学院編:第三十七話:堅持する理由
「ゴホッ……」
レオンは苦しそうに咳を一つ漏らす、そんなレオンの姿を見ても、ジャスミンは動かなかった、少女は握り締めていた拳を緩める、彼女はレオンの限界と要求を熟知している。
かつて伯爵邸にいた時も、何度打ち倒されようと、彼は必ず立ち上がった、彼自身が限界に達したと判断しない限り、決して止めることはない。
「もう一度だ。」
レオンは地面に横たわったまま星空を見上げる、右手の拳を地面に叩きつけ、鈍い音を立てる、彼は再び艱難に立ち上がる、体中の骨の一つ一つが刺すように痛む。
チッ……澄んだ音がレオンの耳元で響く、彼がうつむくと、一滴滴る鮮やかな赤い血が地面に落ちている、鼻のあたりが温かいのを感じ、手で触ると、指に血がついていた。
レオンは手を上げて治療魔法で出血を止める、他の傷はすべてそのままにしておく、彼は再びジャスミンに向かって突進する、今回の勢いは先ほどよりもさらに激しい。
一拳、また一拳と拳が繰り出される、拳は雨粒のように絶えずジャスミンに降り注ぐ、しかし、レオンがどのように攻撃しようとも、ジャスミンは易々とかわすか、あるいはガードする、時間は十分に経過していた。
毎回ジャスミンに打ち飛ばされ、少年は倒れては起き上がることを繰り返す、自身の隙を真剣に覚え込み、その間、一切の動揺を見せない。
たとえジャスミンが肉体の十分の一の力しか使っていなくとも、レオンは全く耐えられない、少女の前では、彼は回避することさえできない。
パシッ、ジャスミンはレオンの拳を掴み、外側へ素早く捻る、レオンはそのまま一回転し、再び仰向けに地面に倒れる、レオンは絶えず息を切らしているが、顔には何の表情もない、その口調は平淡だ。
「今日は、ここまでにしよう。」
レオンは息を切らしながら、艱難に地面から立ち上がる、全身は汗でびっしょりと濡れ、多くの箇所に擦り傷ができ、かすかに血の気が浮かんでいる、ジャスミンは手を上げて生命法則を使用する。
柔らかな淡緑色の光がレオンを包み込む、その暖かさは数メートル離れていても、心が癒されるのを感じさせる、衣服も一緒に修復され、レオンの傷は完全に治療された。
ジャスミンはさらにレオンに清潔魔法をかける、銀色の光が一閃すると、レオンの周りに多くの透明な泡が浮かび、体の埃もきれいに取り除かれた。
「ありがとう、ジャスミン。」
レオンは深く息を吸い込み、顔に淡い笑みを浮かべる、ジャスミンは首を振り、その口調には心配が込められている。
「レオン様、このような訓練は……」
ジャスミンが言い終わる前に、レオンは軽く手を上げて彼女の言葉を遮る、彼は空の明月を見上げる、月光がレオンの体に降り注ぎ、少年の顔は決意に満ちている。
「この世界はいつだってそうだ、怠惰な者はただ安穏に日々を過ごしたいと願う、強者になりたいのなら、己に厳しくあらねばならない。」
彼は視線をジャスミンに移し、口元を引き上げる。
「他人より努力し、堅持しなければ、何で勝つことができる? このところずっと本を読んでいて、動きが少し鈍っていた、明日また来れば、今日より良い結果を出してみせる。」
「レオン様……」
ジャスミンの口調は複雑さに満ちている、彼女はうつむく、レオンは彼女の前に歩み寄り、少女の腕を軽く叩き、宿舎区へとゆっくりと歩き出す。
「よし、腹が減った、今夜は宿舎で適当に何か食べよう。」
「はい!」
ジャスミンはレオンの背中を見つめ、大きくうなずき、素早くレオンの傍らに歩み寄る、街灯が二人の高低差のある影を絶えず引き伸ばし、二つの影は次第に引き離されていく。
宿舎区、目の前の宿舎区は灯りで明るく輝いている、宿舎区は連続した建物ではなく、一棟一棟が独立した平屋の小庭である。
それぞれの部屋は専用の二人用居室で、浮遊する魔法の光球が歩道の両側に浮かび、柔らかな白光が青石の小道を満たしている。
一部の刻苦勉学な学生は窓を開け放ち、低声で符文の呪文を唱えながら星空を見つめている、ある部屋からは魔法練習の唸り音が聞こえ、また別の部屋はすでに灯りが消されている。
静寂の中、帰ってきた学生たちが互いに話し合い、笑い声が遠くから絶えず聞こえてくる。
レオンの横を通り過ぎた一人の長い髪の男子学生がレオンを一瞥し、その後、ゆっくりと前へ歩き続ける、長い髪の学生の後ろに従う侍從は一言も発さず、手には精巧な弁当箱を提げている。
レオンの視線は淡々と周囲の賑やかな人々を一瞥し、顔には何の波もない、ジャスミンは静かに彼の脇に従い、足音を非常に軽くしている。
二人は自分たちに割り当てられた部屋の扉の前に到着する、小庭は半人ほどの高さの木製の柵で囲まれ、庭の門には細かな銀灰色の魔法紋路が嵌め込まれている、壁体は学院共通の白岩煉瓦である。
窓枠には控えめな魔法符文が彫られており、余計な華美な装飾はなく、整然とした厳かさが漂っている、非常に簡素に見える。
レオンは前に進み、カードを魔法紋路の鍵に当てる、カチリと鍵が開く音がする、レオンは横を向いて少女を見る。
「見てみよう。」
ジャスミンはうなずく、レオンは扉を開け、ジャスミンを先に入らせる、ジャスミンが部屋に足を踏み入れた瞬間、カチカチと部屋に微かな音が響き、続いて天井の照明が点灯し、部屋全体が明るくなる。
屋内の陳列は一目瞭然だ、二つの独立した寝室が両側に分かれ、中央に共有の応接用の小ホールがある、リビングにはソファが置かれ、無垢材の机と椅子が隅に整然と配置され、壁の隅には発光する魔法の壁灯が埋め込まれている。
二つの部屋にはベッド、クローゼット、魔力収納棚がすべて完備されている、床には生成りのカーペットが敷かれ、スタイルは清潔で整頓されている、部屋の中にはほのかな木の香りが漂っている。
「本当にいいですね……」
ジャスミンは玄関の前に立ち、室内の陳設を見渡す、彼女はそっとブーツを脱ぎ、玄関に置かれたスリッパに履き替える、部屋の中に入り、絶えず歩き回る、レオンも靴を履き替えてリビングに入る。
「君はこういう家が好きなのか?」
ジャスミンはレオンの言葉を聞き、少女は軽くうなずく、彼女は指先で球形の石を撫でる、石は金属で貫かれ、頂部は人工的に小さな口が切り開かれている、両側には牛の角のような物が伸びており、牛の角には小さな穴が無数に開いている。
ジャスミンの声は非常に軽く、口調には楽しさが含まれている。
「はい、レオン様、とてもコンパクトだからです。」
「そうか……君は一番奥の部屋を使いなさい。」
レオンは何かを考えるようにうなずく、彼は手を上げてジャスミンの手の中の牛角の石球に魔力を注ぎ込む、次の瞬間、牛角の切り開かれた小さな穴から光が放たれる。
光は外側に広がり、三十六インチの長方形のスクリーンを形成する、今まさにカタリ貴族学院の鳥瞰映像を再生している、牛角のような小さな穴からは音が発せられ、投影に合わせてリアルタイムで音声を同期させている。
ジャスミンは横を向いてレオンを見る、その声は非常に軽い。
「レオン様、お腹は空いていますか? 何か食べ物をご用意しましょうか?」
「ああ、頼む、だが学院の食堂に行く必要はない、前にポントがくれた生命果と、ノエロアがくれた干し肉を出してくれ。」
レオンは一冊の本を取り出し、指先で本の角を撫でる、その視線は本に落ちたまま、顔を上げない。
ジャスミンは応じてうなずき、軽い足取りで一番奥の部屋へ向かう、彼女はふっくらとした生命果と風乾された干し肉を取り出し、清水で果皮を丁寧に洗う、その動作は優しく、手際も良い。
続いて空間魔法の財布から二つの白磁のカップを取り出し、温めた牛乳を注ぐ、一つ一つをリビングの無垢材の机の上に静かに並べる。
簡単な夜食がこれで整った、果肉は清らかに甘く、干し肉は非常に噛み応えがあり、口の中に特別な香辛料の香りが広がるが、意外にも美味しい。
温めた牛乳が夜の微かな冷たさを和らげる、リビングにはスクリーンの音と、二人が静かに食事をする微かな物音だけが残り、余計な会話はない。
レオンは終始平淡な表情で、静かに食べ物を味わう、食事が終わると、ジャスミンは立ち上がって雑多なものを片付ける、レオンはソファに座ったまま手を上げ、ゆっくりと注いでいた魔力を収める。
スクリーンの光が少しずつ消えていき、音も共に静まる、石球は質素で静かな姿に戻り、机の上に静かに置かれる。
「部屋に戻って休む。」
レオンは淡々と口を開く、彼はソファから立ち上がり、振り返って左側の寝室へ向かい、扉を押し入る、扉が軽く閉まり、静寂が訪れる。
ジャスミンは広いリビングにしばし佇み、その後、そっとソファに腰かける、彼女も一冊の本を取り出して長時間読みふけり、それから服の皺を整え、ゆっくりと歩いて右側の自分の部屋へ入る。
屋内の陳列は清潔で簡素だ、生成りのカーペットは柔らかく静かで、魔法の壁灯が微かな暖かな光を放つ、彼女はそっと扉を閉め、一つの狭い窓だけを夜空に向けて残す。
入浴を終え、彼女は柔らかなベッドの上にそっと横たわる、美しい瞳で窓の外の深い闇を見つめる、星々が闇夜に散りばめられ、月明かりが優しく窓辺に降り注ぐ、夕風が彼女が開けたカーテンの隙間から部屋の中に吹き込む。
先ほどの高強度の対練、レオンが何度も倒れては立ち上がる姿勢、ほとんど苛烈とも言える自己鍛錬の一幕一幕が、心の底を静かに過ぎていく。
やがて、次第に眠気が襲ってくる、少女は静かで穏やかに夢の中へと入っていく、ただ夕風だけが紗のカーテンをそっと揺らし、静かに揺れ動かす。
月が次第に更けていく、一匹の茶色い梟が「グゥグゥ」と二声鳴き、木製の柵の上に舞い降りる、それは大きな黒い目を見開いて、浴衣を着たレオンの窓辺をじっと見つめ、頭を微かに傾けて、戸惑った様子を見せる。
レオンは窓の外の梟を一瞥し、無表情で魔法書をめくり続ける、部屋からは暖かな光が漏れ、窓から外へと注ぎ、芝生の上にまっすぐに落ちている。
漆黒の短い髪が微風に吹かれて揺れる、あの深い碧色のような瞳には思索と真剣さが満ちている、サラサラと、レオンがページをめくる紙の音が、深夜の中ではっきりと響く……
翌朝、陽光が窓を通してレオンの顔に降り注ぐ、暖かさを感じ、少年はゆっくりと目を開ける、彼はカタリ学院の黒い長袍を着込み、浴室で洗面を済ませると、そっと扉を押し開ける。
食べ物の香りが空気中に漂っている、机の上には既に二杯の白い粥が置かれ、中央には赤い棗が一つ載っている、両側の皿には四枚の目玉焼きが重ねられている。
目玉焼きの上には黒胡椒と塩の粒が少々振りかけられ、二杯の湯気を立てる牛乳が片側に置かれ、空気中に細かな霧を漂わせている。
ジャスミンは髪をポニーテールに結んで忙しく動いている、手の中の籠には様々な果物が並べられている、レオンが部屋を出るのを見て、彼女は淡い笑みを浮かべて挨拶する。
「おはようございます、レオン様。」
「おはよう、ジャスミン、ご苦労様。」
レオンはソファに向かって歩き、腰かける、ジャスミンは洗い終えた果物を運んでくる、レオンは食卓ナイフを手に取り、目玉焼きを刺して一口かじる、外側はカリッと焼け、縁には油で揚げた塩気のある香ばしさが広がる。
「先に朝食を食べよう、これで十分だ、食べ終わったら、学院を見て回ろう。」
「かしこまりました、レオン様。」
ジャスミンは椅子を持ってきてレオンの向かいに座る、彼女は一枚の目玉焼きを切り分けて口に運ぶ、静かでありながら優雅さを伴う、二人は時折何か言葉を交わし、その後はまた無言の静けさに包まれる。
食事の後、ジャスミンは食器を洗い、レオンはソファに座って本を読み続ける、ジャスミンの忙しそうな背中を見て、彼はまぶたを伏せる、何かを思いついたように、口元に淡い笑みを浮かべる。
「そろそろ日が近いな……」
少女はタオルを手に取り、手の水気を拭く、リビングのバルコニーへ歩き、タオルを整えて置いた後、レオンの前に歩み寄る、その口調は穏やかだ。
「準備はできました、レオン様。」
「うん、出発しよう。」
レオンは本を空間魔法の中に収め、そっと立ち上がる、ジャスミンは玄関へ向かい、スリッパを脱ぎ、ブーツを履き終えると、扉を押し開ける、少女は静かに扉の外に立ち、レオンが靴を履き替えるのを待つ。
レオンは軽く靴の踵を打ち、立ち上がって扉の外へ向かう、微風が頬を撫で、清新な空気が満ちている、ジャスミンは扉を閉め、レオンの後ろに従う、二人は道を進む。
宿舎区では既に多くの学生が忙しく動き始めている、遠くの道では男子学生たちが集団で走っており、額には汗が流れ、顔は紅潮している、ついていけない数人の男子学生は足取りが左右にふらつき、かなり苦しそうだ。
女生たちは芝生の上に座って本を読み、互いに小声で話し合い、時折楽しそうな笑顔を見せる、たまに教授が通りかかると、それを見た学生たちは丁寧に挨拶をする、空気の中には青春の活気が満ちている。
「レオン様、まずどこへ行かれますか?」
ジャスミンはレオンの後ろに従い、その声は非常に軽い。
「まず学院の掲示板を見に行こう、学院のあの——有名人について知りたい。」
レオンは前を歩く、少年は振り返らず、そのまま歩き続ける、道標に従い、学院の掲示場へと向かう。
二人は宿舎区の活気に満ちた学生たちを通り過ぎ、魔法理論について議論しながら集まっている教授たちの横を通り過ぎ、庭園を抜ける、空気はさらに芳醇になり、様々な花が咲き誇り、まるで競い合うように美しさを誇る娘たちのようだ。
ジャスミンは遠くの庭園の中の一輪の黄色い花を見つめ、その瞳には喜びが満ちている、それは彼女が最も好きな花だった、しかしすぐに彼女は遅れを取ったことに気づき、慌ててレオンの歩みに追いつく。
半刻が過ぎ、レオンとジャスミンは人通りの多い区域に立っていた、ここは繁華街のようで、学生たちが露店を出している、店先には様々な奇妙な魔法薬剤が置かれている。
ある者は料理を作っており、見た目は非常に良さそうだ、多くの学生が香りに惹かれてその露店に集まっている、高学年の学生たちは冒険者協会のことについて話し合っている。
「聞いたか? 最近、冒険者協会の依頼がどんどん増えてるんだ、どこからそんなに多くの依頼が来るんだろうな。」
「聞いたよ、でもあの依頼、冗談だろ?」
「メーガン夫人の影猫が行方不明になって、彼女は金貨十枚の報奨金で探し人を募集してるんだって……」
「ははは、金貨十枚、少ないとは言わないけど、あんな大きな街のどこで彼女の猫を探せって言うんだ?」
「さらに聞いたぞ、今はもっととんでもない依頼もあるんだ、例えばベータ爺さんの腰痛、彼が依頼を出したんだ、何の依頼か分かるか?」
そのうちの一人の高学年の学生が彼のそばに寄り、顔に疑問を浮かべる。
「何だ?」
その学生は両手を腰に当て、思わず大笑いする、通りかかる多くの人々の視線が彼に注がれるが、彼はまるで感じていないかのように、全く気にしない。
「彼が言うには、報奨金は金貨一万枚で、『生命の意志——ルートヴィヒ様』を探してほしいんだって、はははは……」
彼の言葉を聞いて、その近くにいた学生たちも我慢できずに大笑いする。
「笑えるだろ? 腰痛だからって、ルートヴィヒ様を探せだって。」
「そうだそうだ、あの方は全大陸でどんな地位にあるんだ? 誰も逆らえる者なんていない。」
ある者は慌ててうなずき、仕方なさそうに首を振る。
「そうだよな、ルートヴィヒ様の行方は特別に神秘的で、伝説の剣聖様でさえ数年かかったんだ、我々のような普通の学生や、あの冒険者たちに探せるわけがないだろ。」




