学院編:第三十八話:レオンの頼み
「ぷっ……」
ジャスミンは思わず手を上げて口を覆い、軽く笑う、少女の笑い声にレオンが横を向き、少し困惑した様子で尋ねる。
「どうした?」
ジャスミンは軽く首を振る、脳後のポニーテールが揺れに合わせて軽く動く、少女は手を上げて、露店で料理を作っている学生たちを指差し、顔に笑みを浮かべる。
「ただとても興味があって、彼らが露店を出しても、教授に止められたりしないのかなって?」
レオンは忙しそうにしている学生たちを一瞥し、軽く笑う。
「それは俺も知らないな。」
「咎められたりはしないわよ、学院はそういった行為を禁止していないから、度を越したことをしなければ、学院はほとんど干渉しないわ。」
ちょうどその時、傍から穏やかな声が聞こえてくる、レオンとジャスミンが振り返ると、まず目に入ったのは、柔らかな紫色の短い髪の少女だった、彼女の口元には相変わらず浅い微笑みが浮かび、白い顔は端麗さに満ちている。
「アデル先輩、おはようございます。」
「おはようございます、アデル様。」
ジャスミンが軽く笑い、レオンは少女に向かって微かにうなずく、その後、アデルの後ろにいる男子学生に視線を向ける。
「おはよう。」
アデルは笑う、レオンが後ろの男子学生に気づいたのを見て、その男子学生はアデルと同じ三年生の灰色の長袍を着ており、両腕を胸の前に組んでいる、緑色の瞳は淡々としている、アデルが手を上げて紹介する。
「こちらはクラウド・ボウル、私のパートナーよ。」
「こんにちは。」
クラウドは組んでいた腕を解き、手をレオンの前に差し出す、その声には感情がこもっておらず、まるで何も彼の注意を引かないかのようだ。
「クラウド先輩、こんにちは。」
レオンは手を上げて相手と軽く握り、すぐに離す、クラウドの目がレオンと合う、少年の深い碧い瞳を見て、彼の眉がごくわずかにひそめられたが、誰もそれに気づかなかった。
「どうかしましたか?」
ジャスミンがクラウドを見て、その口調には少し疑問が含まれている、隣のアデルも少し奇妙に感じている。
「いや、何でもない、アデル、そろそろ行こう、冒険者協会が待っている。」
クラウドは遠くの鐘楼を一瞥し、視線をアデルに移す、その口調は依然として平淡だ。
「ええ、レオン、ジャスミンさん、私たちは先に失礼するわ。」
アデルはうなずき、レオンとジャスミンに手を振る、その後、学院の大通りへと歩いていく、二人の背中が学生の中に消えるまで、二人は視線を戻さなかった。
レオンは振り返って前方の区域へと歩き出す、行き交う学生に沿って進み、二人は一つの大型のホールの前に立つ、重厚なオーク材の扉が内側に開かれ、隣の立て札には——告示ホール——と書かれている。
広々としたホールがレオンとジャスミンの目の前に広がる、ホール内には多くの学生が集まっている、灰白色の壁の四方には連なった木製の掲示板が一面に掛けられ、一枚一枚の板が緊密に接続され、上から下まで様々な依頼やランキングが貼られている。
学生たちは掲示板の前に集まっている、体つきの幼い低学年の学生はつま先立ちで外周に擠り、首を伸ばして高い場所の文字を必死に見ようとし、指先を絶えず半空で動かしている。
高学年の学生は前列に立ち、片手を腕に組み、もう一方の手で顎を撫でながら依頼を選別している、眉を深くひそめ、非常に悩んでいる様子だ、ホール全体は人の声で細かく騒がしく、行き交う影が絶えない。
掲示板は明確にいくつかの区分に分けられ、内容はくっきりと分かれている。
片側は学院内務専用の区分で、月次の実戦成績や魔法理論活動の点数ランキングが整然と貼られている、入賞者がその上に分布している。
多くの学生がこの掲示板の前に立ち止まり、自分の位置を繰り返し確認し、心の中で競争相手と優劣を競っている。
中央の区域は学院公式が発行する校内任務で、ほとんどが実験室の補助、魔物標本の採集、図書館の古籍整理、訓練場の当直といった校内の雑務であり、対応する単位報酬が記されている。
最後の大部分の区域は、すべて外部の冒険者協会から送られてきた依頼懸賞である、学院が現在、冒険者協会にダンジョン関連の任務を禁止しているため。
相手はランクを下げるしかなく、赤い縁取りで高危険の狩猟、地域探索、宝探しなどの中高報酬の任務を掲示している。
比較的簡単な白い縁取りの任務もある、例えば旅人の護送、薬草の採集、低級魔物の駆除といった通常の懸賞で、明確な金貨が付記されている。
レオンは混雑した人混みを抜け、一匹の魔獣狩猟の依頼の前に立ち止まる、数枚の赤い縁取りの依頼書に目を通し、最終的に一枚のやや古びた懸賞に視線を留める。
依頼書の端は捲れ上がり、墨跡はいくぶん褪せている、どうやら一度も受注されたことがないようだ、レオンは手を上げ、指先でそっと紙の端に触れる、まるでこの依頼の重みを量るかのように。
「レオン様?」
ジャスミンの声が後ろから聞こえる、レオンは手を引き、振り返って掲示板を離れる。
「いや、何でもない、もう少し見て回ろう。」
紙が差し込む微風に煽られる、すべての人の視線は一塊一塊の掲示板に釘付けになっている、ある者はランキングの単位を追い、ある者は外出任務を選ぶ、ホールのすべての人の注意はしっかりと引きつけられている。
レオンは歩いて別の側へ向かう、ここの掲示板にはここ一ヶ月以内の学生ランキングが並べられている、一年生から三年生まで、各学年ごとに一位から百位までが羅列されている。
彼の視線は一年生のランキングを眺める、上位五名は以下の通りだ:
セシリア・ヒューズ——年齢:13歳、一年生総合ランキング第一位。
ソフィア・ラッセル——年齢:12歳、一年生総合ランキング第二位。
イレイン・リード——年齢:13歳、一年生総合ランキング第三位。
マシュー・マーフィー——年齢:13歳、一年生総合ランキング第四位。
ケビン・ウォード——年齢:12歳、一年生総合ランキング第五位。
レオンは両腕を胸の前に組み、五人の名前を一瞥する、その目には何の動きもなく、ただ淡々と眺めている、ジャスミンはレオンの隣に立ち、手を上げて隣のランキングを指差す。
「レオン様、ご覧ください、アデル様とクラウド様も載っていますよ。」
レオンは横を向いて見る、ジャスミンの指が触れた場所に沿って、二人のランキングがはっきりと見える。
「三年生の五位と四位か、やはりすごいな。」
「これからどうされますか、レオン様?」
ジャスミンは指を引っ込め、周囲の学生を一瞥し、視線をレオンに落とす。
レオンは急がず、空間魔法の中から一冊の薄い本を取り出す、本の外見は非常に普通で、表面にはカタリ貴族魔法学院の印が刻まれている。
そこにははっきりとした四文字が書かれている——新生案内。
指先でページを撫でながら、レオンはそこに書かれた案内を見る、図書館の記載に視線を止めてしばらく考え、その後ジャスミンを見る。
「行こう、ここの状況は大体把握した、今から図書館に行ってみる。」
「かしこまりました、レオン様。」
ジャスミンは何かを考えるようにうなずき、レオンに従って告示ホールを後にする、二人は学院の大通りに出て、図書館へと向かう、二人はそのまま急がずゆっくりと学院の中を歩く。
レオンは前方を見つめながら、歩きつつ口を開く。
「ジャスミン、明日、俺は一度外に出る、明日は君は自由行動でいい。」
ジャスミンの足が止まる、その顔には困惑と心配が浮かんでいる、少女の指は無意識に握り締められ、唇も軽く引き結ばれる、彼女はその場に立ったままレオンを見つめる。
「レオン様……お断りさせていただきます。」
レオンは振り返り、少女の様子を見る、その目には強い決意と拒否の余地のなさが満ちている、彼はジャスミンがそう言う理由を理解しているが、少年の口調は揺るぎなく、顔には感情が一切ない。
「これは命令だ。」
ジャスミンは首を振る、その口調は相変わらず優しいが、妥協は一切しない。
「それは私が受け入れるべき状況ではありません、もし薪火城の時のように、レオン様のお求めにお応えしたでしょう。」
「レオン様がお一人の時間を必要とされているのはもちろん理解しています、しかし、安全な学院内であればもちろんお受けします、もし魔導具をお求めでしたら、私が代わりに——」
少女は一呼吸置き、指をわずかに緩め、歩みを二歩前に進める、白い顔には複雑な表情が浮かんでいる。
「私はあなたが心配です、何かあったら、あなたのことが心配になります、どうかそうしないでください。」
「もしあなたを自由にさせてしまったら、幼い頃にあなたが私に言ってくださったあの誓いに対して申し訳が立ちません、そして伯爵様の託しに対しても申し訳が立ちません。」
レオンは軽くため息をつく、彼は横を向いて、自分を見つめている他の学生たちに気づく、長い髪の女子学生が隣の男子学生と低声で話し合っており、二人の目には評価の色が宿っている。
一人の男子学生がこっそりと彼とジャスミンを見ている、目が合うと慌てて横を向く、通りかかった教授までもが、目に評価の色を浮かべ、顔に困惑を帯びている、数人の少年少女の声が彼の耳に届く。
「見ろよ、あの奴、自分の従者に何て言ってるんだ?」
「ひどすぎるよ、あんなに綺麗な従者にあんな態度を取るなんて、俺なら毎日一緒にいたいのに。」
「あの少年、どうやら一人で出かけようとしてて、あの綺麗な少女が反対してるみたいだな……」
レオンは彼らの言葉を気にせず、顔を上げて空を流れる白い雲を見る、一羽の鳥が彼の視界を横切る、彼のまぶたが微かに垂れ、軽くため息をつく。
「ジャスミン、聞いてくれ、俺が出かけるのには理由がある、君に関係することだ。」
「私に……関係すること?」
ジャスミンは微かに呆け、少女の顔に茫然とした表情が浮かぶ、全身がとても困惑しているように感じられる、彼女は続けて尋ねる。
「レオン様、それはどのようなことですか?」
レオンは笑い、ジャスミンをまっすぐに見つめる、その口調は穏やかだ。
「今は君に伝えられない、しかし、俺が出かけるのには自分の理由がある、その時は、プーヤを訪ねて、アリットを一緒に連れて行くつもりだ。」
「もちろん、もしプーヤが忙しいなら、その時は君を連れて行く、どうだ?」
ジャスミンはまだ迷っている、彼女はレオンの目を見る、その碧い目には自信が満ちている。
少女は理解している、レオンが決めたことは、伯爵様でさえ変えられない、自分が干渉できるはずもない、数秒の迷いの後、ジャスミンは横を向き、口調にいくぶん諦めを含ませる。
「わかりました、レオン様。」
「理解してくれてありがとう。」
レオンは前方に向き直り、気ままにゆっくりと歩き続ける、ジャスミンはうつむき、美しい目を微かに伏せて、少女が何を考えているのかはわからない。
二人は黙ったまま、図書館の門前に到着する、目の前の壮大な建築を見渡す、巨大な石造りの図書館が学院の中心部にそびえ立ち、重厚な灰岩石の壁が幾重にも積み重なっている。
建物全体には余計な華美な彫刻はなく、アーチ窓の縁に一圈の古い魔法符文が彫られているだけだ、数本の色ガラスが壁に嵌め込まれ、陽光がガラスを通り抜けて、地面に五色の彩光を投げかけている。
広い石段が一路上方へと延び、二枚の高い黒檀の正門にまで達している、扉には無数の書頁と星紋の浮彫が彫り込まれている。
門の脇には二基の磨き上げられた石碑が立っている、図書館の円形のドームが見える。
ドームには大規模な星図の紋様が描かれている、階層は全部で三層に分かれ、各層は百メートルの広さがある。
多くの学生がここを行き交う、厚い古籍を抱えて慌ただしく通り過ぎる者もいれば、閲覧を終えて本を抱えて大門から出てきて、読んだ知識について低声で話し合う者もいる。
二人の聖騎士が大門の両側に立ち、平静な目で行き交う人々を見渡している、余計な問いはせず、ただ秩序を維持している、フルフェイスの兜のため顔は見えないが、表情はおそらく非常に厳しいものだろう。
レオンとジャスミンは冷たい石段を踏みしめ、一歩一歩図書館の入口に近づく、図書館の中に入ると、内部の温度は外よりもかなり低く、清涼な感覚が顔を撫でる。
ここには千人以上の学生が集まっているが、意外にも非常に静かで、誰一人として話していない、一人ひとりが本の中の知識に目を向けている、図書館全体にはただページをめくる音、紙の匂い、そしてますます濃くなる木の香りだけが漂っている。
「ジャスミン、自由行動にしよう、俺は午前中ここで本を読んでいたい。」
「かしこまりました、レオン様。」
ジャスミンは軽く笑い、隣の本棚へ向かい、本を手に取る、指先でそっとページを開き、細かく読み始める、レオンは横目でジャスミンを一瞥し、前方の本棚へと歩いていく。
トントンと、足音が本棚の通路に響く、音は非常に軽いが、図書館内でははっきりと聞こえる、レオンはゆっくりと歩きながら、手を上げて本の背を滑らせていく。
ついに、レオンの歩みが止まる、一冊の赤い本に目を留める、本は全体が赤く、表紙には『魔法と魔力理論』と書かれている。
彼は手を上げて本を取ろうとする、しかし指が本を掴んだのと同じ瞬間、もう一方の白い手のひらも向こう側から伸び上がり、一緒に本を掴む、二人の動作が同時に止まり、どちらも微かに停滞する。
「あの……そちらの方……この本を先に私が借りてもよろしいでしょうか?」
少女の澄んだはっきりとした声が脇から響き、レオンの耳に入る、その語調はなぜかとても聞き覚えがある。
レオンはゆっくりと本の背を掴んでいた指を離す、相手もそれに乗じて、その厚い典籍を本棚から引き抜く、少女の顔全体が、完全にレオンの目の前に現れる。
「プーヤ?」
レオンの声にはあまり起伏がなく、平淡に相手の名前を口にする、プーヤは顔を上げて彼を見つめ、その瞳には明らかな驚きの色が一瞬走る、続いて口元にほのかな笑みが浮かび、表情は落ち着いて悠然としている。
「レオン、まさかあなたも図書館に来ていたのね。」
「今日はジャスミンと特に予定がなかったので、学院をあちこち見て回ろうと思ってね、ついでに資料を調べに来たんだ。」
レオンは轻声で応じる、片方の腕を横にして冷たい木製の本棚に凭れ、もう一方の手を脇に伸ばして、棚から別の古風な表紙の書籍を取り出す。
彼の視線はプーヤの顔に留まり、しばし間を置いてから、再び口を開く。
「プーヤ、実は今日の午後、君に頼みたいことがあってね、ここで会えたのはちょうど良かった、もちろん、無理強いするつもりはないんだが——」
プーヤの顔に少し困惑の色が浮かぶ、彼女の瞳がレオンの顔を一瞥し、相手の目を見て、喉を軽く鳴らしてから、笑いながら言う。
「もちろんいいわよ、どんな用事?」




