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深淵紀行  作者: 梓UU
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学院編:第三十一話:人々との別れ

レオンは笑い、その大きな魚をしばらく見つめてから、視線をノエロアに移した。


「それで、これからどうするつもりだ?」


「放してやります。」


そう言って、ノエロアは皆の前で力増幅魔法を使用する、淡紅色の魔力の薄膜が少女の体を覆う。


彼女は片手で魚の口を引っ掛ける、見た目は非常に重そうなその大きな魚を、彼女はまるでおもちゃのように持ち上げる、魚の体の粘液は隔離され、少女はその後、軽く一振りする。


大きな魚は半空で絶えず体を振り、激しくもがく、ドボン! 水しぶきが飛び散り、海面に幾重ものさざ波を立てる、大きな魚は数回ばたついた後、ついに水中に消えて見えなくなった。


「さっき釣ったばかりじゃない? どうして放してしまうの?」


ジャスミンは少し困惑し、その眼底は不解で満ちている。


「えへへ! 私は過程を楽しむのが好きなんだ、それに、持ち歩くのは面倒だしね。」


ノエロアは両手を腰に当て、淡い緑の瞳が輝きを放つ、朝の海風が塩気を含んだ湿った水気を巻き上げて吹きつけ、彼女の肩に垂れる深紫色の長い髪を揺らす、何本かの髪が少女の白い顎のそばに張り付く。


ティロはゆっくりと少女の脇に歩み寄り、手を上げて少女の髪をそっと撫でる、指先には温かな温度が宿っている、彼女は体を横に向け、視線をレオンとジャスミンの二人に落とし、穏やかな口調で言う。


「私たちにはまだ、整理しなければならない荷物や補給物資がたくさんある。」


「この埠頭に三、四日は滞在するつもりだけど、あなたたちはどうする?」


レオンは微かにうなずき、顔には穏やかな笑みを浮かべている、視線は悠然とティロ、ノエロア、馬車に寄りかかるポント、そして後ろに従う商隊のメンバーを一瞥する。


「私は今日中に王都に入るつもりだ、ただ、その前にいくつか材料を買わなければならない。」


十数日間の短い同行は、人生の長い旅路の中では一瞬の挿話に過ぎない、レオンの言葉を聞いて、ティロたちの間の雰囲気は静かに沈み込む、海風が旅の疲れを和らげるが、この薄い別離の感覚を吹き払うことはできない。


ノエロアはその言葉を聞き、元々真っ直ぐだった肩が微かに落ちる、先ほど大きな魚を放した時の生き生きとした勢いは半分以上消え去り、指先が無意識に釣り竿を繰り返し握ったり離したりする。


少女の眼底の細かな落胆は隠せないが、直接言葉にしたくはない、ただ声がくぐもって聞こえる。


「それは残念だな、もっと休憩が終わったら、君たちを誘って海辺でさらに大きな魚を釣りに行こうと思ってたのに。」


ジャスミンの目には温和さが宿っている、彼女はそっと手を上げてノエロアの腕を叩き、その口調は柔らかい、慰めの言葉は多くなく、ただ静かに少女のそばに立っている。


ティロはレオンとジャスミンを見つめる、彼女は大陸を長年旅してきて、旅の途中での無数の出会いと別れにすでに慣れているが、それでもなお、いくつかの言葉をかけてやりたいと思う。


「それなら、皆さんとは一時のお別れですね、でも、どうかお気をつけて、武運をお祈りします。」


言葉を終えると、彼女は手を上げて後ろに従う隊員に合図する、彼は素早く走り寄り、手には二本の赤い液体の入った回復薬剤を持ち、そっとジャスミンの前に差し出す。


ティロは一呼吸置き、さらに言葉を続ける。


「高価なものではありませんが……でも、もしかしたら緊急時に使えるかもしれません。」


ジャスミンはレオンを一目見る、相手が微かにうなずくのを確認し、彼女は手を伸ばして薬剤を受け取る、指先にガラスの淡い冷たさを感じ、少女は微かに身をかがめて礼を言う、その態度は適切で、礼儀を欠いていない、レオンは笑って言う。


「贈り物をありがとう、この好意はしっかりと受け取った。」


ノエロアはジャスミンの手の中の薬剤を見て、突然何かを思い出す、手を伸ばして波打つ空間魔法から、磨かれた滑らかな二枚の浅海の貝殻を取り出し、レオンとジャスミンの手に押し込む。


貝殻は温かみのある透き通り、独特の模様がついており、非常に珍しい、それは彼女が以前釣りをした時に集めた小さな品で、高価なものではないが、今の彼女の少女らしい心に最もふさわしい送別の品だ。


「持っていてください、お別れの小さなプレゼントです、もしジャスミンお姉さんが海を見たら、今日一緒に釣りをしたことを思い出せるように。」


ジャスミンはうつむいて手のひらの滑らかな貝殻を見つめ、指先でそっと貝殻の表面の細かい模様を撫でる、それをしっかりと空間魔法のポケットに収め、顔を上げてノエロアを見る、唇の端のほのかな笑みが柔らかくなる。


「大切に保管します。」


二人の女性がそれぞれ贈り物を送るのを見て、彼は口を歪め、後ろの仲間たちを見る、彼らの顔には気まずさと困った表情が浮かび、手を上げて頭をかいたり、唇を引き結んだりしている。


ポントは両手を広げてレオンとジャスミンを見る、その口調には困った様子が含まれている。


「俺は本当に何も出せるものがなくてな、生命果しかないけど、まだいるか?」


ポントの言葉を聞いて、皆は思わず大笑いする、そうだ、前後を考えれば、ポントがジャスミンとレオンに贈った生命果は、少なくとももう百個を超えている。


簡単な別れの挨拶が終わり、埠頭の上では行き交う人々が絶え間なく続く、馬車の車輪が転がり、商人、冒険者、学生などの声や音が次々と響き渡り、この小さな一角を一層静かに見せている。


ティロは二人に軽くうなずき、振り返って後ろの商隊の者たちに合図する、一行は貨物を満載した馬車を運転し、埠頭の奥の補給商店へと向かう。


ノエロアは馬車に乗らず、隊列の最後尾を歩く、数歩前に進んだ後、少女はやはり振り返るのを抑えられず、力強くレオンとジャスミンに手を振る。


「ジャスミンお姉さん、レオン! また会う日まで!」


少女の淡い緑の瞳には光が宿っている、その後、振り返って隊列に追いつく、紫色の長い髪が走る動作に合わせて左右に揺れる。


ジャスミンはその場に立ち、ティロたち一行が次第に遠ざかっていくのをずっと見つめていた、全員の姿が埠頭の雑多な人混みに完全に隠れるまで、ジャスミンはようやく振っていた腕をそっと下ろし、横を向いて静かに立つレオンを見る。


レオンは依然として静かにその場に立ち、その目は商隊が消えた方向を見つめている、あの紫色の長い髪の姿が完全に見えなくなってから、彼はようやく放心していた視線をゆっくりと戻す。


彼はまぶたを上げ、入城口に群がる人混み、行き交う車両と魔獣を越えて、視線を遠くへと伸ばし、最終的に遠くの王都にしっかりと固定する。


視線を戻し、聖騎士が守る入城口を観察する、厳重な守備を見て、眼底に一抹の冷淡さが走る、指先で手の中の貝殻を撫で、最後にそれを空間魔法の中に収める。


そこには大量の人々が集まっている、数十名の聖騎士が城門の下に佇み、彼らはしっかりと入城通路を封鎖している、体は真っ直ぐに立ち、まるで温度のない高い彫像のようだ。


陽光が血のように赤い鎧に降り注ぐ、胸には精巧な彫刻が施され、左右に咲く白色の花の形の肩当ては非常に美しい、竜の頭の兜は顔全体を完全に覆い隠し、隙間からは冷たく威厳のある一対の目が見える。


数本の青色の縞模様が縁取り、頭部から足部まで伸びている、すべての箇所に花と竜の印が描かれている、白いマントが空中で舞い、はためいている。


ある者は長槍をしっかりと握りしめ、槍の刃先は冷たい光を放っている、下を見ると灰青色の旗があり、その上にはセムール帝国の花の形の模様が印刷され、微風に揺れている。


ある者は腰に長剣を下げ、左手は剣の柄に置き、右手の赤い竜の頭の盾は生きているかのようで、いつでも盾から飛び出しそうだ、視線は人混みの中で絶えず観察している、ただそこに立っているだけで、あの異様な聖性と凶暴さが放たれている。


普通の通行人は無意識に足音を軽くし、顔を上げて直視する勇気がない、両側の商人は話し声を低くし、こっそりと横目で彼らを観察するだけだ。


各地を常に旅する老練な冒険者たちは、だらしない態度を収め、眉をひそめ、黙って体のすべての鋭気を収める、臆病な通行人は全身を震わせ、目を合わせることさえ怖がる。


ある者は背中に巨大な白い大剣を背負い、剣身は寒気を放ち、陽光の下で光の弧を映している、時折、人混みの中を歩き、手を上げて小さな揉め事で言い争う冒険者と商人たちを制止する。


制止された冒険者と商人は苦笑いを一つ浮かべ、それぞれ散っていく、双方の額の端には汗の粒が絶えず首筋を伝い、襟を濡らすまでになる。


一歩ごとに、地面は鈍い重音を発する、体の厚い鎧と巨大な剣が絶えず擦れ合い、ガチャガチャという音が人混みの中に響く。


高い建築物がそこにそびえ立ち、入城口の壁には金色の紋様が刻まれている、ただそこに立っているだけで、あの圧迫感と威厳が息苦しくさせる。


入城口の門を通して、あの銀白色の大橋が見える、十メートルごとに一人の魔法級の聖騎士が立っている。


彼らの目は厳しく、橋の上を行き交う通行人を見渡している、赤いマントが風に揺れ、体の白い鎧は磨き上げられてピカピカで、陽光が彼らに当たると非常にまぶしい。


大橋は遠くの城壁まで延びている、地面の灰色の石版は非常に整頓されており、すでに多くの人がその上を歩いている、彼らの目は周囲の海面と王都の間を絶えず切り替え、顔には信じられないという表情が満ちている。


レオンとジャスミンは一つの通路に向かう、それはカタリ魔法学院が特別に開放した学生通路だ、他の果てが見えない行列に比べて、ここはかなり空いている、ただし、ほとんどの学生は馬車に乗っており、徒歩を選ぶ者はごく少数だ。


時間はゆっくりと流れ、列もゆっくりと進む、ジャスミンはレオンの後に従い、片手で傘を取り出す、傘は空間魔法で操作され、二人の頭上に固定され、日差しを避ける。


自分の下の影が円形の物体に遮られているのを感じ、レオンは頭上の白い傘の縁を一目見てから、再び前方を向く。


何かを思いついたように、レオンは手を上げて軽く指を鳴らす、二筋の微風が二人の周りを旋回する、風は非常に軽く、少女の髪を吹き上げる程度だ、ジャスミンの瞳が輝きを放つ。


「ありがとうございます、レオン様。」


ジャスミンの言葉を聞いて、レオンは微かに頭を傾ける、その眼底には温和さが宿っている。


「私こそありがとうと言うべきだ、やはりジャスミンが一番気が利く。」


レオンの言葉を聞いて、ジャスミンの頬はほんのりと赤くなり、耳の先も赤くなる、その赤い瞳は絶えず左右に泳ぎ、指さえも思わず握り締めてしまう。


レオンからの評価にジャスミンは非常に感動する、時々レオンの言葉は少ないが、少女はレオンの細やかさと優しさをはっきりと感じ取ることができる。


二人が雑談していると、二人の冒険者の革鎧を着た青年が彼らの方へ歩いてくる、彼らの腕の篭手は少し擦り減っており、革鎧は胸の前に覆われ、内側には黒い長袖を着ている、下半身も普通の制式のレガースと茶色の皮靴だけだ。


一人の青年の脚には包帯が巻かれており、包帯に滲み出た血痕はすでに乾いている、重傷を負ったように見えるが、青年の歩行には全く影響していない、あの目立つ淡い青色の短い髪が軽く揺れ、整った顔には一絲の困った表情が浮かんでいる。


「テミス、本当に大丈夫だから、安心してくれ、ほら、こんなにスムーズに歩けてるだろ。」


「でもベランド……その傷はまだ治ってないんじゃないか?」


テミスはベランドを支えているが、相手の顔には疑いの色が浮かんでいる。


ベランドは足を止め、両手を腰に当て、ゆっくりとため息をつく。


「おい? この脚はとっくにお前の治療魔法で治ってるよ、今はただ脚に残った麻痺感と鈍感が残っているだけで、脚が折れたわけじゃない。」


「それもそうだな、ただ心配なだけだ。」


テミスは頭をかき、その淡い緑の瞳には浅い笑みが浮かんでいる、ベランドは彼をしばらく見つめ、幽かな口調で言う。


「知ってるか? お前に今のちょっとした空気を読む力があったら、どうしてずっと独身でいるんだ?」


「どういう意味だ?」


テミスは不解に思うが、ベランドはもう何も言わず、足を速めて入城口の門の聖騎士隊長のところへ向かう。


「どういう意味だよ、おい! 行くなよ、先に答えろ!」


テミスは一瞬止まり、慌てて追いかける、その口調は切迫している、ベランドは片手を剣の柄に置いた聖騎士の前に歩み寄る、相手は彼に気づき、二人の方向へ歩いてくる、体の鎧が重い摩擦音を発する。


竜の頭の兜越しに、相手の声は非常に鈍いが、厳かさに満ちている。


「ベランド、殿下の件はどうなった?」


「護衛任務は終了しました、これから私とテミスは薪火城に戻り、ファムヤ様に報告しなければならない事項があります。」


ベランドは微かに身をかがめ、その口調は非常に恭しい、ちょうど駆けつけたテミスも相手を見て慌てて身をかがめて敬礼する、長剣の聖騎士は盾を背中に置き、二人に向かって軽く手を上げる。


「君たちは私が見守って育ったのだ、そんな面倒な礼は不要だ。」


テミスとベランドはゆっくりと立ち上がる、ヴェロシアの護送が急であったため、一時的に彼と言葉を交わすことができなかった、今は十分な時間があるため、二人の口調は同期する。


「クロード叔父さんは相変わらずですね。」


「ははは、久しぶりだが、君たちも子供の頃と変わらないな、ただ、ファムヤが君たちにまたどんな拷問を加えたのかは知らないが。」


クロードはうなずく、ベランドとテミスは兜越しでも、あの笑顔に満ちた顔が見えるかのようだ、テミスは慌てて自分の苦労を吐き出す。


「クロード叔父さん、知ってますか? ファムヤ様がまた俺たちを海に投げ込んで竜鰐に餌にしようとしたんです、前は城壁に吊るして干物にしようとしたし。」


テミスがファムヤの悪口を言うのを聞いて、ベランドはこっそりと肘でテミスをつつき、悪口を減らすように合図するが、テミスはまだ喋り続けている。


この状況を見て、ベランドは慌ててテミスの口を塞ぎ、顔に申し訳なさそうな表情を浮かべてクロードに苦笑いする。


「クロード叔父さん、こいつは昨日酒を飲み過ぎて、まだ酔いが覚めていないんです、私は急いで報告に戻らなければならないので、機会があればこいつと一緒に叔父さんを訪ねます。」


クロードは両手を腰に当て、兜越しに爽やかな笑い声を漏らす、彼は軽く手を振り、体の鎧を再び摩擦音を立てさせる。


「分かっている、ちょうど私も長く離れられない、行きなさい、機会があれば、私も君たちのために口添えをしてやろう。」


ベランドは笑ってうなずき、テミスが話す前に、無理やり相手を引きずって泊船区へと向かう、再び顔を上げた時、ジャスミンとレオンの二人が列に並んで入城しようとしているのを目にする。


ベランドは相手に向かってうなずく、ジャスミンとレオンもうなずいて応え、これで挨拶とした。


レオンは彼らが何を話しているのか聞こえないが、数回の接触、ローの行動、あの鐘の音、そして現在の状況を合わせて、心の中の霧がついに晴れていく……

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