりのパン、ビスケット、小さなケーキなどが並べられている。
レオンとアリットが店の扉を押し開けると、店内には暖かな灯りが灯り、空気中は焼き上がりの淡い香りで満ちている。
一人の魔族の少女がレオンとアリットに歩み寄る、頭の角は短く、赤い目には輝きが宿り、口調には淡い笑みが含まれている。
「いらっしゃいませ、お客様、何をお求めですか?」
レオンはショーケースを見る、そこには様々な菓子や、変わった形のパンが並べられている、最終的に、彼の視線は一つのケーキに留まる、ケーキは大きくなく、四人で味わうのにちょうど良い量だ。
「この純白のクリームケーキを包んでくれ。」
「かしこまりました。」
魔族の店員は手際よく動き、清潔なギフトボックスを取り出し、クリームケーキを詰め、さらに簡単な紐を結んで、レオンの手に渡す、レオンはやはり手際よく、揺らぐ空間魔法の中にしまう。
代金を支払い、二人はパン屋を出る、アリットは顔を上げて空模様を一瞥し、非常に平淡な口調で言う。
「もう昼になった、まだ何か必要か?」
レオンは隣の焼き肉店を見る、彼はまぶたを伏せて少し考え、それからアリットを見て淡い笑みを浮かべる。
「急ぐことはない、今日は迷惑をかけたな、焼き肉をご馳走するよ。」
アリットは遠くの焼き肉店を一瞥する、店は新しく、壁面はすべてレトロなスタイルの石磚でできている、そこには数人の非常に美しい魔族の少女たちが立っており、彼女たちは短いスカートを身に着け、汗が乱れた鬢の先から滴り落ちている。
彼女たちは手に看板を掲げ、行き交う冒険者や商人に割引チラシを配りながら、一生懸命に呼び込みをしている。
アリットは眉をひそめ、断ろうとしたが、レオンは彼に話す機会を与えず、続けて言う。
「酒も飲めるぞ、プーヤがいる時は、君がいつも控えているのは分かっている、でも、俺は別に構わない、君次第だ。」
アリットは少し迷い、レオンを見る、レオンはただ笑っているだけで、何も言わない、再び焼き肉店を見て、最終的に彼はうなずき、平淡な口調で言う。
「いいだろう、ただし、麦芽酒は二杯だけだ。」
「じゃあ、行こう。」
レオンが先に焼き肉店に向かって歩き出し、アリットがその歩みに続く、呼び込みをしていた一人の魔族の少女が、自分たちに向かって歩いてくる背の高い少年と男の子に気づく。
彼女は二人に早足で近づき、その口調はとても甘く、まるで明るい隣の妹のようだ。
「お客様!焼き肉を召し上がりにいらっしゃったのですか?」
「ああ、二人だ。」
レオンはうなずく、アリットは何も言わず、相変わらず表情は平淡だが、店内ががらんとしていることに気づいた時、眉がかすかにひそめられた。
「では、こちらへどうぞ。」
魔族の少女はレオンとアリットを焼き肉店の中へ案内する、隣の仲間は少女が客を接客したのを見て、口をへの字に曲げ、さらに大声で呼び込みを始める。
レオンは店内に立ち、一通り見渡してから、前方を案内する魔族の少女に尋ねる。
「どうしてこんなに閑散としているんだ? 新しく開店した店なのに、客が一人も入っていないじゃないか。」
少年の言葉を聞いて、魔族の少女は一瞬息を呑み、振り返ってレオンを見る、その口調にはいくぶん無理に作った笑顔が含まれている。
「こういうことなんです、お客様、私たちは営業を始めて間もない新店で、知名度がなくて、お外でお気づきになったと思いますが、私の姉妹たちは皆、必死に客引きをしていまして……」
彼女は一呼吸置き、続けて言う。
「それに、多くのお客様は既に有名なクリティーナ焼き肉店の方へ行ってしまいますので、自然とこうなってしまって……」
「そうか。」
レオンはうなずき、少女の歩みに従い続ける、アリットの眉が開き、珍しく温和な口調で言う。
「気にするな、何事も初めは難しいものだ、君たちはきっと良くなるさ。」
アリットの言葉を聞いて、魔族の少女はうなずき、顔に浮かんだ無理な笑みがいくぶん和らいだ。
彼女は二人を窓際の空いているテーブルに案内し、布でテーブルを拭く、その動作は非常に手際が良い。
「お二人はどうぞお掛けください、すぐにメニューをお持ちします。」
レオンは微かにうなずき、そのまま木製の椅子を引いて腰かける、アリットも続いて座り、窓の外で必死に客引きをする数人の魔族の少女たちに視線を落とし、何かを考えているようだ。
しばらくして、魔族の少女がトレイに二杯の緑茶と羊皮紙のメニューを載せてテーブルにやって来る、彼女はメニューをそっと二人の前に広げる。
「当店の看板メニューは炭火焼き魔獣肉ステーキ、燻製肉串、焼き鮮菌類です、お酒は自家醸造の麦芽酒のみで、度数は高くありません。」
レオンは適当にメニューに目を通す、メニューの料理は少なくない、彼は少し考えてから口を開く。
「炭火焼き獣肉ステーキを二つ、雑菌の盛り合わせを十本、燻製肉串を十本、それと野菜、麦芽酒を二杯。」
レオンは少し考え、緑茶を一口含む、清らかな香りと甘みが口の中に広がる、そして続けて言う。
「それから、持ち帰りで、焼き燻製肉串を二十本、焼き雑菌と焼き野菜を二十本ずつ、焼き獣肉ステーキを四つ。」
「かしこまりました、少々お待ちください。」
魔族の少女は応じ、振り返って早足で厨房へ向かう、清らかな足音だけが店内に響く、アリットはレオンを見て、少し疑問そうな口調で尋ねる。
「そんなに頼んで、食べきれるのか?」
レオンは笑い、カップをそっとテーブルに置き、アリットを見て少し遊び心のある口調で言う。
「プーヤもジャスミンも食べることが好きだからな、彼女たちには楽勝だ。」
アリットはレオンの言葉を聞いて、珍しく顔に笑みを浮かべ、うなずく。
「それもそうだな。」
店内はとても静かで、客の喧騒はなく、炭火が燃えるジュージューという音と、厨房からかすかに聞こえる足音だけがある、窓の外は相変わらず賑やかな市集の声で、静と騒がはっきりと分かれている。
そう時間は経たないうちに、魔族の少女が焼き皿と酒杯を載せて歩いてくる。
熱々の鉄板の上には、香ばしく焼かれた肉のステーキが載せられ、脂が微かに泡立っている、香辛料の香りが肉の香りと混ざり合って空気中に広がり、嗅ぐだけで食欲が湧いてくる。
隣の陶器の皿には、黄金色に焼かれた菌の串が並べられ、その上には山椒塩と唐辛子粉がたっぷりと振りかけられている、二杯の麦芽酒は澄んで透き通り、表面には薄い泡が浮かび、清らかな酒の香りが漂う。
少女は料理をしっかりと整え、口を閉ざしたまま、余計な動作は一切しない、明らかに礼儀を保ち、話し声の飛沫が料理に落ちないように気を遣っている。
すべてを整え終えると、彼女は半歩後退し、小声で言う。
「お客様、どうぞごゆっくり、お持ち帰り用のご注文は、厨房で現在準備しております。」
伝達を終えると、魔族の少女は振り返ってカウンターへ向かい、うつむいて忙しく動き始める。
レオンはナイフとフォークを手に取り、獣肉のステーキを一切れ切り分ける、外側は炭火で少し焦げ目がつき、内側の肉は柔らかく締まっている、脂は豊かだがしつこくなく、香辛料の風味が肉本来の旨味を引き立てている。
アリットは麦芽酒を手に取り、一口含む、酒液は麦芽の発酵による純粋な香りを帯び、腹の中に入ると何とも言えない満足感をもたらす。
彼は焼き雑菌の串を手に取り、口に入れて噛む、最初は塩気と辛み、続いて脂と菌類特有の旨味のある汁が広がり、その味わいにアリットは思わずもう一口かじりつく。
二人は終始静かに食事を進め、時折軽く世間話をする程度だった、時間が経つにつれ、テーブルの上の焼き肉や菌の串も食べ終え、二杯の麦芽酒も飲み干された。
ほどなくして、厨房で持ち帰り用の料理がすべて完成する、油紙で幾重にもしっかりと包まれ、非常に丁寧に作られているのが分かる。
魔族の少女が重たい持ち帰り用の箱を差し出す、レオンはそれを受け取り、そのまま空間魔法の中にしまう、そして尋ねる。
「全部でいくらだ?」
魔族の少女はレオンにメニューを見せる、そこには一品一品に詳細な価格が記されている、彼女は続けて言う。
「全部で金貨五枚と銀貨三枚になります、ただ、ご支援いただいたお礼に、店長が金貨五枚で結構ですとのことです。」
アリットは疑問に思い、魔族の少女に尋ねる。
「店長というのは?」
魔族の少女は笑い、手を上げて厨房の方を指差し、微笑みを浮かべて言う。
「店長は厨房にいます、あなた方の焼き肉を担当している料理人です。」
「そうか……」
レオンは金貨五枚を取り出して魔族の少女に渡す、少女の見送りと感謝の言葉を受け、アリットと共に店の外へ向かう、通りを行き交う人々もかなり減っていた。
他の魔族の少女たちは店の入り口に寄りかかり、手に茶を飲んでいる、それぞれの表情は異なり、眉をひそめる者、軽くため息をつく者、複雑な表情を浮かべる者もいる。
しかし、レオンとアリットが店を出るのを見ると、彼女たちは一人残らず背筋を伸ばし、顔に笑みを浮かべる。
「またのお越しをお待ちしております、お客様。」
二人は彼女たちにうなずき、少女たちに別れを告げると、馬車を探し、学院へ向かう、レオンは相変わらず本を取り出して読み、アリットは窓辺に寄りかかって微睡む。
——◇——
カタリ貴族魔法学院、ジャスミンは片手に生命果を持ち、もう一方の手で本を読んでいる、プーヤはその隣に座り、目を細めている。
少女は図書館でレオンから頼まれたことを思い出し、本を閉じて、ジャスミンを見て、いくぶん諦めを含んだ口調で言う。
「退屈ね、ジャスミン……」
ジャスミンはプーヤを見て、何かを考えるようにうなずく、顔にはかすかな疲れの色が浮かんでいる。
「プーヤ様、外を散歩しませんか?」
「本当? 実は前から出たかったのよ、お昼を食べてから、もう二時間もここに座ってたんだから。」
プーヤはソファから立ち上がり、顔に笑みと驚きの色を浮かべ、両手を半空で絶えず動かす、その様子にジャスミンは思わず手を上げて口を覆い笑う、自分の失態に気づき、少女の頬も赤らむ。
プーヤは大げさな動作を収め、少し気まずそうに頭をかく、頬の赤みがゆっくりと消えていく。
ジャスミンはリビングを出て、扉の外へ向かう、プーヤは少女の後ろを歩き、出る際に、扉は完全には閉めなかった。
二人は宿舎区の道に沿ってゆっくりと散歩する、午後の暖かい風が廊柱を通り抜け、肌に当たるのがとても優しい。
学院内部はとても静かで、道中には時折、連れ立って歩く生徒や、本を手にゆっくりと歩く教師に出会う、学院全体は緩やかな雰囲気に満ちている。
ジャスミンはとてもゆっくりと、安定した足取りで歩く、視線は適当に、道端の色とりどりの花や、集まって話す学生たちの群れを掠めていく。
彼女の心は依然として、外に出ているレオンのことを密かに気にかけている、プーヤは彼女の横を歩き、口には学院の些事や、聞いた様々な噂話を適当に話している。
ジャスミンはほとんどの場合、静かに聞いているだけで、時折軽くうなずいたり、簡単に一言返事をする程度だ、二人はわざわざ遠くへ行こうとはせず、宿舎区の道をただ適当にぶらつく。
時間は少しずつ過ぎていく、頭上にあった日差しは徐々に陰り、陽の眩しさが褪せ、空の端を暗い橙色に染める、夕風が次第に冷たくなり、カタリ貴族魔法学院全体がゆっくりと暮色に沈んでいく。
道を行く生徒はますます少なくなり、長い廊下の光はますます薄暗くなる、周囲はゆっくりと静かになり、風が枝葉を揺らす軽い音だけが残る、時刻は日が暮れる頃になっていた。
「気づけば、もうこんなに遅くなったのね。」
プーヤは顔を上げて暗くなった空模様を一瞥し、小声で感慨をもらす、ジャスミンはまぶたを上げて遠くの閉じた雲の層を見つめ、その瞳には心配と関心が浮かんでいる。
「もう……戻っているはずよね。」
「戻りましょう、もしかしたら、もう家に着いているかもしれないわ。」
プーヤは軽く笑い、ジャスミンを見る、その口調は穏やかだ、ジャスミンはうなずき、二人はもうぶらつかず、来た道を振り返り、ゆっくりと住んでいる家へ向かって歩く。
道沿いの街灯が自動的に灯り、道ははっきりと見える、時折、遠くから生徒たちの話し声や虫の鳴き声が聞こえてくる、すぐに、二人は家の前に着き、ジャスミンが扉を開ける。
キィ——
扉がはっきりとした音を立てる、二人は玄関に立ち、家の中は真っ暗で、光も動きもなく、一日中誰も帰ってこなかったかのようだ。
ジャスミンは思わず呟く、その顔にはためらいと不安が浮かんでいる。
「まだ戻っていないの……?」
二人は家の中に足を踏み入れ、扉がそっと閉まる、部屋は完全に闇に包まれ、光は薄暗くて互いの顔もはっきり見えない、窓の外にわずかに残る暮色だけが、かろうじて家具のぼんやりとした輪郭を浮かび上がらせる。
「おかしいわね……どうして魔法の灯りがつかないのかしら?」
プーヤは疑わしそうなふりをして、ジャスミンに尋ねる、ジャスミンは首を振り、その声は不確かさに満ちている。
「私にも分かりません……」
パッ——
突然、灯りがつく、明るい白光が瞬時に部屋中に広がり、すべての暗闇を一瞬で追い払う、視界がはっきりした瞬間、ジャスミンの動きも同時に止まる。
リビングの中央に、二つの人影が静かに立っている、レオンが真ん中に立ち、顔には穏やかな笑みを浮かべている、アリットはその脇に立ち、表情は淡々としているが、その表情はとても柔らかい。
レオンはジャスミンに向かって歩いていく、少女の前に立っても、少女はまだ反応できず、顔にはまだあの少し呆けた表情が浮かんでいる、レオンは小声で口を開く。
「誕生日おめでとう、ジャスミン。」
「誕生日おめでとう。」
アリットも二歩前に進む、その目は灯りの下で輝いている、プーヤはジャスミンの肩を軽く叩き、その後レオンのそばに立つ、その澄んだ目には温かさが宿っている。
「ジャスミン、誕生日おめでとう。」
ジャスミンは瞬きをする、その美しい瞳が三人の間を何度も往復する、指は白くなるほど強く握り締められている。
やがて、彼女は優しい微笑みを浮かべる、その口調は穏やかだが、少女の顔の表情は、内心の激しい動揺を証明している。
「誕生日……そうか、今日は私の誕生日だったのね……私自身、忘れていたわ……」
「俺は覚えている。」
レオンは笑い、揺らぐ空間魔法の中から木箱を取り出す、木箱の作りは精巧で、表面には模様が彫られている、彼は箱を開けると、中には精巧なネックレスが静かに収まっている、彼はジャスミンに差し出しながら、続けて言う。
「誕生日のプレゼントだ、気に入ってくれるといいんだが。」
彼女の指先は月光石の上で宙に浮き、触れるのをためらっている、銀白色の睫毛がそっと震え、薄い膜のような涙が眼底を覆うが、涙がこぼれ落ちることはなかった。
「レオン様……これはあまりにも貴重すぎます、お受けできません。」
レオンは彼女を見つめる、その神色は相変わらず穏やかで、強い感情は感じられない、口調はただ淡々としている。
「ただのプレゼントだ、俺たちは家族だろう、気を遣う必要はない、持っていてくれ。」
プーヤは傍らでそれを見て、ジャスミンの心の動揺を察し、プレゼントをジャスミンの手に押し込むと、タイミングよく話題を変えて、レオンを見る。
「プレゼントばかり見ていないで、レオンは他にもサプライズを用意しているはずよ。」
レオンは軽く笑い、手を上げて空間魔法から、焼き肉店とケーキ屋で包んでもらった食べ物を取り出す。
クリームケーキが安定して取り出され、しっかりと机の上に置かれる、続いて、一枚一枚油紙で丁寧に包まれた焼き肉、燻製肉串、焼き雑菌、焼き野菜が順に積み重ねられ、広げられる。
焼き肉は作りたての温かさを保ち、焼き雑菌は炭火と山椒塩の香りを帯びて、リビング全体を満たす。
アリットは前に進み、手を伸ばしてケーキの外側の紐を解き、ギフトボックスを開ける。
真っ白なクリームの表面は簡素で、複雑で派手な飾りはなく、数個の淡い赤い野の実が飾られているだけだ、アリットが低声で言う。
「これはレオンが特に選んだものだ、気に入ってくれるといいのだが。」
プーヤは細くて短い魔法の微光キャンドルを何本か探し出し、ケーキの上に刺す、指先で軽く指を鳴らす、パッと、炎が少女の指先で燃え上がり、彼女は一つ一つのキャンドルに火を灯す。
揺れる蝋燭の火が四人の顔を映し出す、リビングには、蝋燭のパチパチという微かな音だけが残る。
火光が揺れ動き、ジャスミンの顔に落ちる、先ほどまで堪えていた感情が、この時、いくぶん緩む。
彼女はうつむき、髪が垂れて顔を覆う、数秒間沈黙し、再び顔を上げた時、彼女は髪をかき上げ、口元にゆっくりと確かな笑みを浮かべる、その声は微かに震えている。
「こんな感覚、ほとんど忘れかけていました。」
「すまない、ここ二年、父上の指導が厳しくて、魔法の勉強に追われ、君の誕生日を祝う時間がなかった、今回はまとめて取り戻そう、さあ、ジャスミン、願い事をしろ。」
レオンは手を上げてケーキを指し、小声で言う、ジャスミンは両目を閉じ、十本の指をそっと胸の前で組む、彼女は願い事を口に出さず、両唇をしっかりと結んでいる。
しばらくして、彼女は目を開け、そっと息を吹きかけてすべてのキャンドルを消す、蝋燭の火はすべて消え、部屋の中には魔法の灯りの白光だけが残る。
プーヤが最初に拍手をし、アリットもうなずき、ジャスミンに向かって手を叩く、拍手は騒がしくなく、部屋の中で数回響く。
四人は長机の周りに座る、レオンはケーキを切り分け、それぞれの手に渡す、クリームは清らかに甘く、野の実は淡い酸味を帯びている。
焼き肉、燻製串、焼き雑菌が開かれ、油紙が広げられ、煙の香りが漂う、誰も大声で笑うこともなく、大げさに祝うこともなく、皆が静かに食べ物を味わい、時折短い世間話が交わされる。
プーヤが最もリラックスして食べている、焼き雑菌を噛みながら、学院で聞いた面白い話を適当に話す、アリットはケーキを少しずつ食べ、落ち着いた態度で、時折一言二言返事をする、レオンはただケーキを手に取り、一口かじるだけで、表情は穏やかだ。
ジャスミンは手に木箱を脇に抱え、食べ物を口に運びながら、時折指先で箱の縁を撫でる、彼女の顔には常に淡い笑みが浮かんでいる。
宴も半ばを過ぎ、机の上の食べ物はほとんどなくなった、窓の外の夕風が草花を撫で、サラサラという音が聞こえる、遠くからは、遅く帰る生徒の足音がまばらに聞こえ、すぐにまた静けさに戻る。
プーヤは腕を伸ばし、残りの三人を見渡して、そっと息を吐く。
「今日はこれで大成功ね。」
アリットは微かにうなずき、紅茶を一口含んで、顔に淡い笑みを浮かべる。
「すべて順調だった。」
ジャスミンは隣のレオンを見て、次にプーヤとアリットを見て、ゆっくりと一人ひとりに視線を巡らせる。
「ありがとうございます、ネックレスも、今夜のすべても、しっかりと大切にします。」
レオンは淡々と口元を緩め、手に持っていた食卓ナイフを置き、白いナプキンで口元を拭き、穏やかな口調で言う。
「ああ。」
ケーキは食べ終わり、残った焼き肉や菓子は簡単に片付けられる、夜はすでに深く、これ以上騒ぐにはふさわしくない。
プーヤが立ち上がり、机の上の油紙や皿を片付け始める、アリットも前に出て手伝い、二人は帰り際にゴミも一緒に持って行った。
ジャスミンはネックレスの入った木箱を慎重に閉じ、しっかりと胸に抱きしめる、彼女は柵のところまで歩き、赤い瞳で星々と明月を見つめる、月光が銀白色の髪を伝って肩に垂れる。
今日起こったすべて——焼き肉、プレゼント、キャンドルの灯り——が彼女の記憶の中に沈んでいく。
レオンは家の扉枠のところに立ち、適当に枠に寄りかかっている、その目には捉えどころのない深い色が浮かんでいる。
彼はジャスミンに声をかけようとはせず、しばらく見つめた後、黙って背を向けて立ち去る、彼女に、一人で過ごすための少しの感情のスペースを静かに残しておいたのだ。
部屋の中の灯りは柔らかく安定している、レオンはソファに座って本を読んでいる、トントンと足音が聞こえ、レオンが本を置いて見ると、ジャスミンが玄関に立っている。
白いうなじにはあの瑠璃鋼のネックレスが掛けられており、灯りの下で色とりどりの光を放っているが、非常に控えめで、下品ではない。
レオンはうなずき、ジャスミンを見て穏やかな口調で言う。
「よく似合っている。」
「ありがとうございます、レオン様。」
ジャスミンの口調はとても軽いが、少女の喜びを隠しきれない、レオンはソファから立ち上がり、本を本棚にしまう。
「もう時間だ、ジャスミン、休んだ方がいい。」
「はい、レオン様、後ほど休みます、あなたもお早めにお休みください。」
ジャスミンはうなずく、彼女の指先がネックレスを撫でる、頭の上のあのヘアピンも灯りの下で光っている、レオンは自分の部屋へ向かう。
カチッと、扉が開かれる、レオンが部屋に入ろうとした時、足を止め、振り返ってジャスミンを見る、その口調は穏やかだ。
「ジャスミン。」
「はい、レオン様。」
ジャスミンは微笑みながら彼を見る、レオンは笑う。
「おやすみ、ジャスミン。」
「おやすみなさい、レオン様。」
少女はうなずき、少年が部屋に入るのを見送る、白い顔は敬意に満ち、口元が緩む、彼女は耳元の髪を整え、窓の外の月光を見つめ、何かを考えているようだった……




